--- Set List ---
1.DANCE
---Encore---
11.LIFE
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このバンド"買い"です!!
開演時間ジャストに会場に入ると既に演奏がはじまってる! なんでも開演10分前にはじまったのだとか。あぁ…。登場時の盛り上がりを体験できなかったことは凄く残念だったけど、途中からでもライブの一体感に乗り遅れることはなかった。今回はアーティストにとっても、オーディエンスにとってもはじめてのライブだったから手探りの程よい緊張感があって、それが疎外感を与えない暖かい空気を生んでいたのかもしれないな。 しかし雑誌などで取り上げられているとはいえ、ミニアルバムしかリリースしていないUKの新人バンドが会場をほぼ埋めるほど集客力があることに驚く。洋楽不況と言われている今の状況は、ライブに行く、行かないの取捨選択もシビアになっていきていると思っていたのだけど、(日本の音楽ファンのもつ)イキのいい音を求めるアンテナの敏感さと、お互いに楽しもうとする心の解放具合が頼もしく感じた。 そしてライブ。平均年齢18歳という若すぎるぐらいの若さがキラキラとまぶしい少年たちが一生懸命に演奏する姿は可愛らしく、ほほ笑ましい。が、その中で異彩オーラを放ちまくるボーカルのロバート。コイツやばいっス! まず尋常じゃなく細く、顔が小さい(ホント握りこぶし位しかない)。そして、会場と同じビル内にあるワールドカップオフィシャルショップで買ったのか(?)、アルゼンチンの背番号「10」のユニフォーム(マラドーナか?、ちゅーかなんでアルゼンチン?)にアディダスの短パン、そしてロン毛のクルクルパーマ。男前の顔してんのに、まったく意味不明のスタイルでリズムに乗れてないヒラヒラ踊りを全開で踊る。そして、あの頭の先からあふれ出でるような高音ボイス。あまりの異端さに長々と説明してしまったけど、このロバートを見てるだけでもすごく楽しい!うれしい!!おもしろい!!!で、目が離せない。その佇まいにはストーンローゼスやオアシスで感じた、立ってるだけでワクワクとさせられる不埒な魅力がただよう。(ロバートがガニ股で踊り、綺麗な顔したアダムが下を向いてギターを弾くさまからは、やっぱりローゼスの雰囲気か?ボーカルは上手いけど。(笑)この"愛すべきロックバカ"の佇まいは、はっきり言っておしゃれでもスタイリッシュでもないのだけど、言葉で言い表せないロックのキモをズーンと突いてきて見てるだけでテンションが上がる。 見た目のルックスだけでなく、音楽にもその異端さは発揮され、サイケデリックな要素をちりばめた曲は1曲が5分以上あって長く、構成も奇っ怪。今回ライブを体験してみて感じたのだけど、彼等の音は基本リズムを繰り返すダンスミュージックでありながら以外と踊りにくい。でも頭では踊りにくいと思っていても、身体は解放されて知らず知らずのうちに踊り狂ってるから不思議。私はサイケデリックな音を聴いたことがないのだけど、こういうグルーヴをトリップロックというのだろうか? そして今回、すごく気に入ったのがギターの音。独自のグルーヴを支えるベースとドラムのファンキーなリズム、このリズムを引き裂くように鳴動する硬質高音のボーカルとギター。"スマパンやニルヴァーナのようなラウドなギターサウンドが好き"と言だけあって、浮遊感の中に硬質でありながらギュィ〜ンと太くうなる芯の通ったギターは、ギターの音が大好きな私にとてつもなく気持ちよく響いた。 ストロークスを引き合いにだすまでもなく、今、時代に求められリンクしているのはやっぱりROCKだと思う。そしてその求める声に応じて、これから何かがはじまるのでは?という期待感も、今だけ楽しければいい!という刹那も全部ひっくるめてブレイクスルーするイキのいいバンドがたくさん登場している。この久しぶりに吹き荒れるロックの嵐にゾクゾクしているのは私だけじゃないはず。その嵐の中にThe Musicは確実にいる。ゾクゾクするROCKの勢いを感じたいなら、できればライブで、無理ならCDで彼等の音を体験して欲しい。これから"TAKE THE LONG ROAD AND WALK IT"〜歩いて長い旅をしていく彼等は、これから悩み、憤りながらもきっとワクワクする音を放出し続けていく、そんな気がする。 report by uramasa and photo by ikesan. |