Metallica @ 代々木第一体育館 (6th Nov '03)
分厚い刃物で押しつぶされた夜 - part2 -
舞台は風格を漂わせてやっぱり大掛かりだった。まずはステージ後方にぎっしり並べられたアンプの総数が圧巻。もはや物体でなく「壁」と化してますよ(ほとんどダミーなんだろうけど)。マイク・スタンドはステージの端から端まで何本も立てられており、ジェームズは右から左にやたらと動き回っては適当なスタンドを使って歌う。そういえばシールド・コードを律儀に使っている弦楽器はひとつもない。全員がワイヤレスを使い、縦横無尽にフロントの三人が立ち位置を変えていく。
メタリカの音楽は、重くて巨大で分厚い、たとえば斧や鉈といった類の刃物みたいだ。しかもそれを怪力に任せてぶんぶん振り回している印象がある。切れ味めちゃくちゃ鋭いくせに、それ以上に自重がありすぎて「斬る」というより「押しつぶす」という感じがいつも先行している。馬鹿テク高速リフがザクザク繰り返されるたびに、下からズシズシ突き上げられるようなマゾヒスティックな快感を同時に得られるのはこの特有の「重さ」の反動のせいだ。スピードとソリッドさ加減だけで勝負した軽い音ではこうはいかない(個人的にはそういう音楽も好きではあるけれども)。
|
|
中盤から後半にかけて、今度は新旧織り交ぜたずいぶんバランスのいい選曲。噂の"ST.ANGER"の次にファーストから曲を引っ張って来たり。しかし全編を通して何というかすごい圧力だ。最大の要因は絶え間なく鳴っているツーバスだが、たぶん人間ができる範囲で最速の16ビート・ピッキングを刻み続けるギターも観客を休ませてくれない。最近ブルーズや黒人音楽のベースなど、できるだけ音を抜く「引き算の美学」に惹かれて勉強しているのだが、これは全く正反対の位置に存在する音楽だ。音数を詰め込め込めるだけ詰め込んで、それでどこまで成立するか果敢に挑戦している。足し算とスピードの暴力。すごい。音楽の可能性はどこにでも転がっている。 |
|
|
アンコールは観客が床をドンドン踏み鳴らす独特の呼び戻し方で、これも初見の自分にはびっくり。そして"FUEL""ONE"など個人的に聴きたいと思っていた曲を全部やってくれた。なんだか信じられないくらいサービス精神に溢れた感じだった。もっと不親切な印象のあるバンドだったのに。「楽器をやっている人にはわかる」レベルのミスというか気になる部分はいくつかあったけど、基本的に新旧どっちのファンが観ても楽しめるステージングだったんじゃないかなあ、と思う。
しかしねえ、これがまだ日本ツアー初日、東京の一発目なわけですよ。明日以降どうなるのか? ツアーが進むにつれてさらに温まってきちゃったりするのか? ……なんだか恐ろしい。大御所、そして本物の持つ貫禄に押しつぶされた一夜でした。
report by joe and photo by ryota
|
mag files : Metallica
photo report : (11/6 @ Yoyogi Daiichi Taiikukan) : photo by ryota
分厚い刃物で押しつぶされた夜 : (11/6 @ Yoyogi Daiichi Taiikukan) : review by joe, photo by ryota
体を動かせ、拳を突き出せ、大きく叫べ! : (11/6 @ Yoyogi Daiichi Taiikukan) : review by ali, photo by ryota
photo report : (11/7 @ Yoyogi Daiichi Taiikukan) : photo by keco
老いは恥ずべきことじゃない : (11/7 @ Yoyogi Daiichi Taiikukan) : report by nob, photo by keco
ここは戦場じゃない : (11/9 @ Sapporo Makomanai Ice Arena) : report by ysmz, photo by q_ta
photo report : (11/11 @ Saitama Super Arena) : photo by saya38
メタリカのファンは世界一だ : (11/11 @ Saitama Super Arena) : review by toddy, photo by saya38
photo report : (11/14 @ Nagoya Rainbow Hall) : photo by saya38
illustration report : (11/14 @ Nagoya Rainbow Hall) : illustrated by chika
|
|
|