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Circles ---ENCORE ---
I Miss You
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オーガニックな地球人バンド
会場はかなりの混雑。グッズ売り場も行列ができる程の大盛況。19時を10分程過ぎたところで客電が落ち、メンバー登場。物凄い歓声。ヘヴィ・ロック界きっての美形ヴォーカルとされているBrandon Boydが白シャツにネクタイ姿で現れると女の子達が悲鳴に近い叫び声をあげる。SUMMERSONICでは仮面ライダーのような腹筋を御披露していたが、今日はシャツ着用。 ちぇっ。 そういえば去年のSUMMERSONICで初めて見たBrandonの美麗ぶりに、私は思わずのけぞってしまった。だってアルバムには彼等の写真はナシ、そのかわりに何故かマリオヒゲのおぢが「チェキ!」ポーズで写ってるんですもの。最初はあのマリオヒゲのおぢが、あんな甘い歌声を出しているのか〜と妙に感心していたのだが、んなぁわけない。ただ、あまりに美形すぎて、残念ながらピンとこなかった。私はもっと漢臭い方が好きなのです。しかしながら、まわりの女の子はもちろん、会場で会った友人(♀)も目の周りにハートを飛び散らせている。もう大変です。まあ、気持ちはわかる。 1曲目"CIRCLES"のファンキーなリズムが会場を一気にヒートアップさせる。ナマで聞くとドラムとベースのリズム隊のなんと骨太なこと! SUMMERSONICのようなスタジアムでなく、これくらいのハコで聞くと、そのパンチの効いた音には驚かされる。これはハマる。そこへBrandonの甘い歌声が絡んでIncubus独特のヘヴィネスと切なさを合わせた世界は誰しも無視できないようなキャッチーさも持ち合わせている。しかもSUMMERSONICとは比べ物にならないくらい演奏が良い。それもそのはず、彼等はその後3ヶ月も連続してツアーしていたのだから、セットもより練られているのだろう。そういえば同時多発テロ後、まっ先にライブを行ったのも彼等だった。ただ、今日はBrandonのVocalが少し弱いようにも思えた。あの、伸びの良い、甘さと張りのあるvocalが今日はどことなく弱々しくも思えたが気のせいだろうか。その時、ふとBrandonの左腕がそで口から見えた。柄のあまりの大胆さとその色(赤!)「にSUMMERSONICでは「ペイントでもしたのだろう」と思っていた腕の模様はタトゥーだったのだ! しえーっ。(気付くの遅すぎ) Brandonと同じく体調不良の私は後ろでマターリと聴く予定だったのだが、"Nice To Know You"ではいてもたってもいられれなくなり人をかき分け前に進む。しかし、いけどもいけども...というくらい凄い人、人、人...。限界まで辿り着いてもまだ半分くらい。直前にビールで流し込んだ解熱剤が効いたのか(ホントはいけないんだけど)エンジンがかかってくる。オーディエンスもかなり暴走気味。BrandonのVoも徐々に艶が出てきた様にも感じる。会場全体に物凄いプラスのエネルギーが漲っている。 ライブ中盤、ギターのMikeとBrandonが椅子に座ってアコースティックナンバーを披露。今回驚いたのはオーディエンスがほとんどの歌のサビを歌っていること。最近合唱系バンドのライブに行って無かったからかもしれないが、これは久々の感動だった。Brandonがオーディエンスに「歌って」と言うとすぐさまオーディエンスからレスポンス。特に"Drive"は皆、歌う歌う。ヘタレな私は歌詞がわからず出だしだけを残して後はアウアウいってごまかしていたが、それでも気持ちよかった。あまりに直球勝負な、このアコースティックセットは『S.C.I.E.N.C.E』のようなグルーヴぐいぐいのアルバムの方が好きだった私としてはちょっと腰がひけていたのだが、何故かすうっと身体に入ってきて素直に感動。曲が終わると「Thank you so much! Beautiful Tokyo!」等とくり返すBrandon。いい子です。「アリガトウ」と日本語も沢山飛び出していた。 このアコースティックコーナーで聞き覚えのあるメロディ...と思ったら、なんとTLCの"No Scrub"を歌ってる! それも上手いんです〜〜。アコギとヴォーカルだけのTLC! イイ! オーディエンスも大ウケ。その後も「ライオネル・リッチーは?