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彼らはまんべんの笑顔で登場した。ここにいる人たちとSmashにすごく感謝している、とも言っていた。本当に日本でプレイできることを嬉しそうに。彼らはマンチェ出身だっけ? さだかではないが、その酒好きとサッカー好きをステージ上でアピールしまくるところからはイギリス北部のにおいがした。ベースの彼はサッカー好きを物語るような、そしてまた日本好きを物語るように日本代表のサッカーユニフォームを着て登場。背番号10番って誰だっけ? そんな考え事をしながらライヴは始まった。 1曲目は"100 MILE HIGH CITY"。いきなりのヒット曲に客も喜び、手を叩く。跳ねる。横に揺れる。歌う。2曲目以降もどれも耳にしたことのあるグルーヴィーな王道 ロック。初めてOCSを見た時の印象もそうだった。それは2年前のFuji Rockで。自分の中では、OCSはあまり知らない、という感じだったのだが、演奏する曲どれも知っている曲。鼻歌でなら歌えるぞ、ぐらいの勢いで自分の中にしみこんでいたのにびっくりした。ヒット曲多いんだな、と再認識したが、それ以上に、自分の無意識の間に彼らの音楽が自分の中にしみこんでいた、という事実に正直驚いた。 ベースの彼は1曲1曲終わるごとにお辞儀をする。実に礼儀正しい奴だ。演奏中も客ひとりひとりの顔を見つめて笑顔をつくる。まるでNHKの歌のお兄さんみたいな顔をする。イギリス人には本当にめずらしいほど愛想がいい。日本人でも今どきいない。曲の合間にはManiのごとくにマイクを奪い、覚えたての日本語を披露する。ステージ上でのメンバーは常にリラックスムード。みんな笑顔が絶えないし、ジョークも飛び出す。 そして彼らは"平和の歌"を演奏しはじめた。その歌詞が自分の中に刻まれてゆく。そして鳥肌がたちそうになる。客を見るとみんな大きな口を開けてその言葉を叫んでいる。"We don't want to fight, no more"。ヴォーカルのSimonは間奏中、マイクを通さず、客に向かって何かを叫んでいた。それは何だか聞き取れなかったが、彼の言おうとしていたことは何となく理解できた気がした。たぶん、あの場にいた人はみんなその空気を感じ取れていただろう。英語の歌詞がわかんなくったって、その言葉が聞き取れなくったって。そしてみんなが望んでいることは同じだっただろう。 会場は手拍子がおさまることがなかった。Simonがひたすら客に指示するのは、それはフラメンコ? 細かく刻まれた手拍子が客の中から生まれる。その手拍子の音に負けないぐらいの大合唱も聞こえる。 "Get Away"だったかな? アンコール前に演奏した曲。これはすごかった。ソウルともロックともつかない音を生み出すグルーヴ感。ローリングストーンズがかつて生み出したものと一緒だ。なんてダイナミックなサウンドなんだろう。Simonだってミックを思い起こさせた。ある曲の時はジョンレノンを連想させたし…ルックスはまるっきりポールウェラーだったけど。 ソウルフルでピースフルな空気が会場を最後まで暖めていた。そして私も暖められていた。心の奥まで。 ---setlist---
100mile high sicty report by eri and photo by hanasan |