button The Music at Shibuya Quattro (25th April '02)

 

 

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踊ろう!このグルーヴと共に

 

 日本盤コンパイルEPを購入して聴いた時から彼らのライヴが待ち遠しくてたまらなかった。私はこのEPを聴くまでインストの曲しか聴いたことなくて、全く違った印象を彼らのサウンドに抱いていた。それが何だ? あのグルーヴと高音ヴォーカルは! 私はCDをプレーヤーにかけて音がでて2,3秒後に一回止めた。そしてもう一回音を始めからかけた。それぐらい衝撃的だった。インストで「冷たさ」を感じていたのが、あの熱を帯びた高音ヴォーカル! 私の頭に蓄積されていた彼らのサウンドと彼らについての知識とはあまりにかけはなれた「音楽」を彼らは持っていた。

 私はStone Rosesのライヴを見たことはないが、初期Rosesのライヴを見た人はもしかしたら同じような衝撃と確信を受けたのかもしれない、と思った。驚いたのはあのグルーヴ感とビート。本当に久しぶりに聴いた、感じたかのようなロックからのグルーヴ感。それを生み出すのは完璧な演奏力と、軽くそして伸びるRobertのヴォーカル。下手なんだか激ウマなんだか、たぶん人によってうけとり方はそれぞれなんだろう彼のヴォーカル。でも何とも自然で軽くて気持ちよくて。いくら難しい言葉を並べても伝わってこないようなことが、ただ同じフレーズ、しかも曲のタイトルなんかを何度も繰り返すだけで伝わってしまうこともあるんだな、と思った。

 彼らにRosesを重ねながらもそうならない要因は絶対にこの人のヴォーカルだろうし、たとえばIan Brownのように足踏みはしながらもIanはRobertのように回らなかっただろうし、ロボットダンスもしなかっただろう。とにかくこの人、ダンスがうまい! 歌いながら軽やかに踊りまくるその姿に私達の心も躍らされた。そしてあの半ズボンジャージと、マッシュルームカットを通り越した長髪カーリー。曲が終わると必ず「ピース!」と言ってピースサインをかかげる。なんか、何もかもが10代のイギリス人がやっていることとは思えない。

 そして彼らが雑誌で言っていた「最近のバンドって楽器がちゃんと弾ける人いないじゃん。だから昔の人の音楽を聴いちゃうんだよ。」というお言葉。それを裏付けるような彼らの演奏力。ギターのAdamは地味で特に目立った動きは見せないもののもくもくと複雑なフレーズを生み出しそれを繰り返し、グルーヴの中に沈めていく。ベースとドラムは一体化しビートのベースを築いてるし、とにかくあのドラムはすごい! 微妙なビートのずれ、音の大きさ、そしてこの「グルーヴ」を確実にコントロールしている。演奏力のみでなく、個性、ヴィジョン、すべてに関して出来上がっていた。

 まだデビューミニアルバム(しかもたった6曲入)しか出していないのにライヴは予想より長かったし、アンコールまであった。彼らから東京公演の日に届いたメールによると、東京公演の前日に行った大阪公演は、彼らがやってきたライヴの中で一番長いLIVE SETになった、とのことだった。そしてお客さんの反応がすごくよかった、とも書いてあった。たぶんこの日の東京公演も大阪公演とだいたいセットは同じだっただろう。ということは日本ツアーで彼らのLIVEを見たお客さんはかなりラッキーだったと言っていいと思う。ただ個人的にはお気に入りだった「フックミー」(笑)の曲を演ってくれなくて残念だった。

 前座を務めたOasisに関して「Oasisが僕らを起用できたことに感謝するべきだ。」なんて言ってしまうビッグマウスな彼らもファンには本当に優しくて礼儀正しくて嬉しかった。このグルーヴと音を野外で聴いたら本当に楽しいだろう。この日のRobert並みに踊りまくってしまうだろう。Fuji Rockで彼らの音に再開するのが本当に楽しみだ。

----setlist-----

Dance
Jag Tune
Truth Is No Words
Human
New Instrumental
The People
Turn Out The Lights
Alone
Take The Long Road And Walk It
Disco
Life
Walls Get Smaller

report by eri and photo by hanasan.


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Koichi "hanasan" Hanafusa. They may not be reproduced in any form whatsoever.

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