buttonThe Music @ Kakasaka Blitz (10th Dec '02)

これぞまさにロックンロール!!


The Music
The Music
 今日目撃したThe Musicのライブはとんでもなく壮絶だった。まるで戦争映画でショッキングな殺し合いのシーンを見たときの衝撃。音楽バカな人生を送っていてもここまで壮絶なライブに遭遇できる機会ってそうそうないと思う。元々こんな事言ったらチケットを取れなかったたくさんのファンの人に失礼かもしれないけど、今日のThe Musicのライブに行こうと思ったきっかけは、どうしてここまでこのバンドの人気が盛り上がっているのか理解できなくて、それを自分の目で確かめてみたかった、という理由がかなり大きいと思う。

The MusicThe Music
The Music


 開演予定の7時を10分程過ぎて場内が暗転。ステージ後方に吊ってあった彼らのアルバムジャケットと同じ幕に照明が当たり、場内の興奮も沸点に達した。そのまま2、3分経ってからメンバーが登場したときの大歓声。あれは1500人だか2000人だかの赤坂ブリッツのキャパ一杯の人数で作れるような歓声じゃなかった。もしかしたらキャパの10倍くらいのお客さんがいるんじゃないかってくらいの歓声だった。そしてギターが聞こえ始めた瞬間、雪崩のようにステージの方に押し寄せていく人の数も半端じゃなかった。みんなが待ちに待ったThe Musicの日本ツアー東京公演の一曲目はアルバムの一曲目でもある'The Dance'!! 「これぞまさに音楽!」と言わんばかりのThe Musicという名前を持つロックバンドが、「これぞまさにダンスミュージック!」と言わんばかりの'The Dance'という名前の曲を演奏したらどうなるか。
The Music
 これこそまさに先に言った「壮絶」な光景だった。ステージから5mと離れていない場所にいてもステージに突き上げられた無数のこぶしと踊り狂ってジャンプしている無数の頭でメンバーなんて一切見えなくなってしまった。ここまでのグルーヴ感を生で表現されてしまうと、体を動かさないでじっとしてるなんて絶対に無理。これぞまさに音楽!!

 2曲目の'Jag Tune'と3曲目の'The Truth Is No Words'と続けてオープニングのハイパー・テンションが続き、頭3曲が終わった時点ですでに肩で息をしている子達が周りにたくさんいた。4曲目のミドルテンポの'Human'でやっと一休み。でもこれ以上あれだけのテンションの曲を続けるのは殺人行為だよ。この日のコンサートが終わった後にこれでも今年のフジロックの時のThe Musicの方が凄かったと友達が言っていた。これを聞いた瞬間本当にあの時レッドマーキーに行かなかった事を本当に後悔した。これ以上のテンションのライブってなに?


The Music
The Music 6曲目の'Float'という曲。曲名は「浮く」なんてかわいらしい名前がついてるけど、そんなの大間違い。浮くは浮くでもまるで台風上陸中の太平洋にうきわ一つで海水浴に行ったような光景をこの曲を聴きながら思い浮かべていた。この時頭の中のイメージとぴったりの光景をこの後の'Getaway'と'People'というまさにありえないキラーチューンの連続攻撃の最中に目撃した。この時、無性に2階席からこのライブを見てみたくなり階段をかけ上がってみると、上から見下ろしたすし詰め状態の場内はまさにここに書いた台風上陸中の大荒れの海のようだった。もし目の前にテレビカメラがあったら「台風'The Music'号上陸!!」と題して台風中継でもしてやろうかと思ったくらい。
 'Disco'という比較的静かな曲でなんとか本編が終わり、ほとんど休むまもなくアンコールが始まった。セットリストを見てアンコールの一曲目が'Too High'という名前だと知り、またどんなテンションの曲で襲ってくるのかとビクビクしていたらこれが最後のテンポが加速するのを除けば以外にもバラードだった。そして最後の'Walls Get Smaller'という曲で僕の中でのこの見たThe Musicというバンドのイメージが急変した。曲名を直訳すると「壁が小さくなっていく」。この曲はボーカルのギターが中心のエモーショナルな曲で、今までのとんでもないパワーとテンションで駆け抜けてきたのと同じバンドが演奏してるとは思えないくらい感情的な曲だった。

The Music


The Music


--- setlist ---
The Dance / Jag Tune / Truth / Human / New lnstrumental / Float / Turn out the Light / Getaway / People / Alone / Long Road / Disco

--encore---
Too High / Walls Get Smaller

report by yohei and photo by mari.
 まるで何かを訴えるように。今まで黙々とベースを弾いていたベースは突然狂ったようにアンプに向かってベースギターを押し付け、アンプを倒し、そのままギターを床に叩きつけてステージを降りていった。このインスト曲には「世界中のいろいろな壁はなくなっていってる。」のあとに「でも」という強いメッセージが込められているような気がした。ここまで強烈なテンションのライブのレポートをこんなある1曲に対する僕の解釈で終わらせるのもどうかと思うけど、それくらいこの曲から受けたものが強烈だった。それまではあまりに演奏がカッコよすぎてそこまで彼らの音楽の深い意味までは考えられなかった。でも、NirvanaのカートやRage Against The Machineのザックが音楽に込めた苦悩や怒りと同じように、このThe Musicというバンドも押さえきれない激しい感情を楽器にぶつけてここまでのテンションを作り上げてるのかなって思った。


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