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Tokyo is beautiful!
だがそんな心配も無用だった。ライヴが始まった瞬間。そう、あのギターの音が鳴った瞬間、そんな気持ちはふっとんだ。"これだよ、私が求めているのは!"と一瞬にして心がうなずくようなギターのがむしゃらな音。そこにあらわれる細く美しいシルエット。ブランドンだ! 壊れたように踊りながら登場し、数日前まで体調不良だったなんて想像できないほどだった。とにかくかっこいい。もちろんブランドンのことだけ言ってるんじゃなくて、あのサウンド。ダイナミックで熱くて激しいあのサウンド。そしてブランドンの激うまヴォーカルも圧巻。 1曲目は"Circles"。初めからダイヴの嵐。お客さんのテンションもすごすぎる! もうライヴが始まった瞬間から会場の後ろまで熱しきっている。Zeppのような大きめのハコでこんな出だしはめずらしいと思う。ダイヴァーさん達を見ていると飛ぶ前に空中で回ってたりするし、会場のうしろのうしろでこぶしまで入れて歌いあげるお兄さんがいたり、"やばいよ、これ。T-shirt全部買っちゃおうかな"と興奮しながら言い出すお客さんがいたり。とにかく、ステージ上のテンションとお客さんの熱が合わさって、会場全体が爆発している、といった感じだった。 前半は聴かせるめの曲が多かっただろうか。6曲目"Wish You Were Here"を演奏しはじめると、ステージ上のうしろの黒幕カーテンがさーっと開いた。ケミカルの時と同じように、これから映像が飛び出してくるのかと思った。でもそんなこともなかった。何もなかった。ただ不思議だったのが、このカーテンが開くことでステージ上のスケール感というものが、まるで海の底を連想させるように壮大に広がったのだ。これには照明ももちろん影響している。これはライヴが始まった頃から思っていたが、彼らの照明はかなりすごい。これはすごい技術を使ってるとかそういうことでは全くなくて、シンプルなのだ。それでいて凝っている。たとえば始めにブランドンが登場するところのシルエットとか、1本のスポットライトなど、彼らの照明は本当に彼らのパフォーマンスや雰囲気づくりに一味何かを加えるようなかんじだった。 "Mexico"でギターのMarkがアコギを持ちイスに座った。その横にブランドンも座る。他のメンバーは去り、Unplugged式のライヴに変わる。"Mexico"が終わり、ブランドンはMarkに、"何でもいいよ。どんな曲でもいいから。何がいい?"と問い掛ける。するとMarkはジョークでかTLCの"No Scrubs"を演奏しはじめる。するとブランドンはそのギターにのって歌い始めた。ジョークのつもりだったんだろうが、かなりうまくて本格的だった。そして次は名曲"Drive"。"誰誰のライヴで大合唱が起きた"とよく聞くが、うしろにいて見ていた人は、"そうだったの?"ということが多い。ただ今回は、ブランドンが客にマイクを向けると、歌詞がきっちりとお客さんの中から聞こえた。本物の大合唱だった。そんなお客さんの歌を聴き、ブランドンもかなりの笑顔だった。そして"New Skin"がさりげなく始まり、Unplugged式のステージ上は曲の中盤でフルバンドの演奏へとさりげなく変わっていった。このさりげない工夫がIncubusの場合、非常にうまいと思う。どの曲だったか、バンドの演奏がだんだんと音量をなくしていき、一時はブランドンのヴォーカルのみで曲は進行し、まただんだんをバンドの音が戻ってくる、というようなこともあった。まるでCDプレイヤーのヴォリュームを下げたり上げたりしているように。 そしていったん会場は真っ暗になる。次の瞬間ステージに照明が照らされ、ブランドンは上半身はだか。腰にはアフリカ風の太鼓が備えられていて、ブランドンはそれを狂ったように叩いていた。"I Miss You"ではこれまた民族風の大きな笛のようなものを演奏していたし、彼らはどうやら民族風にの楽器にも興味があるようだ。非常におもしろいと思う。DJと民族楽器の共演なんて。 このIncubusのライヴは盛りだくさんだった。驚きと興奮がとまらなかった。きっとそれは私だけじゃないってこともライヴ後のIncubusグッズに並ぶお客さんの長蛇の列でわかった。汗だくのお兄さんの笑顔でもわかった。また近いうちにIncubusのライヴに行きたい。そしてまた"Drive"を大声で歌いたい。
report by eri and photo by saya38
*なお、写真は1日のものを使用しています。また、セット・リストに関してはこちらをチェックしてください。 |