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2曲目が" Miss Lucifer "、そして昨年8月のサマーソニックのステージでは「Bomd The Pentagon」と反米感情剥き出しにして歌われていた" Rize "と、新作『Evil Heat』からの曲が続くのだが、アルバムのタテノリ四つ打ちバキバキビートとはまた違う、意外な、まったりとしてダークでサイケデリックな雰囲気に少し驚かされた。
ベースラインをダムが崩落したように溢れ出させギターをターボチャージャーのように掻き鳴らす、ここ最近見慣れて、そして期待していたステージとはまた一味違って、PRIMAL流にビルドアップしたサイケデリアを丹念に紡ぎ出しているかのような印象なのだ。 |
真冬を匂わす風から逃れるようにエントランスを抜けて、バーカウンターの天井に備え付けられたニクロム線の熱の放射を通り過ぎ、ドアを開けると、機材以外にはなにもないシンプルなステージが薄赤い照明に包まれている。なんとなくMY BLOODY VALENTINEの『Loveless』のジャケットを連想する。贅肉を削ぎ落としたようにシンプルなステージ・セットで、目立つのはイネスとマニが使う上手のでっかいマーシャル・アンプくらいだ。 てっきりオープニング・チューンは" Miss Lucifer "だと想像していたのだけれど、イネスのエッジの効いたギターリフから始まったのは、以前までならショウのクライマックスで掻き鳴らされていた" Accelerator "。のっけからライオット・モード全開か、とそんな期待で幕を開けた。
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とくにケヴィンのエフェクト・ギターが美しい" Shoot Speed / Kill LIght"、そしてボビーとイネスが『Sonic Flower Groove』のときに戻ったような甘いハーモニーを聞かせてくれる" Autobahn 66 "と、ケヴィン・シールズがイニシアティヴをとる曲は、そのままMY BLOODY VALENTINEと言ってもいいくらいに耽美的で、アシッドでサイケデリックだった。 |
| それに目くらましのようなフラッシュライトや、緑やブルーといった単色の暗いライティングが本当に曲の雰囲気に合っていて、実に効果的。照明がこのツアーではとても美しい。最優秀助演賞ものだと思う。 "Sick City"や"Medication"では、マーシャルで「歪めた」というよりは分厚い音圧を「グシャッと潰した」ような硬質なベースが、サイケで硬質なノイズと一緒くたになり、やはり硬く、高音域にイコライジングを利かしたようなボビーの歌声とともに、粗雑に、荒々しくシャウトしている。まるで60年代のライオット・バンドのフィルムを見ているような錯覚に陥る。 ![]() |
![]() かと思えば、ダブを強調してアレンジし直された"Kill All Hippies"に、ボビー自身が「スペースエイジ・レゲエ」と表した"Higher Than The Sun"は、エイドリアン・シャーウッド直系のアシッド臭がプンプン。このあたりは、やっぱりPRIMAL SCREAMはリアルなドラッグ・ミュージックなのだと再認識させられる。自分の魂が、太陽よりも高くにあるオアシスなのだと歌っているのだから。
そんなPRIMALサウンドの集大成が、"Rocks" "Kowalski" "Swastika Eyes"とお馴染みの反則三連発のあと、本編ラストに高らかに歌われたサザン・ゴスペル "Movin' On Up"だったと言えば、意外に思われるかもしれないけれど、本当に、今のPRIMAL SCREAMを凝縮したような一曲。観客のなにもかもを持っていってしまうくらいに圧倒的に格好いい。 |
あととても印象的だったのが、なんとMCをするボビー。歌声以外にステージで生声を聞くのは、ありえないくらいに珍しいのじゃないか。曲を紹介し、観客に投げキッスを連発し、表情を輝かせてとても幸福そうに「とっても素晴らしい夜だ」としきりに口にしていた。思わずステージ裏での嗜好を訝しんでしまうのだけど、どうやらベイビーが誕生したらしい(!)。音のダークな一面とは裏腹に、ボビーの心境はまさに「My light shines on !! 」に違いない。 ![]() |
![]() --SET LIST--
Accelerator / Miss Lucifer / Rize / Shoot Speed / Kill Light / Pills / Burning Wheel / Autobahn 66 / Kill All Hippies / Sick City / Rocks / Kowalski / Swastika Eyes / Movin' On Up
-- ENCORE 1 --
Higher Than The Sun / Jailbird / Detroit / Skull X
-- ENCORE 2 --
Medication / Born To Lose (13th) / Kick Out The Jams (14th)
report by ken and photo by ikesan.
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