Theatre Brook @ Shinjuku Liquid Room (27th Dec '03)
華のあるオトコ
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佐藤タイジには華がある。ギターはとんでもない上手さだし、レスポールを低く構える姿は若い頃のジミー・ペイジのようだ。白のスーツもさらりと着こなし、スタイルも抜群。スタッフのカメラマン(女性)も言っていたが、やはりタイジは"いい男"だ。実際、この日の観客は女性のほうが多かったし、僕の後ろでは、一人の女性がずっとタイジに向けて黄色い声をあげていた。
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しかし、この日初めて目にした彼らのパフォーマンスは、ただ女の子のミーハーな気持ちを満たすだけのものでも、年の瀬の浮かれた気分を増長させるようなものでもなかった。ステージからは、音楽の力強さと、「自分の生きる世界の現実に目をそらすな」、そんな真摯なメッセージ伝わってきた。
開演時間から大分遅れてリキッドに到着。ライブはもう前半の佳境に入っていた。人がたくさんでフロアに降りられない。やむなく後ろのバースペース付近で見ることに。バンドはミディアム・テンポの曲をプレイ。こっちもじわじわと熱くなっていく。すると、ここでいったんバンドがステージを降りる。ライブが終わったのではない。休憩だ。
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この休憩の時間に、フロアの横に設置されたスクリーンには、ダライ・ラマのドキュメント映像が流される。もちろん、休憩時間なのだから、おしゃべりやお酒を楽しんでいる人も多い。しかし、フロアに残ったほとんどの人がスクリーンに目をこらし、ダライ・ラマの言葉に耳を傾けている。これには正直驚いた。
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だって今日はチベタン・フリーダム・コンサートじゃないんだぜ。もちろんチベタンがないときこそ、チベット問題を考えることが大切だ。それを実践しているバンドと、それに応える観客がここにいる。
映像が終わると、すぐにバンドが戻ってくる。ここで、ゲストのフルート奏者がステージにあがる。タイジのアコースティック・ギターと、フルートの優しいハーモニー。そこに挟まれるのが、ボブ・マーリーの"ウェイティング・イン・ウ゛ェイン"の「あなたの愛をむなしく待っているなんていやだ」という下り。これはたまらない。 |
その後はアグレッシブな曲を連発。これまでじっとして聞き入っていたのが嘘のように、フロアは縦ジャンプの嵐に。それにしてもこのバンド、客をのせるのが上手い。メンバー紹介のときにそれぞれがソロを披露したけれど、やはり4人でグルーブを作りだすバンドだと思う。
途中、「ストップ・ブッシュ!」とコールを始めたタイジ。他の曲でも、アメリカに追従し、自衛隊派遣を決めた小泉政権への批判を歌に織りまぜていた。街にはやたらと甘い歌が流れ出し、どこか浮ついた気分にもなりがちなこの時期に、彼がステージで見せるのは「現実に目を向けろ」という強い意志だ。
タイジは歌の中に、ボブ・マーリー、ジョン・レノン、ニール・ヤングのフレーズを挟み込んだ。彼らは60年代、70年代、そして今も、現実と向き合い闘い続けて来たミュージシャンたちだ。シアターブルック、佐藤タイジは、その精神を歌に込める。彼に華があるのは、そのルックスのせいじゃない。その強い意志からだ。
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report by rad and photo by hanasan |
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