知ってる?」とアピールするもいかんせん客層がライオネル・リッチー世代ではないためリアクション薄め。「Weezerやれ〜!」と叫ぶ男も。(苦笑)私と友人は「ライオネル.リッチーやって〜〜!」と騒ぐ。歳バレバレ。TLCがアメリカでどのような位置付けにいるのか、ヒットチャートソングに疎い私はよく知らないのだが嫌いじゃない。彼女達はただ可愛いだけじゃなく、かといってアバズレった従来のロック・ビッチでもなく自然な女の子の姿を歌っていて(Unprettyとかね)同性として好感が持てる。Incubusのメンバーがそこまで考えているのかどうかは分からない。どちらかというとメロディが好きなだけ...という気もしないでもないが、まあTLCという意外性と個人的なささやかなリスペクトもあったので、何だかウキウキした気持ちになってしまった。彼等は今までのライヴで、Madonnaの"Like A Virgin"(驚)やJacson5なども演奏しているらしい...謎だ。 そんなナゴみと夢のような空間から一気に核爆ノリの"NEW SKIN"へ。シャツを脱ぎ捨てジャンベを腰にくくりつけるBrandonに思わず友人と目を見合わせ「脱いだ!」やはり、あの仮面ライダーのようなハラを見ないと〜〜。ピンとこないといいつつもBrndonのシルエットの美しさに思わず目で追ってしまう。本当に綺麗な身体を顔、そしてこの声と才能。神様はズルイ。キィ! しかし目の保養じゃ...。畳み掛けるようなリズムにスピード感ある力強い歌声がからみ合って脳みそからドーパミンがフル回転で生産される。いい気分です。インフルエンザで喉は痛い、頭は鈍痛だったのに我を忘れて飛び跳ね、騒いでしまう。後ろにいた男の子が感極まって「ギャーーーッ」と叫ぶ。叫ぶがよい! 雄叫ぶがよい! 彼等の音楽にはDJがスクラッチをかけたり、サンプリングしたり...と人工的な要素が沢山あるのだけど、決して冷たい技巧的な音にならず、血の通った温かさを感じさせる。ターンテーブルがバンドに入り込んだ形態など当たり前の昨今だが、これほど違和感を感じさせず溶け込んでいるターンテーブルも珍しいのではないだろうか。DJのKirmoreもとんがった感じはなくほんわかムード。そのせいもあるのか?ターンテーブルという形状と機能のせいで最初から偏見をもっているのはこちらのほうかもしれない。これだって使い方によっては純粋に楽器であるのだから。そして忘れてはいけないのがIncubusといえば民族楽器。彼等の不思議なカテゴライズされない魅力は、従来のロック楽器と、ターンテーブル、そして民族楽器を違和感なく自分達の音楽にとりこんでいるからだろう。機械を使いながらもオーガニックな地球人バンドの音...という感じ。 圧巻はアンコールにて披露したDIDJERIDOO(ディジリドゥ)。白蟻に中を食べられて空洞になったユーカリの木をアボリジニが楽器として使っていたもの。私の位置から細かいディティールは確認できなかったが、やはり白蟻サンにやられたとおぼしきボロボロの倒木に見えた。暖かくも密で包まれる様な骨太な音色が文句なく素晴らい。そしてこんな民族楽器が機械の音と違和感なく統合される様は圧巻である。最後はDIDJERIDOOに向かってBrandonが囁く。DIDJERIDOO内部に小さな囁き声が響いて美しい。この楽器は本当に不思議だ。こんな小さな声がDIDJERIDOOを通すと、まるでやわらかなコットンを一枚まとったような暖かい音色になり、儚いながらもしっかりとした音色に生まれ変わる。もう、これだけでごはん3杯はイケる。囁きフェチとしては思いっきり痺れさせていただいた。 沢山の音の要素を取り入れつつも、違和感なくまとめ独自のスタイルにしてゆく彼等の音楽は、もし私がバンドをやっていたら非常に影響されただろう。そして、私が感じた彼等の魅力はなんといっても「可能性」。ツアーで山程のライヴをこなし(日本の後はオーストラリア、ニュージーランドを廻り、その後本国アメリカでまたツアー)既に4枚のアルバムを発表し(しかもプラチナアルバムまで)独自のスタイルをかためつつも、いつもフレッシュ。まだまだ無限の未来が広がっているような、そんなポジティブな気持ちにさせてくれる。享楽的でもなく、かといってネガティブなヴァイブに汚染されていない、オーガニックな幸せを感じたライブだった。
report by mimi and photo by saya38 *なお、写真は3月1日のものを使用しています。 |