-- SET LIST --
1.45
2.ACCIDENTS WILL HAPPEN
3.CLUBLAND
4.SPOOKY GIRLFIREND
5.(I DON'T WANT TO GO TO) CHELSEA
6. CLOWN STRIKE
7.TOKYO STORM WARNING
8.OLIVER'S ARMY
9.ALISON
10.TART
11.LITTLE TRIGGERS
12.I HOPE YOU'RE HAPPY NOW
13.TEAR OFF YOUR OWN HEAD (IT'S A DOLL REVOLUTION)
14.WHEN I WAS CRUEL NO.2
15.MY MOOD SWINGS
16.DUST 2
17.(WHAT'S SO FUNNY 'BOUT) PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?
18.RADIO RADIO
--ENCORE 1--
19.SMILE
20.15 PETALS
--ENCORE 2--
21.ALIBI
22.YOU belongs to ME
23.PUMP IT UP
24.I WANT YOU |
実は今回の来日に寄せて、コステロの事を「歌の四次元ポケットを持つドラえもん」なんて書いたりした私。実際、曲ごとにギターを持ち替えつつ、その貫禄のついた身体で背中を丸めて弾く図なんて笑えるぐらいぴったりだ。かたやキーボードの壁の中マルコメ君頭で飛び跳ね、テルミンをビシバシ鳴らすのは盟友スティーヴ・ナイーヴ。ああ、一瞬誰かと思ったよ。
イントロから大歓声で盛り上がった"CHELSEA"や、"ALISON" も中盤早くも登場。やっぱりいい曲だとしみじみしていたら、マイクの前から一瞬離れて素の声での熱唱。これぞオフマイクの魔術師、コステロの真骨頂。そして新作一番の胸キュン・バラード"TART"へ。ノリノリのロックン・ロール"TEAR OFF YOUR OWN HEAD"では、スティーヴのテルミン炸裂。コステロもそれに顔を近づけて鳴らす。時間差も曲調も変幻自在に、曲から曲へと実になめらかに流れるステージは、まさしくポケットから次々と歌を取り出す手品を見ているようだ。
"RADIO RADIO"で大ノリの本編終了の後は、投げキッスで再登場。チャップリンの曲だよと紹介してお待ちかねの"SMILE"へ。さっきまでのパンクな熱さが嘘のようにシナトラ風熱唱を聴かせてくれる。2回目は皆とのコール&レスポンスもバッチリな "ALIBI"の後、バンドを紹介。ドラムのピートがその名を呼ばれて応える代わりにもう"YOU belongs to ME"のビートが始まり、さらに息もつかせぬ勢いで "PUMP IT UP"へ突入。ああ、やっぱり私はロックン・ロールしてるコステロが最高に好きだ。拳を振り上げて叫びまくる。ラストは照明をぐっと落とした中、一転して泣きたくなるほど切々と歌われる"I WANT YOU"。最後の最後、またまたオフマイクで絶唱を決めた彼に割れんばかりの拍手が続く。
しかし、ここからまだ長いぞと覚悟したとたん、客電がつき、落胆のどよめきが起こる。2時間ほどのセットは普通の人なら十分だが、毎回アンコールの多いコステロにすれば、え、もう終わり?って感じだ。きっと今回聴けなかった歌が聴きたくて、この次も通ってしまうだろう。いや、演ってくれた歌も同じか。そう、彼の歌の四次元ポケットはその歌の豊かさはもちろん、何よりもまた聴きたくなる無限大の魔法に満ちている。

report by ikuyo and photo by hanasan. *なお、写真は7/5(国際フォーラム)のものを使用しています。
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