Johnny Marr & The Healers @ Shinjuku Liquid Room(1st March '03)
ジョニーは何故、スミスから逃れられないか
| この日は雨が降っていた。気温が低くて寒い、だけど雪にはならない微妙な寒さだった。リキッドルームの入口に着くと、エレベーター待ちの行列がある。寒い雨の中、待っていても仕方ないので、階段を登ることにする。壁いっぱいに書かれている落書きを眺めながらテンポよく上がって行くけど、5階くらいでしんどくなる。それでも上がって行き、階段を踏む足が叩く音が軽くなったらもうすぐゴールだ。
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息を整えてフロアに入っていくと、ロキシー・ミュージックの"ザ・スリル・オブ・イット・オール"がかかっている。ジョニー・マーはこのバンドのヴォーカルであるブライアン・フェリーと曲を作っているもんなあ、なんかつながりを感じさせる。次にピンク・フロイドの"ルシファー・サム"。うぉぉお、久々に聴いたけどサイケでかつ、ロックンロールで格好いいぞ。
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周りを見回すと、この前のジョン・スクワイアよりはお客さんの年齢がやや高い。なんていってスミスだもんな。今だに日本で実物を見れなかったというトラウマを持つ元少年少女たちが多いだろう。かくいう自分も、ジョニー・マー見たさにザ・ザに行ったし、当然のようにモリッシーの武道館に行ったわけだ。
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だから、2000年のフジロックにジョニーが出たときは、少し残念だった。何でジョニー・マーがシャーラタンズのマネをしなくちゃいけないのか。あなたは偉大なスミスのギタリストで言ってみれば、80年代末から今日までのイギリスのギターバンドはみんなあなたの子供じゃないか。そしたら親の貫禄を見せようよ、と。
それから約2年、ようやく戻ってきた。ベースが元クーラ・シェーカーで、ドラムがリンゴ・スターの息子のザック・スターキーになり、リズム隊が大幅に変わって、車に例えるなら、サスペンションがカローラからセルシオになった感じ。これなら非常に乗り心地がいいだろう。あとはエンジンがどうかだ。で、アップテンポの曲は、相変わらずシャーラタンズ、クーラ、オアシスあたりに似ていて、もっともっと奮起してほしいところ。
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だけど、やっぱりゾクっと来たのはスローな曲で、ジョニー・マーの歌声がもろにスミス!というかモリッシーが憑依したかと思ったくらい瓜二つだった。スミスが解散して10年以上経つし、おそらく、ろくに会ってないと思うけど、もう決して離れられない何かの絆を感じさせる、とても強烈な瞬間だった。
ライヴというのは不意打ちの快感だと思う。不意に激しい曲をやる、不意にバラードをやる、不意にギターを壊し出す、不意にカヴァーをやる、不意に昔のヒット曲をやる、不意に新曲をやる・・・その度にガツンとやられたり、涙腺がゆるくなったりする。だから、この「不意にスミスそっくり」には、眠かった体がシャキーンとなった。普通はスローな曲で眠くなるもんだが、全く逆だった。 |
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最近、ある人が「ライヴってそのアーティストを好きだった時や季節を思い出すものでしょ」と言っていたけど、やっぱりジョニー・マーを好きだったときあのメロディが、あのギターが鳴っていたのだ。それを思い出させてくれただけで、十分である。まあ、欲を言えば、この前のジョン・スクワイアのように「俺の曲なんだから演奏して何故悪い!」って開き直って昔のバンドの曲をやってくれた方が好きだ。
ライヴ終わって外に出ると、相変わらずの雨で、なんだか"WILLIAM IT WAS REALLY NOTHING"の一節を思い出したりした。
--- set list --- (原文まま)
LONG GONE
CAUGHT UP
HERE IT COMES
DOWN ON THE CORNER
ALL OUT ATTACK
YOU ARE THE MAGIC
IN BETWEENS
DONT THINK TWICE
LAST RIDE
NEED IT
SOMETHING TO SHOUT
BANGIN ON
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report by nob and photos by hanasan
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