JUDE @ Sapporo Factory HALL (December 7 '03)
まるで、眼前の大岩のように。 -Part 2-
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高校時代、友人にBLANKEYの存在を教えてもらった。ちょっと変わった髪形のヴォーカルの男に釘付けになった。あんなギターを弾きながらあんな声で歌う。凄まじい存在感。一目見て日本最高のギターヴォーカルだと思った。ひねくれ者の僕はあえてBLANKEYを追いかけなかったけど、今日までずっとそう思ってきた。
そして、今日。JUDEの原稿を書くことに対しては、はっきり言って、物凄く抵抗があった。僕如きが何を書こうというのだ?ロックファンにとって浅井健一という存在への思い入れは、恐ろしく強い。音楽面だけでなく、その精神性や哲学性に対しても、あちこちで著名な方々から評価されている存在である。言わば日本ロック界の生ける伝説だ。そんな人のレポートを、僕が書く。とてもじゃないが、恐れ多い。
変に構えた文を書く必要はないんじゃない?」。Q-TAが言ってくれた。僕には浅井健一の音楽に秘められた精神性や哲学性を語れる頭脳も、資格もない。だからBLANKEYを見て衝撃を受けたあの頃の自分のまま――そう、一人の無知な若者として、見たまま、感じたままを、飾らず書こうと思う。
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――始まる前から、何人かの女性が男の名前を呼んでいる。スピリチュアルな空気に染まった舞台に本日のメインキャストが登場すると、歓声は絶叫へと変わった。
歪んだ太陽のようなバックライトに浮かぶベンジーのシルエット。彼が口を開き、独白のような歌声がスピーカーから流れ出ると、寒気が走った。
微かにウエットなベース音は、大地を伝わってくる。クリアで正確ゆえに深みを感じさせるドラム。ストレートに琴線を震わせるストリングシンセ。そして、時に破壊するように、時に愛撫するように奏でられる、思考を飛ばすようなギター。アヴァンギャルドな浅井健一の声がそこに加わると、それぞれが別の場所から奏でられた音だと言う事が信じられなくなる。言葉を解さない、音だけが作り上げる、異常なまでの説得力。
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reported by SHUUMA NOGUCHI and photo by Q-TA
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mag files :
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photo report : (03/11/10 @ Kawasaki Club Citta) : photo by maikokko
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