Thee Michell Gun Elephant @ ZEPP TOKYO (14th June '03)
Everything's gonna be alright
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アンコールでチバが「Everything's gonna be alright」とボブ・マーリーの"No Woman,No Cry"の一節を歌ってから、"リボルバー・ジャンキー"のレゲエ・ヴァージョンへ。チバがサビでフロアにマイクを向けると1階を埋め尽くしたお客さんたちが「お〜お〜リボルバジャンキー!」と応える。その光景を見ていて泣きそうになった。ミッシェルガン・エレファントのライヴを何回も観ていて、そのたびにスゲエと思ったり、がっかりしたり、いろいろ感じるのだけど、目頭が熱くなったのは初めてだ。「愛という憎悪」とか「お前の頭をかち割るだろう」など殺伐とした言葉を撒き散らした今までのミッシェルに「Everything's gonna be alright」という言葉はなかったと思う。だけど、不意に出て来た「Everything's gonna be alright」という言葉に心を掴まれたのである。
この日はプレスリーの"ラブ・ミー・テンダー"でメンバーが登場して、"ブラック・ラブ・ホール"で始まった。曲は新しいアルバムや今度出るミニアルバムが中心で、新しい曲もよく浸透しているんだなぁと思ってたところへ"ゲット・アップ・ルーシー"で大盛り上がり。ただ一時期のような殺気立った性急な"ゲットアップルーシー"ではなくて、少しだけルーズに、少しだけ倦怠感を引きずったような、昔のゲットアップルーシーに近かった。 |
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"マリアと犬の夜"のイントロではクハラがトランペットを吹いてからスティックに持ち替える。チバはピアノを、アベは間を生かした感じのギターを、ウエノはゴリゴリとした独特な音色のベースを弾いて、ミッシェルガン風のジャズを作り出していく。この曲や"ジプシー・サンデー"のようにレゲエなどいろんなタイプの曲が増えてきた。ハードに攻めまくる、かつての4人からもっと起伏のある感じになっている。 |
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重く引きずったような"太陽をつかんでしまった"の後に"赤毛のケリー"でスイッチが入ったようにフロアが暴れ出したのが面白かった。フロアの前の方は暴れたくて仕方ないんだろうな。"サンダーバードヒルズ"は、ほとんどカオスといっていい演奏の合間に「ハロー・ベイビー、お前の未来を愛してる」という言葉が入り込んでくる。この文字にするとちょっと気恥ずかしい言葉も、チバの声を通して聞くと、こちらまでちゃんと届いてくるのだ。チバのしゃがれた声は何かマジックを持っているようだ。
二度目のアンコールは"リリィ"フロアはモッシュとダイヴの嵐で凄まじい状態になっていた。フロアの熱気でまるでサウナのようで、この熱気が全てを物語っていたのだ。
report by nob and photo by ryota |
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