buttonElvis Costello and Steve Nieve
@ Osaka Sankei Hall (4th Oct '03)

なにも知らなかった

Elvis Costello

「NORTH」の文字が頭に在ったので、てっきりここからのものを散りばめて、間にそのムードに合わせた曲を入れてくるのだろうと考えていた。

 見事に外れ。前の方に最新作を主に並べ、中盤はヴァラエティーに富んだ内容、そしてアンコールも終わりに差し掛かって再び『NORTH』より、とかなリ大胆なつくり。今回はやってくれないだろうと予想してたナンバーも次々と現れる。彼の「favourites」の重要な箇所に個人的に好きな"Shipbuilding"が今も存在するようで嬉しかった。

 途中COSTELLO本人も言っていたが、この日の声のコンディションは冒頭から悪く、 早く打ち切られはしまいかとヒヤヒヤした。しかしSTEVE NIEVEの絶妙なサポート("Peace,Love&Understanding"のピアノは最高にロックだった!)、そして不調を押しての気迫がステージに凄みを与えていく。不思議な事に半ばからの方が喉は安定して、ラスト、マイク無しのヴォ−カルを披露してくれた。
 98年、豊洲で目にした彼は「角の取れた、音楽を愛す小粋な中年」といった印象で、周りの若い子達に「誰あのオッサン」と言われつつニコニコと演奏していた。人のまばらな中、寄り添って寝そべる男女も見受けられ、これもピースフルで好いかも、なんて脱力しながら観た憶えがある。

 『WHEN I WAS CRUEL』発表時「コステロが帰ってきた!」という文字が余りにあちこちで書かれていたため「しばらく前にも同じ事言われてなかったっけ」と少し可笑しくなった。しかしロッカーとしてダイナミックにアクトする彼の姿に、その台詞が割れそうな程頭に叩き付けられてきた。

 わたしは「誰よ」と口にしていた人々よりもCOSTELLOについて何も知らなかった。
Elvis Costello
Elvis Costello

report by chihiro
photo by ikesan
 長年のファン同様最新作の落ち着き振りに肩透かしを食らった気分だったけれど、特にアンコールでのそれらは素晴らしかった。ヴォ−カル、ギター、ピアノ+ピアニカ。どうしてこれだけでドラマティックでスリリングな世界を築けるのか。

 観た場所、わたしの意識、98年と違っていたのはそれだけではないだろう。わたしは最近まで知らなかったし今も理解出来てはいない。だからこそ思う。自分の事を青いと思えるうちに、ロック魂を抱えながら一流のミュージシャンとしてパフォーマ−として、そして等身大の男性として成熟していくCOSTELLOに触れられるのは凄くラッキーな事だと。

The official site of

Elvis Costello

is :

http://www.elviscostello.com/

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