Blonde Redhead at Aoyama CAY (27th January '02)
with bloodthirsty butchers and Melt-Banana
 

---bloodthirsty butchers---

bloodthirsty butchers bloodthirsty butchers bloodthirsty butchers ---Melt-Banana---

Melt-Banana Melt-Banana

---Blonde Redhead---

Blonde Redhead Blonde Redhead Blonde Redhead Blonde Redhead

 

感動、そして物販に走る
 

 今日のライブはなんと豪華三本立て。メインであるブロンド・レッドヘッドの前に、ブラッド・サースティー・ブッチャ―ズとメルト・バナナがゲストとして登場するのだ。こういう形式のライブの場合は、メインの登場時間に合わせて徐々に客が集まってくるのが普通だけれど、今日は一組目が登場する前から会場はかなりの盛況具合だった。おかげで、長丁場なのでと後ろの方で余裕持って待っていたら、段々ステージが見えなくなっていく...。う〜ん、失敗した。と、そこに追い討ちをかけるように、私の目の前を背の高い外人さんグループが占領していくじゃないか!おいおい。どうにかステージが見やすい場所を確保しようと右往左往してみたものの、時すでに遅し。まず最初のゲスト、メルト・バナナがステージに姿を現わした。

 彼らは男性二人(G、Dr)と女性二人(Vo、B)で構成される四人組バンド。サウンドは激しく、BPM速めの曲が多い、一言で言えばハードコア風か。ボーカルはメロディーを歌っているというよりも、同じフレーズを何度も繰り返していく人力ループ・スタイルで、リズム重視。破裂音が多い歌詞もボーカルをリズミカルにするのに一役買っている。そして、リズム隊とボーカルがリズムを刻む上を、きゅいんきゅいん、という金属的な音や、きゅわんきゅわん、といったスペーシーな音や、ぎゅいんぎゅいん、といった電動ノコギリのような音を出して駆け巡っていく七変化のギターが面白い。どんな風に音を出しているのか確認したかったのだけど、何せ胸から下が見えないほどの盛況ぶりだったもので...。でも、一発目から十分楽しませてもらった。

 次に登場したのはブラッド・サースティー・ブッチャ―ズ。このバンド、名前は聴いたことがあるけれど、曲を聴くのは今回がはじめて。メンバーは男性三人で、ベース、ドラム、そしてギター&ボーカルというシンプルな編成のスリーピース・バンドだ。

 それにしても、ブラッド・サースティー・ブッチャ―ズとは恐ろしい名前だ。だって、血に飢えた肉屋だよ。これは相当ヘビーなロックで来るぞ、と身構えていたら、以外にも一曲目は静かな始まりを見せるインスト・ナンバー。拍子抜けと言えば拍子抜けだったけれど、実はこのインストが拍子抜けしてる暇もないほど凄かったのだ。

 しかし、凄いと言っても、これと言った派手さがある曲ではない。ドラムが刻むビートはいたってシンプル。ベースもただリフを繰り返すだけだし、ギターだってさっきのメルトバナナみたいに珍しい音を出しているわけではない。本当にストレートなロック・インスト。でも、このインストは、「あっ、これがブラッド・サースティー・ブッチャ―ズなんだ!」と、一分聴いただけで聴き手にわからせてしまうような、それくらい明確な世界観を感じさせるサウンドだ。そして、その世界観を表現するために黙々と演奏し続ける姿からは、どこか求道的な感じさえも漂ってくる。まるで、いい音楽を創り出すために身も心も奉げてる、といったような感じで。

 三曲目以降、ボーカル主体の楽曲が中心になると、少しパンクっぽいニュアンスも出てきて雰囲気が変わってくるけれど、サウンドの凄さには微塵の変化もない。ゲストで短いステージだったのが残念なくらい白熱したステージだった。今度は是非フルサイズで見たいバンドだ。

 さあ、そしてとうとうブロンド・レッドヘッドの登場だ。このバンドは、ミラノ出身の双子であるアメデオとシモーネ(片方がDr担当)、そして京都出身のカズを中心にニューヨークで結成されたという何ともユニークなバンド。しかも、ベーシストが脱退してからはベースレス・トリオとして活動を続けているという。ニューヨーク、ベースレス・トリオと聞くと、私なんかはジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョン辺りの爆裂ブルーズ・ロックを想像してしまうけれど、さて、どうなのだろうか。

 一曲目が始まる。ああ、これはニューヨークと言っても、ジョンスぺの方ではなくて、テレビジョンとかヴェルベッツの方だ。シンプルでスカスカした音像だけれど、一音一音がじっくり考えて奏でられているような繊細な音楽。暗く切ないサウンドと、それを救うかのような完璧なまでに美しいメロディー。

 そして、その美しいメロディーはフロントの二人が交互に歌っている。特にカズのボーカルのインパクトが強い(もう一人の方も滑らかな美声でよかった)。緊張感みなぎるサウンドの上を、漂うような声がフラフラと浮遊する様子は全く目を離すことができない。特に前半に集められた静かな曲を聴いているときは、本当に手に汗握ってしまうくらいの緊張感だった。

 でも、この緊張感のうち1%くらいは、「今日、お母さん来てんねん。」というカズの緊張からかもしれない。いや、さすがにそれはないかな。でも、とにかく、このいきなりの関西弁MCが、場を幾らか「なごみ」ムードにしたのは確かだ。そして、ちょうどこの辺りからは、四つ打ちリズムの少し軽めの曲や(本当に少しだったけど)、ハードなギターのロック的ダイナミズム満開の曲など、前半からは予想できないくらいバリエーション豊かな曲を披露してくれた。

 しかし、どんな曲をやっても徹底してメロディーが美しいのには参った!こんなメロディー・メーカーは、美メロが信条のUKギターバンドにもなかなかいない。カズがハンドマイク片手に歌ったアンコール二曲も、やはりメロディーが美しかったし。一見、サウンド重視なタイプのバンドなのにこれは珍しい。いや、でも逆にメロディーがしっかりしているからこれだけバリエーション豊かなサウンドで自由に遊べるのか。

 いやあ、このバンド、私、完全にハマりました。始めて物販でCD買ったし(笑)。ゲストも合わせて三時間半、素敵な出会いの連続でお腹いっぱいのライブだった。

report by dak and photo by saya38


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