buttonTaxiride at 心斎橋クアトロ(22nd Oct '02)

ガラージ・マハール、その美しさの証し
 一昨年の9月、初来日直前にメンバー脱退という危機があったにもかかわらず、生でも素晴らしいハーモニーを聴かせてくれたタクシーライド。今年3人となっての最新作『ガラージ・マハール』を聴いて驚いた。これまでのハーモニーも残してはいるものの、まるでインキュバスなDJスクラッチやヘヴィなギターがギュンギュン。彼らも今時のパワー・ポップヘと脱皮をはかるのか?

 2年ぶりの再会にそんな期待と不安が入り混じる中、最前ど真ん中で待機。前回、セーラー服のままの女の子達もいて、アイドル人気に圧倒された事を思うと、今回はいくぶん落ち着いた感じ。ステージ後方の壁や機材はマンダラ模様や神々を描いた布でインド風に飾られ、マイクスタンドの下には象の形のお香立ても。客電が落ち、静まり返ったところでマッチをする音。そして後方の壁にずらりとぶら下がっていた鉄鍋のような器にボン!と大きな音がしてかがり火が灯る。インド風なラップのイントロに乗ってメンバー登場。そんなアレンジですぐにはわからなかったが、オープニングは"GET SET"。そう言えば元々この曲のイントロにはシタールが使われていたっけ。

Taxiride


Taxiride 

 目の前には真っ黒に焼けたジェイソン。左手にいっそう貫禄のついたティム、ワトソン君と右手にほっそりな方のティム、ワイルド君。後方にドラムとベースのサポートを加えた5人編成だけにギンギンにへヴィか?と思ったが、"AFTERGLOW"ですぐに彼らのハーモニーに戻って一安心。続く"ENEMY" でもスクラッチの音も入るものの、キュンとなるメロディとあのハーモニーは不変だ。やがてステージに椅子が用意され、ジェイソンがこんなコメントを。

「これまで僕らを見た事ない人のために、タクシーライドを始めた頃のアコースティックに戻るよ」

 始まったのはアコギ1本と3人のコーラスだけの"HELPLESSLY HOPING"だ。思わず息を呑むほどのハーモニー。うわぁ、最前かぶりつきでこんな鳥肌モノ、いいのか? 手拍子を入れるのさえ憚られる美しさに呆然と聞き惚れていたら、ワトソン君が手拍子のジェスチャーで誘う。あ、そうかと我に返るともう1曲。"CAN YOU FEEL"はワイルド君が調子よくかき鳴らすアコギに乗ってさらに爽やかに走る。彼らに惚れた「肝」の2曲を目の前で聴けてもうすっかり夢心地だ。ああ、若い女の子ばかりじゃなくCSN&Y が好きなおじさん達にこそ聴かせたい! 

Taxiride
 

Taxiride 

 "EVERYWHERE YOU GO" からはみんな思いきり跳ねるところへメンバーもステージ前いっぱいに乗り出して黄色い歓声が炸裂。握手しまくり、触りまくりで大騒ぎだ。私も目の前のジェイソンとしっかり握手で舞い上がる。スクラッチとラップが今時な本編ラスト"CREEPIN' UP SLOWLY"が終わる頃には、興奮と熱気ですっかり汗だくに。

 アンコールで再登場したジェイソンはタクシーライドTシャツに着替えていて「向こうで売ってるからね」としっかり宣伝(笑)。大ノリの"SAFFRON"で叫びまくり、どっしりとヘヴィなラスト"WAIT"まで1時間半ほどで終了。ガレージのごちゃごちゃ散らかったイメージと、インドの美しい城「マハール」を掛け合わせたのが『ガラージ・マハール』だと語っていた彼らだが、今夜聴いた様々な音はまさしくその証明だ。そして、この先どんなにかけ離れた音や今時エッセンスが散りばめられようとも、その根源である透明な美しさは崩れやしない。そう確かめられたのが何よりもうれしい一夜だった。
--- set list ---

1.GET SET
2.AFTERGLOW
3.ENEMY
4.AFRAID TO FLY
5.HOW I GOT THIS WAY
6.ROCKETSHIP
7.WORLD'S AWAY
8.FOREST FOR THE TREES
9.HELPLESSLY HOPING
10.CAN YOU FEEL
11.THIS TIME
12.HAPPY
13.SPLASH
14.SKIN
15.EVERYWHERE YOU GO
16.CREEPIN' UP SLOWLY

--- ENCORE ---

17.HAPPINESS WITHOUT YOU
18.SAFFRON
19.WAIT

 

Taxiride


report by ikuyo and photos by makikko.

*なお、写真は東京公演のものを使用しています。
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