でかいフェスやレイヴばかりじゃない野外で聴く音はたくさんある
- part1 -
Live@サンカクヤマ MUSEUM
@メタルアート ミュージアム 光の谷 (15th Junde '03)
友人で谷口和正という人がいる。彼は鉄を溶接していろんな単語を作って、それを
何個も溶接したアートを作る活動をしている。人の背よりも大きい作品から、手のひ
らに収まるくらいの小物まで、いろいろあるのでお店の看板や個人の表札なんかも依
頼されて作っている。多くの人が目にするところではブラッド・サースティー・ブッ
チャーズの最新アルバムのロゴに彼の作品が使われている、と書けば思い当たる人が
いるかも知れない。その彼の個展が印旛沼近くのメタルアートミュージアム光の谷と
いう小さい個人美術館で行なわれたので、6月15日に行ってきた。東京から車で約2時
間、東関東自動車道の佐倉インターチェンジを経由して、周りが田んぼばかりの美術
館に着いたのは昼だった。
この日は、サンカクヤマという谷口さんも関わっているイベントの番外編のような
イベントをこの美術館の庭でおこなわれた。普段のサンカクヤマは下北沢などのライ
ヴハウスで、ブラッド・サースティー・ブッチャーズやナンバーガールや怒髪天な
ど、毎回何組かのゲストを迎えておこなわれている。この日は、ブラッド・サース
ティー・ブッチャーズの吉村秀樹、cobalt、Jamaican Cheek、都市レコードが出演し
て美術館の庭でアコースティックライヴという企画だったのだけど、吉村氏が怪我を
したため、急遽、モールスの酒井が出演した。
美術館の芝生の庭にお客さん30人くらい座ったり、寝っ転がったりしているところ
に、谷口さんの作品が置かれている。出演者は、アコースティックギターか乾電池の
アンプのギターを使って、ゆったりと、まったりと楽しめる音を出している。遠くに
耕運機の音、成田空港を離発着する飛行機、そして風の音に混ざりながら聴く音楽も
なかなかいいものだ。土手に登ると印旛沼が遠くに見えるし、その空気が良い。ある
雑誌に「日本のペイヴメント」と評されたモールスの酒井が歌うナンセンスかつ、殺
伐とした歌詞を持つ曲がアコースティックによる演奏でユーモアが増してきたり、
cobaltのギターとチェロの組み合わせで歌われたフィッシュマンズのカヴァーが絶品
だった。プライベートなパーティーという感じがするイベントだったけど、とてもよ
い空間と時間の中に音楽があるという体験は何物にも代え難いものであるのだ。
|
- part2 -
ニコタマツリ @ 多摩川河川敷 (10th Aug '03)
二子玉川駅の近くの多摩川の河原はいろんなジャンルの野外レイヴがおこなわれて
いる。この日、クラブ・スヌーザーの弟分的なWilly、フジロックのドラゴンドラの
終点でもやっていたバレアリックサンライズがDJブースを構えていた他、キーボード
でJポップ風の弾き語りをしている人もいたりして賑わっている。そんな中、友人が
ニコタマツリというのを企画していた。まずは、A sharp and A flatというアコース
ティック・デュオの弾き語りライヴである。彼らはフォーク、ブルースで憂歌団を思
い出させる面もあったり、最後はエレクトロニカな味付けがあったり面白かった。次
に出てきたMIAMI 303はエレクトロニカのユニットでアフロのヅラとか、ビキニの姉
ちゃんとかコスプレで笑わせ、B'zの"BAD COMMUNICATION"の4つ打ちのカヴァーが爆
笑だった。基本は4つ打ち〜ブレイクビーツなどの打ち込みで、踊らせる。
おれの友人がDJをしてつないで、夜もふけ、Video Art Showが始まる。高速道路の
橋脚をスクリーンにしてプロジェクターで映し出す。いろんな映像作家の短編を次々
と見せていくのだけど、アニメあり(クレイアニメとかもあり)、実写あり、CGあり
とバラエティ豊か。中にはアヴァンギャルドすぎて意味が分からないのもあったけ
ど、音と映像が連動して生み出たユーモアが感じられるものが多かった。
二子多摩川は天気も良く、この日は遠くに富士山が見えて最高の夕焼けだった。
Willyにはお客さんもいっぱい集まっていて、テントまで建てる人もいたので、フジ
ロックにも来ている人はいるんだろうなと思う。選曲はロックからテクノまでという
感じで、おれが行ってみたときにはストロークスがかかっていた。
そんなハッピーな空間なのであるけれども、二子玉川は、警察や公園を管理する人
たちとの戦いの場でもある。音は一時と比べ小さめで、ちょっと離れると音が聴こえ
なくなるので、実際近くの住民の人たちへの迷惑というのはほとんどないはずなんだ
けど、どうも、こういうパーティーを好ましいと思わない人たちが通報すると、すぐ
警察がやってきて中止させようとする。この日は強制的に終了させるようなことはな
かったけど、公園の警備の人の巡回がひんぱんにおこなわれている。もっと自由に楽
しみたいものだ。
|
- part3 -
高円寺阿波踊り @ 高円寺商店街 (27th Aug '03)
もはや、自分の中ではフジロック並みの年中行事で、今年も当然のように行くこと
になった。高円寺阿波踊りとはつまり、都市型野外フリーレイヴなわけで、サウンド
システムが商店街を練り歩くのはまるで、ノッティングヒル・カーニヴァルのよう
だ。阿波踊りの場合は、そのサウンドシステムが人力なのである。で、行った人は分
かると思うけど、連(踊りと楽器のチーム)にもいろんな個性があって横ノリでファ
ンキーな連、ビッグビーツな連、ミニマルテクノな連、ドラムンベースな連など、バ
ラエティ豊かでたまらない。お客さんも絶対レイヴ好きでしょという人はいっぱいい
るし、今年はジョイ・デヴィジョンのTシャツを着たやつを見かけた。普通のおじい
さん、おばあさん、会社帰りのサラリーマンから子供までいるのは言うまでもない。
21時にパレードは終わるけど、路地に入ってもうひと盛り上がり見せる連もあるし、
その後に飲み屋に訪問していって盛り上げる流しのような連もいる。それにしてもあ
のビートの魔力はすごい。街に人を溢れさせ、踊らせるのはまさに都市型レイヴの原
型で、年々盛り上がっているように見えるし、本場の徳島が何百年も続いているよう
に、高円寺もまたずっと続いていくのだろう。
report by nob
|
|
|