| この会場ではミュージシャンの楽屋が、客席後方の階段を上ったところにある。そんな場所にあるのだから、ミュージシャンがステージに上がるときは、客席を横切らないといけない。スタッフが道を作り、黒いシャツとパンツで身を包み、手にはギターを携えてWilko Johnsonが7時半くらいにステージに上った。ステージと客席の間には簡単な柵があるものの、仰々しくはない。ステージもあまり高くない。憧れのミュージシャンがすぐそこにいる。 HELLOと一言、ギターの第一声がライブハウスにこだまする。その瞬間、今日のライブは素晴らしいものになるだろうと直感で感じた。今までに数え切れないくらいらライブに足を運んだが、この日のように感じたことは、数回しかない。こんな風に思わないからといって、そのライブが良くなかったというわけでなく、うまくは言えないが、ライブで演奏される音楽の波長と、僕の波長が合致した時に、こう感じる。 |
![]() この日のバンドはギター、ベース、ドラムの3ピースであった。音楽や映画、絵画がどんどん複雑になってしまって、そのうち、大多数であるはずの一般人を置き去りにしてしまうのでないかと思う時がある。一般人には分かりづらいから、素晴らしいと思われる風潮もないとはいえない。そんな中3ピースというシンプルで、なおかつ素晴らしいバンドに出会うと、嬉しくなる。 |
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| 話をWilko Johnsonのライブに戻して、演奏した曲はブルースあり、R&B色が少し混じった曲あり、ロックあり、BOOGIE WOOGIEありと、バラエティーに富んでいた。ネジが壊れたブリキのおもちゃのように、ギターを弾くWilko Johnsonの横で、すごい 顔をしてベースを弾いている男がいた。表情だけでなく、動きまでも個性的で、ちょっと目がそっちにいってしまうと、気になってしょうがない。今回のライブ中にどれほどの人が、ベースに夢中になっていたか、ちょっと知りたい。 |
![]() ライブが終わり、メンバーが楽屋に引き上げてすぐ、アンコールを求める拍手が始まった。それに応じてメンバーはすぐに出てきた。再びステージに上がり、初めてのMC。(この日、メンバー紹介以外は一切喋らなかった。)「今日は素晴らしかった。またここに戻ってくるよ。そんな時間がかからないことを、僕も願うよ。」僕もそうなってほしい。この日のライブの素晴らしさは、アンコールが終わって、「もう終了です」というアナウンスがあっても、誰一人として帰ろうとせず、拍手が鳴り響いていたことが、物語っている。 |
ライブ最中、しきりに指の背を気にするWilko Johnsonがいた。気になって、よく見てみると、少し切れていた。幸いにもライブには何の支障もなかったのだが、その時あることに気づいて、びっくりした。なんとWilko Johnsonはピックを一切使わずギターを弾いている。ギターを胸の高さまで持ち上げて、ヘッドを客席に向けて、まるでマシンガンを打っているかのようなカッティングも、指弾きでしていた。マシンガンにもなるギターは、Wilko Johnsonの彼女にもなる。女の人を抱くように、ギターを抱きかかえたWilko Johnsonは小声で、ギターに向かって愛をささやく。好きな人の体には、ピックではなく自分の指で触れていたいのかもしれない。![]() |
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Wilko Johnson is; - http://www.wilkojohnson.com/ |
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