モーサム・トーンベンダー @ 渋谷クアトロ(2002年3月17日)

--迫力の都--

 ライヴ後の声

「FLOWERからが良かったです。チューニングのあいだの間の取り方が良かった」
「今まで観た中で一番良かったです。(11月のリキッドルームのライヴと比べて)比べ物にならないくらいよかったです」
「黒崎(北九州)は、アンコールに応えてよかったけど、今日のほうが良かった」
「今日は凄かった」
「(観たのは)3回目だけど、最高に良かった。浄化された感じ。音が足から入って頭から抜けた」
「硬くて最高。東京ロッカーズのフリクションみたいだった」
「今回のツアーは横浜、黒崎、金沢、名古屋と観たけど、今まで観た中でよかった。(以前と比べ)演奏が早くなった」

 凄いライヴだった。全ての演奏が終わったとき、お客さんはステージに向かって10分以上は拍手をしていたのだ。今回のツアーで北九州のライヴでは、おそらく初めてアンコールに応えたので、ひょっとしたら出てくれるだろうと思ったのか、多くの人たちがフロアに残り、熱心に手を叩いていたけど、結局バンドは再び現れることがなかった。だけども、アンコールに応えなかったとしても、それが不満になることはなかった。モーサムトーン・ベンダーは本編で全力を出し切ったのだ、それで十分である。

 特に、この日のライヴは後半の流れがヤバかった。怖いくらいだった。今まで聴いてきた曲が全てたくましく改造されて、熱い激しさを感じると同時に、背筋が冷たくなるような感触があったのだ。3人の力を合わせて作り上げられた怪物がどんどん大きくなって、ステージ上で暴れているようであった。その怪物は"FLOWER"でゆっくりと起き上がり、"9"で目を覚まし、"壊れてるよ"で暴れ回り、"未来は今"と"HigH"で大空に飛び出して駆け巡り、"冷たいコード"で残っているものを破壊し尽くした。

 そのクライマックスへ向けて、この日のライヴの中盤もダレずに引き締まっていた。"キャラバン"のイントロではドラムの藤田が珍しい打楽器を使って工場のようなノイズの中でカンカンと金属的な打撃音がしたり、テルミンのようなミョ〜ンという音を出したりしていた。ちょっとコミカルな"アイガッタフィーリン"も休憩時間とかでなく、あくまでも迫力と切れ味で押してくる。それが後半のテンションの高さにつながっていったのだと思う。

 このバンドは観る人によって、思い出させるバンドが色々違っていて、筆者はニルヴァーナを思い出すのだけど、ある人はセバドー、ある人はフリクションという具合に、それぞれが今まで聴いてきたものを投影できるという、キャパシティの広さと自由さがある。"DAWN ROCK"や"光蝕"などは格好いいギターが鳴るバンドの集大成のような趣で、グランジからパンクから東京ロッカーズから地元の福岡のシーンからの流れが、モーサムトーンベンダーへ注ぎ込まれているのではないかと感じるのである。

 そんな彼らが、また新たな音楽へ一歩踏み出そうとしている。この曲を12月の下北沢で聴いたときは、まだ「試しにやってみた」という感じであったけど、この日のライヴでは機材の力を借りずに3人だけで演奏する四つ打ちのトランステクノが確信をもって堂々と鳴っていたのである。それが1曲目の"LAKE SIDE"であった。


-- setlist --

LAKE SIDE / DAWN ROCK / ジョニーボーイの話 / 光蝕 / カリフォルニアガール / PARADE / 黒になれ / idiot / DRIVE / ボクはサカシマ / キャラバン / アイガッタフィーリン / アトサキ / FLOWER / 9 / パルス玉 / 壊れてるよ / FREEZE / 未来は今 / HigH / 冷たいコード

協力: / satoshi / のぽん / ハニビ / SID / マーブル
report by nob

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