Vincent Gallo at オーチャードホール(2001年12月25日)
静か、静かに「メリー・クリスマス」

 静か、静か、演奏中なのに、なんて静かなの。隣のおじさんの鼻息の方が大きな音のように聞こえたし、お腹でも鳴ったりしたらひどく目立つだろうし、ハイヒールで歩く音がひとつの音として交わって聞こえてしまうほど。

 それもそのはず、大きなステージの中央にポツンと置かれたツリーと雪だるま人形、ヴィンセント・ギャロがオルガンとギターを弾き、背の高い男の人がギターを弾き、女性がドラムを叩くだけの音の少ない構成。でもシンプルだからこそ、カットソーに白いスーツを着たギャロ様が映える、映える。

 "バッファロー69'"で一躍有名になり、女性の心を掴んだ彼が目の前にいるとあって、叫ぶ女性の声が右から左からも聞こえてくる。私には映画で観る彼の方がずっとカリスマ性があり、存在感が大きく感じるんだけどなぁ。

 その頃から映画の監督をしたり、その映画の音楽を作ったりして多才と言われていたけど、オルガンを弾き、歌い、ギター弾いたり... またこのギターの弾き方がおもしろくて、一曲丸々床に座って弾いちゃったりしてて、そんな人初めて見たし、なんだか家で演奏を聴いてるみたいな感じがしたし、普段のまんまって気がした。

 「SMILY〜」とか「HONEY〜」とか甘い高い声で歌われると、温かい気持ちになり、音もゆったりしてるから子守り歌になりそう。いや... 実際なった人が多いはず。それにしても静か。ドラムはいるんだけど、スティックの代わりにフライがえしのようなものを使ったり、鉄琴の音が交ざっているので、音は優しいし、ギターの音も歌の付け足しのようなものであって、その場で曲を作って演奏しているみたい。オルガンの音は笛の音のように聴こえ、オリエンタルな雰囲気も漂う。音が不規則で、バラバラで、音に流れなんてないし、ジャンルなんてなんだかさっぱりわかんないけど、好きなように、やりたいことをとことんやってる、その姿が好きだ。

 病気で悲しいと言っていた愛犬の曲「MY BEAUTIFUL WHITE DOG」(きっとそのまんま)を歌ったり、どう考えても彼の家にお邪魔しましたって感じで長かったような短かったような時間が過ぎた。

 アンコールをしているといきなり、冬なのにキラキラしたベアートップにパンツ姿(下着)の女性が現れ、何するの〜? っと思ってたら、ツリーの横にあった台に座り台ごと回り始めた。これは何のため? その女性がはいていたパンツはツアーグッズだったから宣伝か?? (さすがにグッズも一味違う!)それとも...って考えてたら、演奏終わってるじゃん。

 もう一回アンコールで3人登場。あぁよかった。雪が降る演出で、今一番いい時なんだろうけど、その回ってる女性が気になって、この発想も多才のうちかしら?
 なんだか不思議なライブだった。クリスマスにライブなの? と言われつつ、ヴィンセント・ギャロと2時間過ごし、「メリークリスマス」と言われ(みんなにね)、貴重なクリスマスになった。

-setlist--

01.PARIS HILTON
02.SO SAD
03.LAURA
04.MY BEAUTIFUL WHITE DOG
05.WAS
06.TERESA
07.LADENCE AND CASCADE
08.APPLE GIRL
09.WHEN
10.TASTE OF HONEY
11.LONELY BOY
12.YES, I'm LONELY
13.PICTURE OF HER
14.HONEY BUNNY

report by aya.


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