| ダヴス=マンチェなビートに乗せて暗めな曲を歌う人たち、といった程度の浅すぎる認識しかなかった私にとってこの日の一曲目、"pounding"は本当に目から鱗だった。モータウン?と思わずのけぞってしまうようなビートでのっけから飛ばすこの曲で鱗は目からボロボロと落ちていった。スティービー・ワンダーの"up tight"なビートに、耳を疑いながらも反応せずにはいられない。特にハイハットなどを全然叩かずに両手でバシバシ叩くスネアは圧巻だ。
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| 陽性の空気を作り出すタイプでは決してないけれど、ダウナー一辺倒でもないんだなと感心していると、早くも次の曲で私の中でのこの日のクライマックスが訪れた。"there goes the fear"だ。最初に書いたダヴスの印象は音楽専門チャンネルで見たこの曲のビデオクリップから受けたものだったはずなのに、生で聴くとこれまた全然違う。確かに懐かしのマンチェビートを髣髴とさせる部分はあるが、じわじわと沸き起こる高揚感、そして一気にカタルシスへとなだれ込むサンバのリズムに、7分という長さも全然間延びした印象を受けない。この最後のサンバのカタルシスを十分に味わうためにはこの7分という長さは必要なものだ。 |
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正直、この日のライブはその後しばらく"there goes the fear"の余韻に浸っていてなんか気持ちよかった印象しか残っていない。ダヴスらしいダークな曲も綺麗なメロディーでよかったが、私の脳はもう一回前半の気持ちよさを味わいたいなあとしか考えてなかったような気がする。アンコールに入っても、ずっとそんなことばかり考えていた。そしたらそんな私の気持ちを知ってか知らずか(もちろん知らないでしょ)、突如アップビートのインスト・ダンスチューンが始まったのだ。まったく予想外の展開に最初は唖然としてしまったが、ケミカルにも通じるロック的なカタルシスを持つこのダンスチューンに体が反応しないわけがなく、正に狂喜乱舞、踊りまくった。 |
| 後で調べてみたらあの曲は前身バンドSUBSUBの"space days"という曲だったらしい。いや、よかった。でももっとよかったのは曲が終わってまだ恍惚とした状態のときにスクリーンに映し出された"all these worlds are yours"というメッセージだ。ダークな曲が得意なはずバンドがこんな楽観的なメッセージを発するのに私は感動せずにはいられなかった。まるで"there goes the fear"のカタルシスが一本のライブを通して再現されているようだった。もちろんあの最後のメッセージはサンバの部分だ。いい歳したオッサンたちのニクイ演出にやられちまいましたよ。 | ![]() report by dak photo by ikesan *なお、写真は大阪公演のものを使用しています。 |
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