| マット・ジョンソンとのザ・ザ。ニュー・オーダーのバーナード・サムナーとのエレクトロニック。その他様々な彼の活動を耳にしつつも、スミス解散からどこか違和感を引きずり続けてはや16年。最近一番納得出来たのはヘイヴンのプロデュースぐらいだ。その彼がようやく自分の名を冠したバンドと共にやって来た。スミスが日本の土を踏む事なく終わり、ザ・ザ時代、ヒーラーズ初披露のフジとずっと機会を逃がしたままの私にとって、遂に今夜は本物のジョニー・マーとのご対面だ。有無を言わさず最前を陣取り待機する。客の入りは決して多くないが、80年代当時、あるいは後追いでスミスを聴いて来たであろう年齢層の高さは一目瞭然。
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定刻を10分ほど過ぎ、いよいよジョニー達が登場。カウベルのカウントに続いて、オープニング"LONG GONE"のどっしりとしたギターのリフがうねり出す。あの繊細に張りめぐらされていくスミス時代のギターとは対極をなす男っぽさだ。黒いジャケットとパンツ姿のジョニーは、思っていたよりずっと小柄なギター少年といった風貌。黙々と弾き、時々ギターのボディを立てて決めるポーズはちょっとジェフ・ベックにも通じるムードがある。 |
| そして最大の驚きは、やはり彼自身がヴォーカルを取っている事。モリッシーの横でギターをかき鳴らしていた頃には想像もつかなかったその歌声はジョン・スクワイアに続く衝撃だ。父リンゴ・スターより遥かに迫力ドカドカ・ドラムを叩き出すザック。元クーラ・シェイカーのベース、アロンザ。そしてもう一人のギター、ジェイムス。そんなメンバーと共に繰り出される音は、思わず膝を叩きたくなる痛快さで響いてくる。そうか、ジョニー、本当はこんな音が出したかったんだね! |
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そんな確信があっけなく崩れ、一気にスミス時代へと引き戻されてしまったのは "DOWN THE CORNER" 。繊細なギターをかき鳴らすイントロからサビのメロディまで、私達ファンが最も彼らしいと思っている急所のような1曲だからだ。ああ、ほら、そのいかにもなメロディがたまらないのよと思わずうっとり。夢見心地な皆の様子に、終わった後ジョニーも思わず声をかける。「ゲンキ?」 めいっぱい力の入ったヴォーカルの新曲"ALL OUT ATTACK"の後、暑くなったのかジャケットを脱ぐと、黒地に赤い花柄のシャツが現われ、歓声があがる。と、「じゃね、グンナイ!」と帰る真似をするジョニー。あわてて「ノー!」と叫ぶ客席に、「嘘だよ〜ん」とばかりにいたずらっぽく笑う。アハハ、やられた。実はお茶目な奴だったのね。 |
![]() まるでドアーズの"HELLO,I LOVE YOU" なリフに乗って歌われるラスト、"BANGIN' ON"まで1時間少々。かつてのカリスマ・ギタリストではなく、今あるがままの歌を聴かせてくれたジョニー・マーの姿は実に身軽ですがすがしいものだった。骨太なギター・ロック。そしてスミスな繊細音。これからも彼は時代の流行など関係なく、思うがままの音を響かせながら歩いていくのだ。その記念すべき第一歩に、まずは祝福の拍手を贈ろう! ![]() report by ikuyo and photo by hanasan |
スライド・ギターがカッコいい"IN BETWEENS"の後、アロンザがピアノに向かい、ステージはジョニーと二人だけに。ちょっとアコースティックなイントロに一瞬、スミス? と思ったら何とボブ・ディランの"DON'T THINK TWICE IT'S ALRIGHT"「くよくよするなよ」だ。ハープもしっかり吹いてくれる。ここまでのジョニーの紆余曲折を思うと、これは彼自身の心のテーマだったのかもしれない。スミスの流れはこんなフォーキー・サウンドにも連なるのだと再発見だ。本編ラストはアップテンポな"NEED IT"だが、これがシンプルな分、実にライヴ映えするナンバーで、次第に加速しながらどんどん熱くなる。ギターもハープもドラムもベースも、ええい、まとめて炸裂だあ!と言わんばかりの盛り上がりにこっちの身体もう揺れっぱなしで終了。
![]() -- setlist -- 1.LONG GONE / 2.CAUGHT UP / 3.HERE IT COMES / 4.DOWN THE CORNER / 5.ALL OUT ATTACK / 6.YOU ARE THE MAGIC / 7.IN BETWEENS / 8.DON'T THINK TWICE IT'S ALRIGHT / 9.THE LAST RIDE / 10.NEED IT / -- encore -- 11.SOMETHING TO SHOUT ABOUT / 12.BANGIN' ON |
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Johnny Mar & The Healers: |