| 「勝手にしやがれ」が面白いのはまずその布陣だ。 前一列にトランペット、トロンボーンにテノール/バリトンサックス、一歩下がって舞台そで側左右にウッドベースとキーボードが腰をすえ、中央奥にどっしりとドラムが構える五角形型。ドラムは、もう随分と長く着ているような、もしかしたらあらゆる意味で一張羅な、つまりイメージとしてはゴダールの勝手にしやがれに出てくる「ミッシェ〜ル!(シェにアクセント)」な茶のスーツを着崩し、少ししゃがれた声で吐き捨てるように、突き放すように歌う。他の6人はかっちりと、さらりと、ゆるりと真っ黒のスーツを着こなし、それぞれに熱い演奏をくり広げる。見慣れた3、4人編成ではないのにタイトにしまって見えた。 ![]() |
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男の遊び心が音にも出ているのがまた面白い。レヴューのような陽気さもあり、「とにかく踊れや」というような江戸っ子気質もあり、そんな中にふとにじみ出る陰をひいた感じもありで、失礼を承知で言ってしまうと、「小粋な奴ら」なのだ。粋というには、一本気な感じよりも物事を斜めに構えたところが見られるし、男たちというには、飄飄としていてするりとかわす身軽さがある。こういう少し危険な男にどうしようもなく惹かれてしまう女(ヒト)っているよなぁ、と思ってみたりする。 個人的にはクラシックなJAZZや映画(音楽)の影響をところどころに感じながらも、そこにくくれるかといったらまた違うのが面白い。浮かんでくる感覚を拾いながら聞いていると、昔旅したパリの夕暮れのごつごつとした石畳を思い出した。 |
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一人バックパックを背負ってパリに入り、残りの日程とフランの残高を気にしながら、町のクレープで夕飯を済ませたような旅である。この旅ではヘッドフォンから音楽を流すというようなことはしなかったから、思い出と結びついての想起とは違うはずだけれど、もうとっくに忘れていたはずのリュクサンブール公園の奥にある安宿ユースからシャンゼリゼの端、凱旋門への道のりが突然断片的に、はっきりとした画として表れた。言葉も通じない、案内人もいない見ず知らずの土地で一人歩くには五感は必然鋭くなる。私はパリをどうやら“聴いて”いたようだ。「勝手にしやがれ」にあるパリの空気が私に入ってきたのかもしれない。洗練された高級感とは無縁の旅で耳から聴いたパリが目に映る、新宿歌舞伎町の夜である。 |
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勝手にしやがれ --http://www.katteni-shiyagare.com/
2nd album |
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