Basement Jaxx at Zepp Tokyo(1st Feb '02)
 

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真冬の夜の夢

 

 今から3年前、グラストンベリーフェスティバルでのセカンドステージのトリとして始めて見たBASEMENT JAXXのライブは強烈だった! あんなくそ寒いグラストンベリーの夜に突然ステージ上でリオのカーニバルが始まるんだから。いきなりステージ上にカラフルな孔雀のような羽をつけたダンサー達が10人以上も現れてサンバを踊り始める姿は3年経った今でも強烈に覚えている。今回の日本ツアーではそこまでの大人数が同時に出てくることはなかったけど、それでも一曲ごとにいろんな仕掛けが用意されていた。真冬のこの時期にこの日のZepp Tokyoはヨーロッパに住むレーヴ好きなら誰もが行ったことがある、もしくは憧れるイビザ島の真夏のビーチにいるような、そんな暑い一夜になった。

 BASEMENT JAXXの音楽はよくイギリスのメディアにブーツィー(Booty)・ミュージックと表現される。そう、ブーツィーといえば知る人ぞ知るPファンクの一員、Booty Collinsが思い出される。このBooty Collinsをファンク界の宇宙の神様ジョージ・クリントンをライブで見た時、どういうわけかおしめをはいて上半身裸で登場した。思わずなんで? と突っ込みたくなるくらいインパクトがあってあほらしくて、でもめちゃめちゃグルーヴィーでファンキーなBooty Collins。そんな彼の予想もつかないインパクトさをBASEMENT JAXXのライブを見ながら思い出していた。もう、本当に次に何が出てくるのか、楽しくて仕方がない。

 イントロでメンバーが登場して始まった"LATIN BEATS"という曲ではアフリカの民族衣装を着たダンサーが、バレイともアフリカン・ダンスとも言えるダンスで客を煽る! あおる! 煽る!! このダンサーがクルクル回るのに目を回していると、続いていきなり反則の大ヒット曲"Romeo"!! 今度はかなりボリュームのあるおばちゃん、というかお姉さんがボーカルで登場し、これまた観客を煽りに煽ってフロアは一気に最初のピークを迎えた。ステージの後ろにある映像では夕焼けのチャペルのテラスみたいな所で男女二人がキスするシーンが流れ、もう自分がどこにいるのかわからなくなってしまった。ここは10年前の日本の初島か、タイの無人島か、それともイビザ島か。そんな錯覚に襲われながらひたすら無心に踊り続けていたら4曲目にして早くも登場したのが"RED ALERT"!!

 この"RED ALERT"といえば1999年の夏に世界中のクラブ&レーヴカルチャーをこの1曲で象徴できるくらい爆発的に大ヒットした曲。あまりにこの曲がアーティストから一人歩きして大ヒットしていたため、すっかりこの曲がBASEMENT JAXXの曲だということを忘れていた。当時僕が住んでいたイギリスでも一日にこの曲を聞かない日はなかった。クラブや野外レーヴではもちろんのこと、テレビやラジオ、レコード屋や洋服屋など、いたるところでこの曲が流れていた。そんなその年の夏のアンセムとなっていた曲をこうやってこの曲を作った本人たちによるライブで聞けるなんて!! その時確信した。ここはお台場でも東京でも日本でもなく、真夏のイビザ島にいるんだってことを!! あーーあ、これだからダンスミュージックってやめられない。もう頭をぐしゃぐしゃにされて、何時間にもわたって朝までへとへとになるくらいまで踊らされて、それでも朝にはすっきり気持ちよく家に帰って、今度はぐっすり寝れるんだから。凄い娯楽を考えたもんだよ、人間は。

 "RED ALERT"が終わると今度はEminemが(声で)登場し("MY NAME IS...")、"GET ME OFF"と続いて、今クラブシーンで大ヒットしているという"WHERES YOUR HEAD AT?"へ。僕の頭がどこにあるかって? 多分今は首から離れて別の場所にあると思うよ。さっきまで機械に囲まれていたBASEMENT JAXXの一人が今度はマイクを持ってステージ前方に登場し、ひたすら頭を指差しながら"here's your head at?"と繰り返していた。そんなに何回も同じ事聞かれたって、誰も自分の頭がどこにあるかなんてわかってないと思うよ。それくらいにみんな踊り狂っていた。いつの間にか身動きがとれないくらい周りに人がいたけど、それでもみんな踊り狂っていた。踊り狂っていたというより踊らされていたと言う方がこの場合正しいかな。

 アンコールの1曲目"SAMBA MAGIC"でついに登場したサンバダンサー!! 今回は一人しか登場しなかったけど、このステージで見るにはボリューム十分! 今回はグラストンベリーの時のように「なんで?」という突っ込みは起こらず、逆に「なんで真冬のお台場にサンバダンサーがおかしいの?」って思ってしまった。もうこの時には普通に思考回路が働かなくなってたんだろうな。最後の"BINGO BANGO"では今まで一人か二人づつ出てきたボーカルやダンサーが全員ステージ上に登場し、それに加えて観客から4、5人ステージに上がってみんなで客を煽っていた。この時にはついに地面が揺れてたよ。こうして真冬の夜の夢から目が覚めてしまった。まさに長い夢を実は一瞬で見ているという事と同じように、あっという間の1時間半だった。今度の5月にイギリスであるHomelandsというダンスフェスティバルのトリにこのBASEMENT JAXXが決定している。どうせ夢なんだしこの為にイギリスまで行ってもいいかなと、半分冗談、半分夢のようなことを考えながらこの日は家路についた。

report by yohei and photo by nishioka


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