*写真は29日公演のものを使用しています。 |
Love is here
実はHavenのライヴを観るのは3回目である。1回目は彼らがUKでデビューしたての頃、ちょうど一年前だ。その時ははっきり言って特に何も感じなかった。CDと同じ、いつも感じるそれだった。だがその半年後の昨年11月に再度目撃した時、あまりの彼らの成長ぶりに目をうたがった。音のダイナミズム、Garyの歌声の伸びと響き、何もかもが洗練されていた。半年でこんなに変わるものか?と思った。 そして今回。前回のライヴの衝撃が残っているので、私は確信的に、「彼らは成長しているはずだ。」と信じていた。そしてその確信は正解だった。約半年ぶりの彼らはますますLIVE BANDとして成長していた。ここにいるお客さんはラッキーだな、と思った。彼らの一番いい時期に彼らのライブを目撃できるなんて。そして彼らには「余裕」が生まれていた気がした。いくつものツアーで得たものだろうか。そして以前はマイクから磁石のように離れなかったvo&gのGaryが間奏部分に入るとアンプの前に突進していったり、激しい動きを見せるようになっていた。歌うときも体の重心を左に置き、マイクへの近づき方や自分の声がどういう状態だとベストに響くのか、そういうことを熟視しているように感じた。 そして、これは前回のHavenの Gig Reviewでも書いたことだが、このバンドがLIVE BANDになり得た理由は、彼らが「曲に息を吹き込む。曲を育てる」からである。だからCDで聴くより感動する。ある意味CDに入っている曲達はまだ芽がでていない状態なのだ。ダイアモンドの原石、とでもいうべきか。そしていっそう輝き始める曲達。そこに吹き込まれるダイナミズム、それを作りだす為の各パートの入り方、曲の盛り上げ方、曲の伸ばし方などは本当に圧巻だった。特にラストから2番目に演奏された「Beautiful Thing」。この曲の間奏は本当に鳥肌がたった。あそこまで曲が生きている、音が生きている、と感じることはめったにない。 そして意外だったのが彼らの客との思いがけないキャッチボールのうまさ。ほとんどのMCを日本語でこなしたThe Cooper Temple ClauseのBenに負けずおとらずな日本語を披露するGary。「キミタチワボクタチノテンゴクデス。」(HavenとHeavenをかけているのかはわからないが)、「キミタチワサイコウ!」など言ってみせたり、客が何か言うと「What Was That?」と言って客に問い掛けたりする。演奏中にはガッツポーズを作ったり、ギターを上にかかげたり、曲が終わるとおじぎをしたり、本当に客とのCommunicationを大切にしていた。そういうことをしてくれるバンドではない、と勝手に思い込んでいたので本当に意外でそして嬉しかった。そして彼ら自身も客からの暖かい反応や歓声、合唱に驚いている様子だった。彼らの緊張してこわばっていた顔が時間と共にほころんできたのもわかった。 イギリスでは特にあのテロ事件後に異常なほどのヘビーローテーションで、この曲がラジオから聞こえてこなかった日はない、と言われているLet It Live。それがこの日のアンコール、ラストの曲だった。そして彼らの音からはたしかに「生」が感じられた。そして「愛」も感じられた。「Where's The Love?」その答えはこの日のライヴにあったのかもしれない。 ---setlist---
Where's the love
Is this bliss report by eri and photo by saya38. |