buttonMEST at 渋谷クアトロ(8th May '02)

 

Mest Mest Mest Mest Mest Mest

---set list---

OPINIONS
YESTERDAY
DRAWING BOARD
LONG DAYS LONG
NIGHTS
HOTEL ROOM
WITHOUT YOU
FORGET YOU
SLOW MOTION
WASTING MY TIME
REGGAE
MOTHERS PRAYER
LIVING DEAD
FUCT UP KID
GREY HOUND

---encore---

MISUNDERSTOOD
SAY SO LONG
CADILLAC

 

 

母さん、僕らは日本でとっても人気者です。

 

 いや、ほんと、いくつになってもライヴでのどんちゃん騒ぎはやめられない。年々客の年齢層が低くなり、ちょっと心痛むけど、そんなの気にしてられない。だって、体力落ちてるわけじゃないもん。いくつになったって、楽しいものは楽しいんだ! というわけで、今回もMESTで大はしゃぎ、ひと暴れしてきました。こんなバンド組みたいなー。もし、自分が男だったら、だけど。メロコアのライヴに行くと毎回必ずこう思うんだけど、今回のMESTもそうだった。あんなに楽しそうに演って、笑って、歌って、盛り上げて、弾けて、飛び跳ねて。しかも、気心知れたメンバーと一緒で。そりゃー、楽しいだろう。「ゴールドを取れたのは日本だけ。アメリカより俄然売れてるんだぜ」とトニーが言う通り、ここ日本でのMESTの人気はすごい。その期待を裏切らない、おバカ連打の爆発ライヴ。大満足っ!

 クアトロ、ギューギュー。メンバーが出てくる前から、熱い、アツイ。タオルを首に巻いたダイヴ・ジャンプ・準備オッケー・スタイルの人たちに周りを取り囲まれた。こりゃ、見えないかも。フロアから一段上がったギリギリの所に移動。これで、見える。と思ったら、来た!出だしは『Destination Unknown』の「Opinions」。これがすごい。何がすごいって、拳突き上げて場内大合唱。おー、ワンダフルッ。そこから「Yesterday」に流れて、この展開、この日まで聴き続けてきたアルバムと同じって、なんだか感動。「Drawing Board」ときて、「Long Days Long Nights」を筆頭に、「Hotel Room」、「Forget You」、「Slow Motion」と『Wasting Time』からの曲も炸裂。

 途中にあるMCが、これまた愉快。会場にいた外人を見つけて、「あいつ知ってるよ」と指差し、ステージに上げてビールの一気飲みをさせたり、フロアの真ん中辺りにいた外人が「ビールくれよ」とせがむと、ちゃーんと放り投げてあげる。「みんなのお母さんは年取ってるの? うちの母ちゃんは年くってるから、日本来れないんで、みんなの写真撮って見せてあげるんだ」と言って、ステージ上からシャッターを切る。その写真を見て、彼らも日本でのライヴをまた思い出すんだろうな、なんてちょっと嬉しくなる。

 そんな楽しいMCを挟みつつ、ライヴは猛スピードで進んでいく。「Wasting My Time」が終わると、レゲエ・ソング。この人たち、純粋なメロコア一直線かと思うと、レゲエ風の曲もある。そして、そのレゲエがまた妙に合う。熱い中ビール飲んで、飲んで、飲んじゃって、ヘベレケになってるような状態が。そして、「Mother's Prayerr」のような、優しい曲調のものもある。甘いトニーのヴォーカルがすごくキュートな曲。

 そして来ました、「Fuct Up Kid」。ここで、客に「Fuxx you」と何十回と言わせる。この曲が、ひどく自分のことを毛嫌いして避けていた大人たちに対する歌で、そんな大人たちが今となっては手の平返して接してくるのに向けての「Fuxx you」なんだろうけど、彼らから発せられるその言葉は、正にステージ上からのリベンジってかんじ。

 ドラムのニックの姿だけがどうしても見えなかったんだけど、マットもジェレミアも普通にしゃべるし、良く動き跳ねるし、ほんと楽しいんだろうなと微笑ましい光景。トニー、あんなに背中を丸めて歌って疲れないんだろうか。途中着ていたランニングを脱ぎ捨て、ご自慢のタトゥーお目見え。すごいぞ。腹巻のように、腹から後ろの腰のところまで入ってる。良い子は決してマネしないように、ってくらい上半身いっぱいに入ってる。とにかく、ステージ上は笑顔いっぱい、元気いっぱい、おバカ炸裂で本当にライヴ中、楽しいとしか言いようのない、ものすごくイカした人たちだ、MESTは。

 汗かいた、大汗かいた。ふくらはぎがパンパンになるくらいに飛び跳ねた。顔が筋肉痛になるってくらい、笑った。後ろの男の子が両手を振り上げて下ろす時に必ず私の頭に肘鉄してたけど、そんなのもどうでもいいってくらい、楽しかった。でも、まだまだ足りない。そして、アンコールの締めは、「Cadillac」。名曲とも言われるこの曲で締めくくるのは、爽快であるのと同時に、少し寂しい気分にもなる。終わっちゃうのか…。こういう楽しいライヴの最後は、疲労感以上に終わってしまう寂しさの方が強くなる。その場にいるだけで、次々に繰り広げられるポップでキャッチーで明るい彼らの曲を聴いてるだけで本当に楽しくなれるバンドだった。

 メロコアや、旬のエモ・コアとか、今ちまたにこの手のバンドはわんさか溢れてる。正直、このバンドが今後も、比較されているGreen Dayのように息の長いバンドとなるかどうかはわからないけれど、そんなこと、今考える必要もないか。このバンド、CDで聴く以上に魅力的なバンドです。事実、CDではあまりグッと心を掴まれなかった私は、ライヴでイチコロでした。またどうしても明るい彼らが見たい、会いたい。だから、MESTよ、Don't say so long!

report by ali and photos by saya38.


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"saya38" Takahashi. They may not be reproduced in any form whatsoever.

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