weekend lovers at 赤坂ブリッツ(2002年5月11日)

-「音楽好きが集まってバカやっている感じ」-

 ある関係者の方が「楽しいですよ、音楽好きが集まってバカやっている感じが」と言っていたイベント、Weekend Loversを観に赤坂ブリッツに行ってきた。ブリッツはロビーもフロアも超満員だった。そんな中に、まず一番手として登場したのがSTROBO。ギター、ベース、ドラム、パーカッションとキーボードorサンプラーの5人編成でROVOとかWRENCHが好きな人ならか気に入りそうな人力トランスをやるバンドである。確か以前にフジロックのフィールド・オブ・ヘヴンに出たんじゃないかな。途中、ロックンロールぽい感じもあって、それぞれの楽器がぶつかりあって生み出さスピード感が凄い。これはかなり良いのではと思って見渡すと、気になるのがフロアのノリの悪さ。いい演奏をしているんだから、素直に反応しようよ、と思う。

 次に出てきたのはHarry。ストリート・スライダースを解散させてソロで活動している。自分は初めて観るのだが、自分の知り合いにはこの人の古くからのファンが何人かいるので迂闊なことは書けないなぁ(笑)。それはともかく、アコースティック・ギターで弾き語りというスタイル。ストーンズ、ベンEキング、チャック・ベリーなどの古いものや自身の曲を歌う。しわがれた声が会場全体に沁みわたる。STROBOが動ならHarryは静。ざらざらして粗暴な感じがするのと同時に、安らぎを覚えさせる。満員のお客さんを聴き入らせたのは、その2つの感覚を取り込んだ歌声の力強さである。ベテランのファンが「オレ、ほとんど歌えたよ」と言ってました。

 3番目に登場したのはロザリオス。基本はジャズだけど、中村達也の狂ったドラムが暴れまくるので大人しい感じは全く無し。気持ちの赴くままに叩きまくる達也をしっかりガードするベースのTOKIEや格好いいフレーズを決めまくるギターのカトウタカシ、なかなかついていけないけど、一生懸命なサックスの武田真治の3人が微笑ましい。達也の暴走ぶりとかギターの音色がなんか72年頃のキング・クリムゾンに似ているのではないかとすら思ってしまった。もちろん、クリムゾンみたいな音楽の求道者ぽくはなく、それこそ「音楽好きが集まってバカやっている感じ」がする。いや、ホントにあんなドラムはこの人にしか叩けないよなあ・・・「あのバンド」から解放されてノビノビしているんじゃないかと思えた。

 そしてトリはROSSO。チバユウスケの人気は相変わらずで、登場からフロアが沸き立つ。それに劣らず照井利幸のシャウトに反応する歓声も多い。曲はチバが歌うのだからミッシェルに似ているのは当然として、シンプルにロックンロールが好きです、というのが伝わってくる。ベースとドラムが作るグルーヴはとても気持ち良く、それにチバのギターがのっかるのだけど、それがどうにももどかしい。チバが「あのバンド」のギタリストが大好きなんです、というのが手に取るように分かるのだが。何回もライヴをやれば印象が変わるかも知れないと思った。もう一回観たい。

 いろんなバンドが楽しめるこういう形式のイベントはいいと思う。ただ、出来るなら人によっては終電ギリギリの時間に終わるんでなく、オールナイトイベントにするとか方が良かったのかも。それと、お客さんは知らないバンドでもいい演奏したらちゃんと称えましょう。
report by nob

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