---BACK DROP BOMB---
---SHORT CIRCUIT--- ---CAPTAIN HEDGE HOG---
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右手に勇気、左手に元気
またまたいいバンドを見つけた!! たまたまCaptain Hedge Hogの新譜を視聴機で聴いて一気に気に入ってしまい、そのままCDを購入してしまった。そのCaptain Hedge Hogの約2ヶ月に渡るツアーも今日が最終日。しかも前座もこんなに豪華と大満足の夜だった。 Back Drop Bomb 会場が暗転し、どこかで聴いたことのあるHip Hopにあわせてメンバーが登場。場内はこれからメインか? という盛り上がりだった。このバンドについての知識は数回CDを聴いたことのある程度だったけど、目の前で展開されているメロディーのあるミクスチャー・ロックは音の重圧がとんでもなかった。二人のMCが同時に同じメロディーを歌ったり、時には少しずらして歌いながら客を煽る姿はアメリカのPublic Enemyを思い出させてくれた。そして彼らの音楽にはただのミクスチャー系のHip Hopの要素だけでなく、スケボーやスノーボードのようなスピード感や爽快感もある。多分彼らもそういうスポーツが好きなんじゃないかな。これぞ本当のスケボーキングかな、と思わせてくれるくらいライブ慣れしていて爽快なミクスチャーロックを見せてくれた。Back Drop Bombが終わってロビーに向かっている男の子がこんな事を言っていた。「これがオープニングアクトだよ?」 こんなに前座からみんな盛り上がってて大丈夫なのか?
Short Circuit 続いて登場したのはShort Circuitの3人。ボーカル兼ベースは一見Stereophonicsのボーカルに似ていて、歌い方までそっくりだった。ギターの方はというとRadioheadのギターJohnnyを思い出させてくれ、トリオバンドとは思えないくらいの厚みのあるギターを聞かせてくれた。このShort Circuitが演奏した中に"Walk Slowly"という曲がある。この曲はタイトルに反して軽快なスキップソング。なぜかこの時僕は昔リンドバーグのアルバム一曲目に収録されていた"赤い自転車"という曲を思い出していた。この"Walk Slowly"という曲を晴れの日に赤い自転車に乗りながら川沿いをサイクリングしながら聴いたらぴったりだろうなぁ。こういうストレートロックを演奏するバンドに曇りってないのかな。そう感じさせてくれるくらい、このバンドの音には希望とか光が満ち溢れていた。
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1. The Letter
Captain Hedge Hog 「シャイな目立ちたがり屋、Captain Hedge Hogです!!」という勢いあるボーカルの一言で、アルバム『DOLPHIN』の一曲目"LET'S LOCK"からこの日のライブは始まっ た。アルバムを聴いてもらえばわかるけど、Captain Hedge Hogの曲はとにかく速い、速い、速い!! もうThe Offspringどころかデスメタ顔負けのスピードで、一気にアルバム3曲目までを駆け抜ける。そのアルバムと同じ最初の3曲がこのライブでも最初に演奏された。2曲目"EXTRA"は最初はミッドテンポに始まるんだけど、そこから徐々に盛り上がっていき、その盛り上がり方はまるで車がハイウェイに入って徐々にスピードを上げていくかのよう。それからエモーショナルなギターが唸り始め、そこからは昔Def Leppardというイギリスのハードロックバンドが鳴らしていた懐かしいギターの音も聞こえてくる。 最初の3曲が終わり、ボーカルのMCが始まる。噂には聞いていたけど、このボーカルのMCがとにかく面白い! この時に話していたのはツアー先の松山で食べた「スッゴイボリューム」の串カツの話。このボーカルは言葉の言い方や仕草が面白いので文字だけではうまく表現できないけど、ここまでMCも面白いとライブも楽しめて一石二鳥の気分。しかも場内に笑いが起こればそれだけ会場の雰囲気も和むし、バンドと観客に一体感というか、バンドに対する親近感を感じることができた。さだまさしといいこのボーカルの渡辺といい、ここまでトークが面白いと得だよねぇ。さだまさしを真似してCaptain Hedge Hogもライブ中のトークだけを集めたアルバムを出しても絶対に売れると思うよ。 MCが終わって次の曲に入るときに、必ず「やっぱりこういう〜な時は、この曲だよね。」というとってつけたような紹介でまた会場に爆笑が起こり、次の曲に入る。