Money Mark at Shibuya On Air East(28th January '02)
 

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♪素敵なヘンなおじさん♪

 

 Money Markバンザイ!マンセー!
 Mark初体験の私は彼の事前情報があまりない状態でライブを見るという、ちょっとした実験をしてみました。BeastyBoysという名前があまりにBIGすぎて、そのイメージに振り回されたくなかったのです。

 彼について知っていることといえば「BeastyBoysの裏番長」「不思議ちゃん」「元大工さん」という、音楽的には全く役にたたないものばかり。なので、てっきりディーヴォヅラを被った変態サンが出てくるのかと妄想を抱いていたのですが、ステージにあらわれた彼は結構地味。伸ばしっぱなしのミディアムレイヤーのヘアスタイルによれっとしたシャツ、ダボついたジーンズ。ラフで飾り気がないといえば聞こえはいいが「ダサい」と言われてしまえばそれまで、のパンピー臭ムンムンのいでたち。一瞬、私は会場を間違えたのかと思ってしまった。

 Opening actのDJ KIdKoala(彼のDJのスクラッチは素敵!途中Tears for FearsのShoutをかけて客を凍らせる一幕もアリ)からそのままMoneyMarkステージに流れ込む。

 Markがおもむろにパーカッションの上に小さなアンプを置く。持っていたボイスチェンジマイクをアンプに近付けたり遠ざけたりしてノイズやヒュルヒュルした音を出して楽しんでいる。それが結構長い。かなり、長い。正直、音よりも安定の悪いアンプがいつ落ちるか心配になってしょうがない。こんなんでいいのかMoneyMark。

 ヒュルヒュルとユルすぎるテンションが会場中を埋める中、私はもはや睡魔の虜。ぼーっとしているとMarkがスタッフに「パーカスどけて」と指示。そこからが凄い! 一気に目がさめる。彼のバンドサウンドがめくるめく展開をはじめたのである。花開くというのはこういうことなのでしょうか。サックスやトランペットも登場して、私としては正直苦手な分野なのだが何故かぐぐっと引き込まれてしまう、メランコリーでナチュラルなエモーション。びりびりと肌に伝わってくる。これを快感といわずして何をそう言うのか。
 なんとも不思議で素敵な人である。そして、なんとも不思議なシアワセ感をくれる音楽を奏でる人である。断言する。彼は絶対にイイ人。ハッキリ言って結婚したいくらい好きになりました。

(Money Markの本名はMark Ramos Nishitaという。そう、その名のとおり日本人の血が流れている。当方、日本食つくれる独身・日本人♀。いかがでしょうか?

 めちゃめちゃポップで、ソウルフルでファンキーで、どこか懐かしい感じがするけどとても新鮮で誰にも似ていない、不思議にハッピーなステージ。狂乱の80'sを経て90年代初期、BeckやBeastyBoysがシーンを熱くさせていた幸せな頃を思い出してしまった。車とオネーチャンのことばかりじゃない歌がシーンの中心に飛び出していた、ある意味特別な時期。今、渋谷では、中世ヨーロッパでのペストのごとく流行り伝染しつくした厚底ギャルはほとんど見受けられない。菌が絶えたのか、苦しいウォーキングの反動なのか、皆ペタンコなローファーやミュールのギャルばかりである。私はギャル・ウヲッチャーなのでちと淋しい気持ちもするのだが、当のギャル達はあれだけお世話になった厚底にアッサリと別れを告げ、新しい世界へ突進しへじめたようだ。噂によると、ある地域では厚底ブーツを上手に普通程度のヒールにお直ししてくれる靴屋まであらわれ繁盛しているという。(ソース:トゥナイト2より)ファッションの厚底が鮮やかに終演を迎えた今、音楽の厚底時代はどうなるのだろう。ペタンコへの揺り戻しは来るのだろうか。

 Markの、心がほっとするようなアナログシンセの音色を聞いているとそんなことを考えてしまう。かといって、ただの癒しで終わらないところがMarkの凄いところ。心の琴線にビビビと触れ「夫にしたい男NO1!」と乙女魂が高らかにファンファーレを告げる要はコレであった。

 「次の曲はALL the Peopleです」

 歌い出したMarkのソウルフルで甘い歌声。.................頭のテッペンから爪先まで痺れる。この時点で結婚したい指数70%に。まだまだ上がりそう。歌うの?という事実に、かなり驚いたがライブが進むうちにそれが自然な形なのだと納得。バンド形式でのMarkは、まるで安心できるメンバーと共に人生と芸術を謳歌している子供のように私のハート型の目に飛び込んでくる。Markにとって音楽とは生活の中の様々な音楽であり、自然が奏でる様々な音やノイズであり、ラヴであり、全てなのだろう。ああ、ラヴ。

 誰にも似てなくて、何にも媚びていなくて、それでいてユーモアのセンスを忘れず、ポップスやジャズ、ソウル、ファンクといった音楽は芸術であり、芸術というものがどれだけ人の心を揺さぶり震わせるものなのか、ということを改めて思い起こさせてくれるような音楽。これだけ世界がややこしい時代なのに、妙なシアワセ感を与えてくれる音楽って貴重だワ。

 さっきまでしつこい程ブビブビ鳴らしていた、Markのボイスチェンジマイクから聞き慣れたメロディが。ウ.エ.ヲ.ム.ゥ〜イ.テ♪ア〜ル.コ.ォオオ〜♪スキヤキである。おちゃめさん。この時点でワタシの結婚したい指数は90%までハネ上がる。オヤジ嫌い返上。ダサい境界線スレスレのスタイルもなんとも素朴で温かみのあるファッションに見えてくるから不思議。もはやラヴの奴隷状態である。

「ちょっとソレ貸して」とバンドメンバーからトランペットを拝借。どこからか色とりどりの風船が取り出され、そのうちの一つを膨らます。そしてナント、トランペットの口に被せて風船から出される空気でペットを吹くという荒業。ななななな、なんて可愛いのっ!結婚したい指数99%まで急上昇!こんなに簡単にヤられていいのか?!と思いつつも、もう目が離せない。会場も大盛り上がり。

 あっと言う間の1時間チョイ。まだまだ聞きたいのに、Markあっさりと「オヤスミッ」と退場。当然お客はアンコール要求の嵐.....がはじまると、Markったらあっという間にステージに返り咲き。落ち着きがないといも言える。だが、そこがラヴ。そしてドラムを叩きはじめるMarkについに結婚したい指数100%に到達。

 multi-instrumental playerなのネ!アナログシンセの温かくもフレッシュな音色、ソウルフルなギター、そしておもちゃをまき散らすようなドラミングでチャーミング炸裂。会場中を妙な幸せ感で埋めつくし、今度こそ、ホントに「Good night!」とMark退場。しかし、幸福に酔いしれたオーディエンスはいつまでも拍手をやめないのでした....ああ、ラヴ。

report by mimi and photo by nishioka


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