Theatre Brook @ Shinjyuku Liquid (22th June '03)
アがりつづける男
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白いジャケットを着て、レスポールギターを持って歌う佐藤タイジを見ると、マーク・ボランがダブってきた。サンタナの"哀愁のヨーロッパ"をカヴァーしたり、ジミ・ヘンドリックスばりにギュワ〜〜〜ンとギターを弾きまくっている姿にはロックンロールの伝説が背中にあるような気がする。別に古くロックをやっているわけでなくて、演奏中にアがってきて、ロックンロールの伝説たちが取り憑いてきたかのようだった。 |
歌とギターが同じように歌っている。それがフロアにいる人たちに届きまくり、ラスト近くではお客さんの腕が挙がりまくっていた。そのうえ「みんなきっとわかってるシアターブルックがフジロック・フェスティバルに出ることを」(札幌では「ライジングサン」って歌っていたようで、タイジのお祭り体質が伺えますね)とアドリブで歌うと盛り上がりは最高潮。このバンドのお客さんたちは、フジロックとか、レイヴパーティーとかが好きなんだろう。フロアの反応がすごく良かった。 |
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この日は、まずタイジが登場してアコースティックギター1本で"何もないこの場所から"から始まる。サビの「ボクたちはもう子供のふりは2度とできないだろう/そして大人のふりは2度とできないだろう」と歌うのは、今を嘆き悲しむのでもないし、昔が良かったと後ろを見ているわけでもない。子供のふりはできないということを引き受けていく力強い歌だと思う。
それからエレキギターに持ち替えて、バンドも登場。"TEPID RAIN"からタイジのギターが炸裂していく。ステージの脇でなく、タイジのすぐ横にローディーが控えていて、F1のタイヤ交換並みの速さでどんどんギターをチェンジしていく。PHISHのような演奏でどんどんアゲていく曲やビッグビートみたいなビートにギターが乗る"ギャラクシーゴー"などバラエティが豊かだ。途中20分くらいの休憩をはさんで"朝を迎えて"でアコースティックな曲で再開する。それからラストまで駆け上がっていくような感じだ。アンコールの"純粋無垢"で、パーティーの終わりにふさわしい、心に染み入るようなバラードで3時間を越える長いライヴが幕を閉じた。

report by nob and photo by hanasan |

-- setlist --
1部
1.何もないこの場所から
2.TEPID RAIN
3.オレタチフーチャー
4.蜃気楼
5.哀愁のヨーロッパ
6.カウント9
7.捨てちまえ
8.ギャラクシーゴー
9.悲しみは河の中に
10.ノックしつづける男
11.ONE FINE MORNING
2部
12.朝を迎えて
13.まぶたの裏に
14.ドレッドライダー
15.ありったけの愛
16.まばたき
-- encore --
純粋無垢
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