ここで演奏されたのは"You can't feel the change of the season"はバラード調の曲。それでもバンドの演奏はスッゴイボリュームで、曲の終盤にはボーカルがギターソロを見せたりしていた。これから後3曲もアルバム『DOLPHIN』からの曲が続き、次にMCの後の4曲は昔のアルバムからの曲とわかりやすいセットでライブは進んでいった。 終盤14曲目に演奏された"SADS"という、いろいろな過去を振り返りながら前へ一歩一歩進んでいくようなエモーショナルなメロディーの曲。この曲を聴きながらさだまさしがコンサート中に言っていたこんな言葉を思い出していた。「人間は右手に勇気、左手に元気を持って生まれてきます。この二つの共通の性質はどちらも使えば使うだけ大きくなるという事。」この日は前にも書いたけどCaptain Hedge Hogにとってツアーの最終日。このツアーに限らずこのバンドはいろいろな「勇気」が必要だったり、こうやって演奏やMCでファンを楽しませる「元気」が必要だったんだろう。そしてその元気と勇気を積極的に使ってきたからこんなに大きく、そしてたくさんのファンから愛されるバンドに成長したんじゃないかな。どのバンドのライブに行ってもファンはみんなそのバンドが大好きだのは当たり前。でもこのCaptain Hedge Hogというバンドに対するファンの気持ちは特別強く僕には感じられた。最近、Green Dayやモンパチ、ゴイステやさだまさし、Weezer辺りの音楽が好きなあなた!! 今度機会があったらぜひこのCaptain Hedge Hogのライブに足を運んでみて! 絶対に気に入ると思うよ!
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1. LET'S LOCK ---encore---
19. ? (acoustic)
こんなに豪華なゲストと最高のCaptain Hedge Hogのライブで最高の夜となったんですが、実はこのレポートにこんなマヌケな裏話がありました。ハメられた。この日、入り口でもらったセットリストにはCaptain Hedge Hogに加え、前座のShort Circuitの演奏する曲も書かれていた。なんと親切な! と思いながら場内に入るとちょうど前座のバンドが始まった。このShort Circuitというバンドの曲はCaptain Hedge Hogとのスプリットシングルで2曲ほど聴いたことがあったけど、なんか様子がおかしい。そのシングルでは思いっきりストレートなロックだったのに、この時目の前で演奏されているのはボーカルが二人でSaxまで入ったミクスチャーロック。随分とそのシングルの頃からはバンドのスタイルが変わったんだなぁ、と思いながらいつもの様にレポート用のメモをとる。3曲目に聞いたことのある曲があった。ここでちょうど横にいた人から「この曲、なんて曲でしたっけ?」と聞かれた。セットリストを照らし合わせながら「Silent Emotionですよ。」って教えてあげたがなんか相手の様子がおかしい。「サイレント・エモーション? サ、サ、サ。あ、そういえばサーなんとかって曲だった気がします。ありがとうございました!」なんだか演奏曲数も少なく感じたけど、この前座バンドの演奏が終わった。短いセットチェンジの後、ついに待ってました! Captain Hedge Hogが登場! 最近僕はこのバンドがとても気に入っていて、ライブ前にアルバムを何回も何回も聴いて予習してきた。が、最初の3曲が終わっても知っている曲がない…。そしてこのボーカルの一言、「こんばんは! Short Circuitです!」…….は? 今なんて? え??? どういう事? あまりに動揺して頭の中にはピラミッドとスフィンクスの姿が思い描かれていた。このバンドがShort Circuitということは、前に演奏してたバンドは何? 動揺しながらもこのストレートでキャッチーなShort Circuitの演奏を楽しみ、次に今度こそ正真正銘のCaptain Hedge Hogが登場した。 今度は最初から知ってる曲のオンパレードだった。そして数曲演奏した後にボーカルが、「前座のShort Circuit、そしてシークレットで出てくれたBack Drop Bomb、ありがとう!」と。バック・ドロップ・ボム?? やられた!! Back Drop Bombといえばたまたまこの二日前に友達に薦められてこの日の昼間にCDを聞いていたバンドで、近々「ライブで」見たいなぁって思ってたバンド。しかもある別のイベントではトリとして登場し、その前座としてCaptain Hedge Hogが参加していた。本当に無知とは怖いものですね。 report by yohei and photo by saya38 |