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この日の撮影を終え、演奏が続く中、私は満員のフロアの隅で2002年4月4日の同じ会場での彼らの初来日公演を思い返していた。その頃彼らは、まだEPを1枚出しただけであったため、ライヴで披露できる曲も限られていて、フロアもAt
the Drive-Inの大阪公演の盛況っぷりが嘘だったかのように空いていた。演奏時間はアンコールを含めて1時間弱で、6曲が披露されたと思う。そのころからインプロは面
白く聴くことができたが、若干「演奏時間を稼いでいる」感があったかもしれない。しかし、オマーがATDIでの演奏中には見られなかった極上の開放的な笑顔でドラムソロに合わせてダンスをしまくり、観客が目一杯の熱狂で応える光景を眺めながら、「これから、本当に凄いことになるに違いない」と確信した記憶がある。
その初来日公演から1年9ヶ月。彼らは日本でのツアーの最終日に、再び心斎橋クアトロのステージに立った。あれ以来、ライヴでプレイするベーシストは3回交代し、PAブースで音響効果
を担当していたジェレミーは他界...、と紆余曲折があり、ライヴのスタイルもかなり進化した。インプロが問答無用で彼らの神髄となり、よりシリアスに、深く、濃密に。渾沌としているようでありながら、どのプレイヤーが奏でるたった一音でさえも無駄
がなく 、尋常ではないテンションで鳴っている。派手なステージアクションが彼らの大きな魅力のひとつではあるが、この日のようにステージがほとんど見えない位
置で聴いていても、その音の衝撃度に遜色は感じられなかった。このような超越的な音が鳴っている空間に存在できるということが、ただただ幸せで、"Cicatriz
esp"のインプロの何度目かのクライマックスで、セドリックが超音波のごときシャウトをあげ、床に崩れ落ちていく光景が遠くに見えた瞬間、不覚にも涙が止まらなくなってしまった。彼らのライヴは今、間違いなくひとつの到達点にある。早くも次が待ち遠しいが、たとえこの日の公演が自分にとっての人生最後のライヴとなっても、私は全く後悔しないだろう。それくらい凄まじい、約1時間40分の演奏だった。
set list: 1. Roulette Dares
(the haunt of) 2. Drunkship of Lanterns 3. Eriatarka 4. Cicatriz
esp 5. Televators 6. Take the Veil Cerpin Taxt
comment and photo by keco
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