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正直ジャズのことはよく分かりません。CD一枚も持ってません。だから一度も食指が動いたことのないこのジャズというジャンルのライブに友達から誘われたときはそんなに期待してはいなかったのだが、まさかクラブに行ったときみたいに踊れて、更にマグで書きたいと思うほど感動してしまうとは! とは言っても、この日のライブが私の記念すべきジャズ開眼日かと言うと、それは違う。確かにこの日一緒に行った友達は、ジャスジャズとJTQの音楽のことを呼んでいたが、私から見るに非常にポジティブな意味でこれはジャズではない。もう本当にジャズのことは何にも知らないので、「これはジャズではない」なんて偉そうに断言してしまってよいのか分からないが、少なくともこれは伝統的な枠組みとしての"ジャズ"ではないはずだ。
途中休憩はなかったものの、タイムテーブルを見るとパート1、2に分けられていたこの日のライブは、パート1=インスト、パート2=黒人女性のボーカル入り、といった構成。特にパート1のように、ジャズでしかもインストとなると素人にはなかなかとっつき難そうな印象を与えるかもしれないが、違う違う。もう一曲目からロック好きにも乗りやすい性急なビートの連発で、無条件に体を動かしたくなってしまう。え〜と、ジャズってどう聴けばいいのかなあ、と慣れないジャンルの音楽に戸惑って棒立ち、という心配もなしの単純明快なスウィング・ミュージック。特にジェイムス・テイラーのキーボードプレイが目を引く。まるでDJがスクラッチしてるかのような体勢で鍵盤をギュルンギュルン言わせ、おまけに興奮すると思わず自分が座っていた椅子を高々と持ち上げてオーディエンスの歓声に応えてしまうパンク・キッズのような熱さ、たまりません。個々のプレイヤーの力量も高く、特にギタリストのプレイは素晴らしかった。音の粒が立ってると言うのか、一音一音の正確で澄んだ音色が美しい。60年代のロックミュージシャンのような高めのギターの持ち位置もかっこよく、言うことなしだ。
パート2でボーカルが入ってからはソウル、ディスコと、更にジャンルの振れ幅が大きくなりポップス色が強くなってきたと思っていたら、なんとソウル風にアレンジされたキャロル・キングのカバー(曲名が思い出せないのだが、『つづれ織り』の一曲目のやつです)まで飛び出してきた。ジャズという枠組みを完全に取っ払い、ファンキーというキーワードに照らし合わせてのジャンル横断的な選曲が潔くて、最高にかっこよかった。
未知の音楽との出会いは素晴らしい。自分の中に新しい音楽の快感原則が生まれ、更に幅広いジャンルの音楽を愛することができるようになるからだ。でも、この日は少し違った。確かにJTQのライブは未知の音楽との出会いではあったが、自分の価値観再構成、といったことを強いられたわけではない。彼らの音楽は自分の中に新しい音楽の快感原則をつくらなくても、自然にその音楽の魅力に入り込んで、素直に楽しんでいられるようなタイプの音楽だ。熱いオヤジたちの肩肘張らない音楽、といったところか。とてもかっこよかった。
report by yoshi_k
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