Red Hot Chili Peppers at Makuhari Messe (2nd Nov '02)
光と影/カリフォルニアの橋の下で

開演予定時間を20分ほど過ぎたころメンバーが登場する。まずはヘヴィなインスト
ナンバーをジャムってから、"By The Way"のイントロへ。大きな歓声が上がる。憂いを含んだ影のあるメロディから一転してハードな音に突入するという、まさに光と影がある曲でのスタートにステージ前はすでに盛り上がって大合唱している。
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人は明るいだけでなく、暗い部分にも惹かれることがある。それがビーチボーイズの『ペット・サウンズ』とかイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』のようにとてもきれいなメロディと底なしの暗さを持つ音楽をずっと好きな理由である。レッド・ホット・チリペッパーズもまたカリフォルニアの太陽のように光がまぶしい分だけ影も濃くなるのだということを最近の2枚のアルバムにくっきりと焼き付けている。今回のライヴは、盛り上がって暴れる曲とじっくり歌を聴かせる曲が半々くらい並んでいるので余計に光と影を思わずにはいられない。
ステージ背後には大きな幕。ライトや円筒形のオブジェが置かれていてなんか荒涼とした感じのステージセットである。上を見上げると左右に2人ずつ、前には4人のスタッフがメンバーにスポットライトを当てるべく、ステージの上から待ち構えている。コンピュータでコントロールされた照明だけでなく、生でメンバーの動きを捉える照明もあるのだ。
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 このライヴの写真を撮ってくれた西岡君が「みんなよく歌詞を覚えてるね」と感心していたように、お客さんは"Suck My kiss"のキメでは当然のように「Suck My kiss」と大合唱、本編最後だった"Give It Away"もフジロックのときと負けず劣らず声を張り上げる。それだけお客さんとの結びつきの強さを感じさせる。
ステージの上の4人はそれぞれで、MCをしていたのはフジと同じようにフリーで丁寧にお客さんに感謝を述べたり奇声を上げたり。鍛えぬかれた上半身裸でベースを弾きながらステージを動き回る。クールに振舞っていたのがジョン・フィルシャンテだったけど、表情と裏腹にギターをバリバリ弾きまくっていた。チャドは爆発しそうなドラムを叩きまくる。アンソニーは"Around The World"の最後の方で激しく踊ってステージを走り回るが、そこにアホの坂田の横走りを見たのはおれだけじゃないだろう。それから確か"Right On Time"のイントロにクラッシュの"London Calling"をちょっとやったりして遊んだりする。
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3曲目の"Around The World"で幕が落ちて背後に大きな4つのヴィジョンが現れる。
ヴィジョンにはオリジナルCGの映像や、演奏している様子がリアルタイムで映ったりする。それぞれのヴィジョンにメンバー1人ずつ映っているときなんかは、4人ともがすっごく絵になっていて格好いい、と唸らざるを得ない。次の"Universally Speaking"はまるでオールディーズのような懐かしいメロディを持つ曲で初めてアルバムで聴いたときにはレッチリらしくないと驚いたのだけど完全に馴染んでいる。
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"Give It Away"で本編が終了。アンコールでは、まずチャドが登場。お客さんを煽ってドラムソロをする。それからフリーが逆立ちしながらステージへ。ジョンはステージの端に座る。そして4人が揃って"Under The Bridge"。
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ジョンのゆっくりとした乾いたギターから、アンソニーの深みを感じさせる歌声が聴こえてきたとき、この美しい歌の背後に横たわっているとてつもない暗闇のことを思わずにはいられなかった。それが心をつかんで震わせるのだと。そしてラストは"Me And My"。それまでのものを全部ぶっ飛ばして盛り上がる。このバンドは、こういうポジティヴさと暗さが渾然となっているのがいいのだ。
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「名古屋でリベンジします(注:ぎゅうぎゅうで暴れられなかったため)」(HARU)
「フジと同じだけどずっとよかった(注:どうよかったのかは不明)」(ゼッツー)
「(自分が)若くないなー」(でぶぃ)
「確かにフジと一緒だった…」(TZ)
「体が痛い…」(Bob)
「フジその他最近のライブとセットリストが殆ど変わりばえせず。個人的に新譜が今イチなもんで、全体としてはまああんな感じだろーという感じだった。でも、各楽器の演奏はフジからまたさらに進歩した感じですばらしかった」(ちゃど)
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 ---set list(原文のまま)---
By The Way
Scar Tissue
Around The World
Universally
Otherside
Suck My kiss
Zephyrsong
Parallel
Don't Forget Me
If you Have To Ask
Right On Time
Could Of Lied
Can't Stop
Californication
Venine Queen
Give It Away
〜Break〜
Under The Bridge
Me And My
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report by nob and photos by nishioka
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mag files :
illustration report : (02/11/13 @ Nagoya Rainbow Hall) : illustration by chika
僕はあなたを忘れない : (02/11/10 @ Saitama Super Arena) : review by taku, photo by nishioka
10年目にして初ライヴ : (02/11/10 @ Saitama Super Arena) : review by ali, photo by nishioka
レスラーパンツにタンクトップ! : (02/11/05 @ Osaka Jo Hall) : review by walk, photo by ikesan
photo report : (02/11/05 @ Osaka Jo Hall) : photo by ikesan
三回目のレッチリ : (02/11/02 @ Makuhari Messe) : review by takao and photo by nishioka
photo report : (02/11/02 @ Makuhari Messe) : photo by nishioka
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