Stereophonics at 大阪マザーホール(2002年1月15日)
心意気に惚れ直したぜ!
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ああ、間違いない。本当にステレオフォニックスがやってるんだ!
客電が落ち、歓声と共に皆が前に殺到すると、あっという間にステージが見えなくなる。それでもあの独特の枯れた声が響きわたり、黒山の隙間から黒いシャツでアコギを抱えたケリーのぶっとい眉をかいま見た瞬間、それだけでもう胸がいっぱいになってしまった。昨夏のフジ以来ほぼ半年ぶりの来日ながら、今日ここで予定通りに彼らのライヴを見れることがとてつもない幸運に思えてくる。
何故なら、初日の名古屋ではドラムのスチュアートが来日出来ず、急遽アコースティック・セットに変更されていたからだ。フォニックスのライヴと言えば、何たって"LOCAL BOY IN THE PHOTOGRAPH"を始めとするモッシュ&大合唱。それが全編アコギなんてどうなるの――? いや、アメリカではケリー1人のアコギ・ライヴ・ツアーもやっていたし、アコギな最新作のツアーである事を思えば、むしろめったにないチャンスかも。
しかし、あれこれ思いながら会場入りすると、またもや事態は一転。貼り紙には「代役ドラマーにオーウェン・ホプキンを迎え通常どおり行ないます」とある。名古屋におとつい居なかったドラマーが大阪で? オーウェンって誰?
午後7時を過ぎたところで、BGMがニール・ヤングの"COUNTRY HOME"に。やっぱりとニンマリしたところでメンバー登場だ。オープニングは、テクノ風リミックスからどっしりとしたテンポの"MR. WRITER"。今までのパワフルな彼らからすると、少々意外な感じだが、ニール親父の名曲"孤独の旅路"を彷彿とさせるアコギ・ナンバーも、今夜は妙に心にしみる。かと思えば一転、ツェッペリン風にヘヴィなギターが唸る"VEGAS TWO TIMES"に。そして3曲目に早くも大合唱の"A THOUSAND TREES"を挿んでさらに大暴れの"THE BARTENDER AND THE THIEF"へと、まさに緩急自在の名曲連打。サポートのギタリストとキーボードを加えての5人が繰り出す音は、いつものフォニックスという三角形の一辺が欠けているなんて、とても思えない。
アコギのケリーとワン、トゥと皆で一緒にカウントして始まった"I WOULDN'T BELIEVE YOUR RADIO"に続いて「サンフランシスコのタクシー・ドライバーの話だよ」と紹介した"HAVE A NICE DAY"。♪パッパラッパラッパッパラ〜ラ の大合唱に参加しつつ、とっても幸せな気分になる。ああ、フジでもどこでもこの曲はほんとに「なごみ」のアンセムだ。"STEP ON MYOLD SIZE NINES"では、ステージ前の人間は誰も持っていないのに、ハープの音がいい味で響いてきて、思わずキョロキョロ。アンプの陰で姿は見えないキーボードの彼だったのか。そんなおとなしめの曲の合間も、外人客の悲鳴に近い歓声が絶えず、その様子にヘッヘ〜イ!と笑うケリーもゴキゲンだ。
「オリジナルは75年にロッド・スチュワートがやってた曲だよ」と始まったのは、
"HANDBAGS AND GLADRAGS"。元々とてもよく似た声だけど、こうやって改めて生で聴くと、枯れ具合から歌い上げ方まで本当にロッドになりきりの渋さだ。う〜ん、同じカバーならニール親父の"孤独の旅路"も聞きたいよと思うところを一転して、ヘヴィなギターのリフを合図に大暴れと化した"ROLL UP AND SHINE"へ。そして、「ローカル・ボーイ」の誇りあるデビュー・シングル、"LOCAL BOY IN THE PHOTOGRAPH"であっという間に本編最後の大暴れだ。いやあ、何とメリハリの効いた濃い時間だったことか!
アンコール"EVERYDAY I THINK OF MONEY"でちょっとシリアス・ムードになったところで、ようやくケリーがピンチ・ヒッターのオーウェンを紹介。今日は僕らのドラマーはまだ病院にいて、友達のオーウェンがはるばる日本に来る間バンドのCDを全部聴いてやって来てくれたんだ――と説明。そのとたんに飛び交うサンキューの声また声。そうだよ。あなたが飛んで来てくれなかったら、こんなにライヴを楽しむなんて出来なかった。本当にありがとうね。
ひとつ間違えば中止もやむを得ない状況下で、何としても自分達の音を届けようとしてくれたステレオフォニックス。その心意気にあらためて惚れなおした夜、それは、これまで見て来た彼らのどのライヴよりも鮮やかな確信へと変わった。そう、たとえこの先何が起ころうと、フォニックスの「うた」は決して揺らぐことなく響き続ける。
--SET LIST--
1.MR. WRITER
2.VEGAS TWO TIMES 3.A THOUSAND TREES 4.THE BARTENDER AND THE THIEF 5.HURRY UP AND WAIT 6.I WOULDN'T BELIEVE YOUR RADIO 7.HAVE A NICE DAY 8.NICE TO BE OUT 9.JUST LOOKING 10.T-SHIRT SUNTAN 11.WATCH THEM FLY SUNDAYS 12.STEP ON MY OLD SIZE NINES 13.HANDBAGS AND GLADRAGS 14.ROLL UP AND SHINE 15.NOT UP TO YOU 16.LOCAL BOY IN THE PHOTOGRAPH
--ENCORE--
17.EVERYDAY I THINK OF MONEY 18.ROOFTOP
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report by ikuyo and photo by mari
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