YO LA TENGO @ Shinsaibashi Quattro (2nd Dec '03)
音そのものが持つ実に生々しい触感 - part1 -
とにかくこんなにも熱気ムンムンの心斎橋クラブクアトロは久し振りだ。観客も実に本物の音楽好き的香りをプンプンさせていい感じだ!しかも始まる前にドリンク交換のための長蛇の列、しかし回転がとにかく早い。それもそのはず、ほとんどの人がビールである。そりゃそうだ!YO LA TENGOのライブ、酒が合うに決まっている!なんて言っている内にオイオイすっげ〜超満員じゃん!トイレに行くにも「スイマセン!」なんて言いながら人をかき分け行かなきゃいけないよ...
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そんな時、ステージに人の気配。観客の目が一斉に前方に向く。そこには、ありゃ?っと思わせるくらい地味な風貌のメンバーが登場。IRAは、まずはギターをかき鳴らし、GEORGIAの最初の定位置は、キーボード。先に断っておくが、このバンド、担当楽器といえば...いろいろやっちゃうので曖昧なくらいが良いのである。そして眼鏡の大男ベースマン、JAMES。醸し出す音の世界は、なんともいえない残響感が心地良くて...同時に感じる浮遊感...乗っけからいきなりの夢気分...「これだけ集まるのも無理無いわ...」なんて思いながら、ビールを一杯!ほろっとしながら耳を通りハートに伝わるこの感じ、アルコールと音楽が実に絶妙に絡みあい、いや〜いい気分だ。このまま流れ行く時を楽しもう... |
何て思っている矢先である。隣のカップルの男が突然語りだした!「結成は84年でさ〜!IRAとGEORGIAは夫婦なの...今はGEORGIAはキーボードやけど、この後は、ドラムに移動するよ...ほらした...ね!今やっている曲はね...次の曲への導入やねん!このパターンはYO LA TENGOのパターンやね...」おい!お前何ものや?!的解説が、私の耳元で永遠に続く...その男、歓声をあげた...「この曲ここでくるかよ〜イエ〜イ!これめっちゃ好きやねん!聴いててみ...」って知るか〜っ!期待に胸膨らませて行った大作映画をず〜っとストーリーを少しの時間差で早めに語り続けられるような何とも言えない釈然としない感じ...その場から移動しようとしても、あまりに満員で動けない。結局、彼の煩わしい自慢話を片耳で触れながらライブを最後まで堪能することとなる...

report by kami and photo by ikean |

しかしYO LA TENGOである。この空気感。とにかくいい肌触り...the velvet undergroundのフォロワーであるという確信犯的曲等が見え隠れし、私のようなファンは唸ってしまう。いくらLOU REEDが来日ライブをやって、アルバム『TRANSFORMER』の中の曲をやって歓声をあげている私でも、それはLOU REEDであってthe velvet undergroundでは無い訳で、そういう意味では、映画『I Shot Andy Warhol』でthe velvet underground役をやったYO LA TENGOを観れたことは、今体験する上では不可能な、あの頃のあの雰囲気...想像の回路をフルに使い涙ものの時間が流れているのである。
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mag files :
photo report : (03/12/04 @ Shibuya Club Quattro) : photo by keco
photo report : (03/12/03 @ Shibuya Club Quattro) : photo by ryota
音そのものが持つ実に生々しい触感 : (03/12/02 @ Shinsaibashi Quattro) : review by kami, photo by ikesan
photo report : (03/12/02 @ Shinsaibashi Quattro) : photo by ikesan
Never Sounds The Same : (03/12/01 @ Nagoya Club Quattro) : review by tikigirl, photo by ikesan
楽しかったよ、生ヨラテン! : (00/10/24 @ Shinsaibashi Quattro) : review by ikuyo
圧巻!9年ぶりの来日公演... : (98/3/17 @ Shibuya Club Quattro) : review... no credit
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