sherbets at 新宿リキッドルーム(2001年12月13日)
 

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 私はこの日のライヴを見るまで、ブランキーとAjicoでのベンジーしか知らなかった。Sherbetsでの活動を知ってはいたものの、音をちゃんと聴いたことはなかった。だから「Sherbetsのベンジー」はどういうものなのかすごく興味があった。そして彼をナマで見、聴くのがとても楽しみだった。私はブランキーに関してもAjicoに関してもライヴに行く機会を見逃してしまった。だからこそ、今ナマのベンジーを体験できるたったひとつの方法、Sherbetsのライヴに私は訪れた。

 ライヴが始まり1曲2曲とノリのいいナンバーが続く。そこで感じたのは、ベンジーは私が思っていたとおりの人であったということだ。何ひとつ意外だったところなんかなかった。その茶色くて顔が隠れるぐらいの長さの髪の毛は揺れてたし、赤の皮パンをはいてまさにロックンロールをがむしゃらに鳴らしている男、というのも想像どおりだった。というか彼がもう「ロック」だった。彼はそこにいた若い観客のイコンだった。ロックを象徴する偶像だった。それはライヴ中の客の歓声、態度、彼らの顔、全てを見ていてわかったし、どれほど彼らがベンジーを敬愛しているかも感じ取れた。

 3曲目あたりで客のパワーが勢いづきだし、リキッド特有の「床ゆれ」が始まった。これが楽しいんだ、リキッドって。Sherbetsみたいなバンドがプレイするとなおさらだ。この時私の体に響いていたのは床の振動だけではなかった。ステージ上から吐き出される音の共鳴。力強いドラムとビートのきいたベース。こだまする歌声。シンセの不協和音。

 中盤に入るとバンドは聴かせるナンバーを何曲か並べた。会場は今までとうって変わったかのように静まりかえり、全ての目がじっとステージを見つめている。まるで歌詞を私達にうめこむかのようになげかけ、叫ぶベンジー。その歌詞は孤独や世界、社会に対しての絶望感、私達が普段感じる全てのさびしい感情、それを彼は代弁するかのようになげかける。そこに響くシンセはとても美しかった。とても心地がよい。と同時に本当に奇妙だった。こんなに主張し、広がるシンセの音を聴いたのはひさしぶりだったように感じる。それは見事に独特の世界、空間を作り出していた。メンバーはみんな下を向きながら力強く演奏する。底のついたロックンロール、といったかんじだった。

 ラストの方で「Are you ready?」「Rock'n'roll!」などと叫びながら彼らは勢いのあるナンバーに戻る。バンドも客も始めの方のテンションよりあきらかに高めのテンションと温度で会場をあたためていく。客のシルエットは始終たてに細かく揺れ、ダイバー達がこぶしをつきあげる。ステージ上から生まれる音はノイズ寸前の爆音で鳴らされる。

 ライヴ後に私の中に残ったのは、ベンジーという個人より、Sherbetsというバンドだった。私はその各パートの主張の強さをかなり強く感じることができた。そして一風変わった彼らの曲の特有さ、哀愁さ、奇妙な世界の形成、などはブランキーでもAjicoでもなかった。そしてこの日、私はSherbetsを知った。だが同時にベンジーの力強く甘い歌声と私の大好きな彼のギターソロが、変わらなく聴けたこともすごくうれしかった。

 

 

 report by eri and photo by morissie


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to Yukari "morissie" Morishita. They may not be reproduced in any form whatsoever.
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