Gerling at Shibuya Quattro(2002年4月13日)
--ザッツ・エンターテイメント--

 初ガーリング!初学生ルック!やっぱりガーリングといえばあの学生ルックでしょ う。だって、学生でもないのに渋谷の街に違和感なく溶け込んでしまいそうな学生風 な格好でステージに登場して、「何かやらかしそうな悪ガキ」を自分たちで演出して いるところが、既に観客を楽しませてやろうという気マンマン、確信犯的な匂いプン プンなわけで。学生ルック見ずしてガーリングを見たというな、と自分の中で勝手に 決めていたのだが、あら、今日は普通にジーンズ・アンド・シャツで登場。ちょっと肩 すかし。でも、いざステージが始まれば、やはり彼らは観客を楽しませようというエ ンターテイナー根性のある人たちだったと再確認。最後まで笑いっぱなしのかなり楽 しいライブを体験することができた。

 一曲目はアルバムと同じく”phazer kidz in the windy city”。アルバムでも導 入的に使われていてそんな盛り上がるタイプの曲ではないのに、彼らは完全にテン ションが間違っているだろうとツッコミをいれたくなるような勢いで跳ねて、いきな り観客を煽りたおしてくる。しかし、それを見て私は、なんだか彼らが、とにかく楽 しんでいってくれよ、と言っているように感じた。このライブは「楽しんだ者勝ち」 だぞ、と。

 そう言えばリガージテーターのライブでも「楽しんだ者勝ち」というようなことを 書いた記憶があるが、とにかく楽しもうぜ、というのが最近のオージー・バンドの傾 向なのだろうか。

 何曲目か忘れてしまったが、知らぬ間にメンバーが互いの楽器を交換して演奏して いたりと、結構器用なところも見せてくれる。しかし、それもメンバーのポテンシャ ルの高さを見せつけるためというよりも、楽しそうだからやっちゃえ、といった感じ なところがガーリングらしい。そのステージの楽しそうな雰囲気がいつの間にかフロ アーにも伝染してきていて、すっかり会場全体が楽しい雰囲気になっている。

 もちろんステージの上で勝手に楽しいばかりではなくて、オーディエンスに手拍子 を求めたり、「俺が手を挙げたら、みんなで、オレ!って叫んでくれよ。」と言った りして、コール&レスポンス形式でフロアーを盛り上げるのも忘れない。いや忘れな いというか、一見暴走しているだけのようなステージ上のハチャメチャさも、実は全 て観客を楽しませるためというのが何となく見てとれて、私はそこに好感を感じてし まうのだが。どの曲どの場面でも観客と一緒に楽しもうという感じというか。やっぱ り彼らは確信犯のエンターテイナーだよ。

 そして、確か”hot computer”のときだった(記憶が曖昧でスミマセン…)。「誰 かステージで踊りなよ。」と呼びかけ、4、5人をステージに上げてみんなでレッツ・ ダンス。でも、なぜか全員女の子。男は嫌いか、ガーリング?

 アンコールはオーストラリア版”お化けのロック”の(?)”ghost patrol”。あ の日本人女性のヘンテコなボーカルが入っていなかったのが残念だったが、これぞ ガーリングな楽しい曲であることに変わりはなし。もちろん楽しませてもらいまし た。

 そして最後は、ドラムのスティックをフロアーに投げるのと一緒にドラムセットま でフロアーに投げようとして笑いをとっていたり。本当に最後までオーディエンスを 楽しませることを忘れない、その徹底したエンターテイナーぶりが最高に楽しい空間 を生んでいたライブだった。

---setlist---

1.phazer kidz in the windy city
2.high jackers manual
3.deka
4.g house project
5.deep fryer
6.dust me selecta
7.enter space capsule
8.hot computer
9.serpentheadz
10.the deer in you

---encore---

1.ghost patrol

report by dak.


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