OCEAN COLOUR SCENE at オンエア大阪(2002年1月25日)
鳴らせ、王道ロック!
今日は絶対に最前で見ると決めていた。何たってデビュー10周年にしてリリースされたベスト盤のタイトルが「SONGS FOR THE FRONT ROW」最前列の君達へ――。こっちもファン歴10年、気合いも入るってもんだ。
オープニングは"HUNDRED MILE HIGH CITY"。ヴォーカルとギターのサイモンを中心に左にギターのスティーヴ、右にベースのデーモン。そして後方にドラムのオスカー。昨夏のサマソニ以来の再会だ。突っ走るビートの中、うう、早くも後方からの強烈な押しに負けそうだ。目の前のスティーヴのホイッスルがさらに煽る。
「コンバンワ、オオサカ、オゲンキデスカ?」の挨拶の後は、これもあった、それもあったと歌いまくりで曲が進む。スタカンを思わせる"UP ON THE DOWNSIDE"やスティーヴ・ウィンウッドばりの歌が爽やかな"IN MY FIELD"など、最新作『メカニカル・ワンダー』からのナンバーもしっかり新しいアンセムだ。決して爆発的ヒットじゃなく、今までのアルバム中、カッコいい!と聴いてきた曲がアコギ/エレキを問わず並ぶだけ。なのに、とてつもなく贅沢な気分にさせてくれる。4人に加えて開演前までギターのチューニングをしていた巨漢ローディー君もサポートにまわり、ギターにキーボードにと大活躍だ。曲間のチューニングの合間も客席から4人それぞれの名前を叫び続ける声が絶えず、メンバーもまたカンパイなんて愛想よく応えてくれるので何ともいいムード。
サイモンがアコギで頭の1コードをかき鳴らしただけで大歓声なのは"PROFIT IN PEACE"。もう闘いたくないんだ。だが闘わねば―――。そんな闘いの歌でさえ、怒りではなく皆で一緒に拳を振上げて叫ぶのがうれしい。オスカーがドラム・セットからステージ右端のコンガヘと出てくると、しばらくはアコギ/カントリー・セット。新世代UKモッズの名盤として大ブレイクした『モーズリー・ショールズ』以後、アルバムごとに骨太モッズ・ナンバーのみならず、アコースティック・ナンバーとのバランスを絶妙な形で保ってきた彼らだが、それもまた爽やかな風となって汗だくの身を癒してくれる。そしてハードなリフと、手拍子連打が響くと、再びロック・モードの"JULY"だ。"BETTER DAY"では、スティーヴがギターを抱えたままキーボードに向かい、コーラスもつけてと大忙し。
アコギながら、ちょっとT・レックスの"METAL GURU"みたいな新曲"CRAZY LOWDOWN WAYS"も交えた後は、待ってました!オ〜オ・ラ〜ラ!の大合唱も最高潮、"THE DAY WE CAUGHT THE TRAIN"。ああ、やっぱりこれはいつどこで聴いても燃えるよ。続く"GET AWAY"ではサイモンがハープを大熱演で本編終了。
アンコールはまずサイモン一人がアコギを抱えて再登場。「サマソニのマリリン・マンソン見た?」なんておしゃべりに笑いが起こる。続いて先のベスト盤にも入っていた夏の思い出ソング"ROBIN HOOD"。あらら、オアシスの"LIVE FOREVER"なんか盛り込んじゃって! 当然の大歓声の後、残りの3人も加わりさらに曲が進む。そして来た、来たっ!あの変則リズムのイントロに手拍子が。お待ちかねのラスト"THE RIVERBOAT SONG"で大満足のエンディングとなった。
デビュー10周年。不動のメンバーでひたすら自分達の王道ロックを鳴らし続けたOCS――なんてまとめる事はたやすい。しかし、実際にその熱気あふれる「歴史歌巻」を体感した2時間足らずの間、私はそんな言葉ではとうてい表現しきれないほど彼らの音の豊かさに酔いしれた。特にカリスマ的スターがいるわけでも、超絶ギタリストがいるわけでもない。他に何を武器にするでもなく、まっすぐな歌の力のみでここまで揺るぎないロックを築いた底力。初来日から追い続けてきた彼らだが、それがこんなに幸福に思えたのは初めてだ。ありがとうOCS! この先もずっと一緒に歌い続けるよ。そう、思いきり大きな声でオ〜オ・ラ〜ラ!
--- SET LIST ---
1.HUNDRED MILE HIGH CITY
2.THE CIRCLE
3.UP ON THE DOWNSIDE
4.IN MY FIELD
5.PROFIT IN PEACE
6.TRAVELLERS TUNE 7.MECHANICAL WONDER 8.FOXY'S FOLK FACED
9.STEP BY STEP 10.SOMETHING FOR ME
11.BESIDES YOURSELF 12.JULY 13.BETTER DAY 14.BIGGEST THING 15.ONE FOR THE ROAD 16.CRAZY LOWDOWN WAYS 17.THE DAY WE CAUGHT THE TRAIN 18.GET AWAY
--- ENCORE ---
19.ROBIN HOOD 20.I WANNA STAY ALIVE WITH YOU 21.GET BLOWN AWAY 22.THE RIVERBOAT SONG
report by ikuyo.
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