invisibleman's deathbed @ Shimokitazawa Shelter(23rd Nov '02)
初期ロキシー?ノイズ?GS?
下北沢シェルターは満員だった。自分がいた奥の方はまだスペースがあったけど、フロアに下りる階段のところまで人がつまっている。男女比は女がやや多いかも。 |
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BGMは管弦楽が流れている。フロアの空気は肩を組んで歌おうとか騒ごうとかいう雰囲気ではなく、バンドを待ち構えている感じ。
バンドが登場するも、機材の調整にちょっと手間取り、しばらくして音が出る。しかし、音が出てしまえばインビシブルマンズデスベッドの世界だ。そこから全16曲、2時間弱を駆け抜けた。
このバンドはヴォーカル&ギターのデスベッドの奇行が取りざたされることが多いけれどもライヴを何度か観ていると、彼らが「音でどれだけ気持ちよくなれるか」を追求しているバンドなんじゃないかと思うようになってきた。 |
【インビシブルマンズデスベッド= 初期ロキシーミュージック?】
デスベッドが要所要所で感極まって「あァあァ〜ん」と声を上げるのである。これはロキシーミュージックのブライアン・フェリーが「ふぅふぅ〜ん」というのと同じではないだろうか。一曲の中の言葉を切り詰めて音楽の快感に浸っているというのもロキシーミュージックに似ているし、濃いメイクや、ちょい暗い歌詞と笑えるパフォーマンスとのギャップなんかもろに初期ロキシーだ。まあ、彼らはドアーズやデヴィッド・ボウイが好きなんだからグラムの香りが濃厚なのだ。 |
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【インビシブルマンズデスベッド= ノイズ音響派?】
少しでもギターを手にしたことある人は経験あるだろうけど、アンプにつないでツマミをいじって「この弦のこのフレットを押さえると、いい感じに鳴るな」とか「だったらもうちょっとゲインのツマミを上げてチョーキングしてみようか」とかいろいろ試したことがあると思う。音が出るだけで楽しい感じ、良く響くだけで嬉しくなってしまう、という新鮮な感覚が彼らから伝わったきたのだ。"星の屑"のギターの響き方なんかは、2本のギターをソニックユースかレディオヘッドかという繊細な感じに音を重ねている。そして思いっきり弾きまくって轟音のときでもギターが実にいい音で鳴っている。こちらの響きもノイズというかグランジやシューゲーザーを踏まえた気持ちの良さだと思うのだけどどうなのだろう。 |
【インビシブルマンズデスベッド=GS?】
デスベッドの憂いを含んだ高めの声と哀愁のあるメロディは、やっぱりGSぽい。お
客さんの中に結構年配の人がいたのも彼らにGSを見ているからじゃないかな?自分は
リアルタイムでGSを聴いていたわけじゃないけど、何か懐かしい思いがもたげてくる
のだ。GSについて本人たちは直接的な影響はないと言っていたけれども、GSの遺伝子
が彼らの音楽の中に紛れ込んでいるように思える。新しいとか古いとかを越えて、ま
ずは今出ている音に身を委ねよう、それが彼らのメッセージなのかも知れない。 |
もちろん、フジロックのルーキー・ア・ゴーゴーでも大活躍したデスベッドのパフォーマンスも楽しかった。手足をブルブルさせる痙攣ダンス、カゴやドラムのスティックをギターの弦に叩きつけたり、楽屋からガムテープを持って来て貼ったり、脚立をフロアの真ん中に組み立てたり、最後はドラムセット破壊、とフルコースであった。毎回インパクトは大。めくるめくインビシブルマンズデスベッドの世界は面白い。 |
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setlist
1.玉砕 / 2.歪め表情 / 3.狂った笑顔 / 4.踊るオンナ / 〜チューニング / 5.最後の季節 / 6.接触 / 〜チューニング / 7.熱い戯れ / 8.限りないギター / 9.堕落論 / 〜チューニング、前半終了 / 10.べードラソロ〜星に願いを〜星の屑 / 11.セッション / 12.16秒間 / 13.摩擦 / 〜チューニング / 14.交わる吐息 / 15.赤い赤い瞳 / 16.デリー |
report by no nd photos by saya38
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