THE CALLING at Osaka Bayside Jenny(2002年3月30日)

--笑顔にクラクラ、ハートときめく春ロック!--


 開場待ちの列に並ぶと、私は富山、あたしは福岡からなんです、とまわりは「春休み追っかけツアー」な女の子達でいっぱい。思わず「がんばるねえ!」と励ましてしまった。ショウケース・ライヴでチケット代が¥4500なのはいいとしても、日程は東京、大阪各1日のみ。見たけりゃ追っかけするしかない。が、ギタリストで曲の大半を書いているアーロンが身内の不幸の為、急遽来日できず。コーリングにとって初めてアメリカ本国以外でのツアーは、中心メンバーを欠いての敢行に。う〜ん、だいじょうぶだろうか。

 定刻を10分ほど過ぎてメンバー登場。うわあ、女の子の多さから予想はしていたが、黄色い声また声。中でも、黒レザーのロング・コートにパープルのパンツ姿、ヴォーカルのアレックスには特に集中。骨っぽいヴォーカルに似合わず、透きとおるように白い肌に金髪碧眼な彼はジャケ写真よりもはるかにチャーミング。こりゃ無理もない。こっちを向いてニッコリされた日にゃ、私だって一緒にクラクラ(笑)。まるでいたずら天使がロックしに下界に降りて来たみたいな、彼のまわりだけ星の粉がふりかかっているような、そんな気さえしてしまう。"FINAL ANSWER" から始まって、デビュー・アルバムからの曲をテンポよく披露していく4人。タイトなリズムと独特の泣きメロは、メンバー1人欠いているなんて忘れてしまうほど、よくまとまっている。いや、本当はアーロンの分も懸命にやっていると言うべきか。

「本当は5人のバンドだけど、今日は1人足りない。でも、この次は一緒に来るからね。ニホンガスキニナッタ、カエリティクナ...あれれ??」と、アレックス。ちょっと練習不足と笑うと、今度はショーンが突然歌い出す。♪バンザ〜イ、キミニアエテヨカッタ〜! おおっ、どこで覚えたウルフルズ(爆笑)。アレックスがアコギに持ち替えて始まった"STIGMATIZED" を挿み、あのギターのイントロにひときわ大きな歓声が。本編ラストはお待ちかね "WHEREVER YOU WILL GO"だ。ゆったりと始まって次第に盛り上がる。ああ、やっぱりいい歌だ。ダテに全米トップ5の大ヒットになったわけじゃないな。

 続いてアンコールで登場した彼らはドラム→ギター、ギター→ベース、そしてベース→ドラムとパートをまるごと入れ替えてスタンバイ。ギターの弾き始めに一瞬、U2の"BLOODY SUNDAY"のフレーズが聴こえ、おっ、と思ったが、"JUST THAT GOOD" へ。実はこれ、I'm just that good (そのぐらい俺はデキるんだよ)な詞の内容をまんま体現してるのだ。さり気に芸が細かいじゃないの。ラストはメンバー紹介を交え、"ADRIENNE"を熱唱。1時間足らずでセット終了となった。

 たとえば、あまりに王道だとか、昔のパターンの焼き直しだとか。ロック・シーンに次々と登場する新人バンドをそんな一言で片付けてしまうのはたやすい。だが、一見(一聴)どんなにありふれていても、ひとたび生身の彼らに接すれば、そこには必ずそういう連中だけが放つ煌きがある。この先それはどんな風に膨らんでいくのだろう。キュートなメンバーのとびきりの笑顔、そして彼らに夢中な女の子達の熱気を思い返すと、今もほんのりと幸せな気分になってくる。


---SET LIST---

1.FINAL ANSWER
2.NOTHING'S CHANGED
3.UNSTOPPABLE
4.THINGS DON'T ALWAYS TURN OUT THAT WAY
5.COULD IT BE ANY HARDER
6.?? (未発表曲)
7.STIGMATIZED
8.THANK YOU
9.WHEREVER YOU WILL GO

---encore---

10.JUST THAT GOOD
11.ADRIENNE

*おまけ:THE CALLING はここで聴けます
official site、http://www.thecallingband.com/

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