buttonECHO AND THE BUNNYMEN
@ 恵比寿ガーデンホール (10th Nov '03)

暗がりに漂う25年来のダンディズム - part2 -


ECHO and THE BUNNY MEN
"Rescue"、"Silver"、"Crocodiles"... 25周年記念ツアーならではのベスト盤のようなセットリストに、思わず口ずさまずにはいられない。観客は皆、静かに揺れながら瞑想する。エコバニのこの曲を聞いていた頃の自分、その頃好きだったあのバンド... 気が付くと、彼らの演奏を聞きながら自分のミュージックライフを振り返っていた。25年すべてに関わってきたわけではないけれど(おそらく場内の誰もがそうだろう)、長く聞いてきた音楽には、そんな付き合い方もある。
ECHO and THE BUNNY MEN  それにしても、今回はステージが暗かった。レーザーやスモークはおろか、バックドロップもないうえに、ライティングもひたすら地味。「サイケデリックはどこ行ったのー?」といった感じである。イアンの表情が読み取れないのは、サングラスのせいだけではなかったはずだ。この点だけがちょっと物足りなかった。しかし、そんな暗がりの中でベースを引いているのは元CASTのピーター・ウィルキンソンだったりするのだから、あなどれない。気づいた人、いますか?
 やがてライブは"Killing Moon"でピークを迎える。長年活動しているバンドには必ずアンセムがある。エコバニの場合、それは"Killng Moon"と言えるだろう(少なくとも私にとってはそうだ)。アンセムを持つことは、バンドにとって幸福であると同時に不幸でもある。アンセム誕生後は、それを越えることが難しく、ライブでは常にその曲が一番盛り上がってしまうから。"Killng Moon"のイントロが流れた時、熱狂と共に一抹の緊張感が走ったと思う私は、穿ち過ぎだろうか?

 長生きと孤独は背中合わせだ。長寿世界一の人が、親だけでなく友人や子供、さらには孫まで見送る羽目になる可能性があるように、バンドを長く続けていれば、一緒にデビューした仲間や自分をリスペクトする後輩バンドを見送ることもあるだろう。その痛みは、好きなバンドの解散を受け入れなければならない音楽ファンの痛みと同じ、喪失感・孤独感ではないだろうか?「キリング・ムーンがもうすぐ上ってくる」。ヒリヒリとした痛みを歌い上げるイアン・マッカロクは、ダンディズムの裏側で何を思うのか?
ECHO and THE BUNNY MEN
 25年という歳月の中で、エコー&ザ・バニーメンは一度解散し、その間にメンバー の1人を事故で亡くしている。紆余曲折を経てそこから復活したエコバニだからこそ、ファンは彼らを信じて集まってきている。「私たちの前から消えないよね?」「大丈夫だよね?」。この日の"Killing Moon"は、そんな問いに答えるかのように、痛みの中にもどこかやさしさを感じさせるパフォーマンスだった。エコバニに対して一方的に救いを求めていた私の思い過ごしかもしれないけど。

part3


report by satori and photo by izumikuma

The official site of

ECHO & THE BUNNYMEN

http://www.bunnymen.com/

The Latest Album;

『Live In Liverpool』(US import & 国内盤)

彼らの名作がボーナス・トラック付き、リマスターで再発されています。ただし、各国盤によって微妙に収録曲に違いがあります。気をつけてください。

『CROCODILES』(UK import, US import, US import with bonus trax, & 国内盤)
『HEAVEN UP HERE』(UK import, US import with bonus trax, US import & 国内盤)
『PORCUPINE』(UK import,US import, & 国内盤)
『OCEAN RAIN』(UK import, US import & 国内盤)
『ECHO & THE BUNNYMEN』(UK import, US import, & 国内盤)

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