peace1212(V∞REDOMES) at 新宿リキッドルーム(2001年12月12日)

 

V∞REDOMES V∞REDOMES V∞REDOMES V∞REDOMES V∞REDOMES V∞REDOMES V∞REDOMES V∞REDOMES

 

なぜpeace1212か...

 

 

 この日の会場はいつものリキッドルームとがらりとかわって凄くいい雰囲気。あ、いつもがサイテーとかってわけじゃないですが、ライブハウス然としているのに対して(当たり前)今日はロビーのあちこちに風船が飾り付けられパーティー会場みたい。それだけで楽しい、ウキウキ。入り口すぐに中村哲医師で知られるペシャワール会のコーナーがみえる。イベント名を思い出す。

 ちょうどEYEさんのDJがスタートしたところだった。その後はMoodmanのDJ、そしてV∞REDOMES、というスケジュールでライブまではまだ2時間もある。でも、ま、一応ステージみておこっかな〜フラフラ、と会場に入るとビックリ。ドラム3台とシンセ等の機材が、フロア中央に設けられたアクリルで仕切られた箱のようなステージにセットされている。まるでプロレスのリングみたい?いや、巨大な水槽のようだ。その水槽をオーディエンスがぐるりと囲むような形でライブを楽しむことになるようだ。

 いつも使われているステージは解放されていて、既にいい気分になっている人達がゆらゆらと踊っている。いいなぁ、私も登りたい。だっていつもアーティスト達が見ている目線というものを体験したいではないか。しかし、あまりの人の多さでフロア中央から先へは進めず、あえなく断念。踊っている人達のその後ろには大きなスクリーン。会場左右の壁にもスクリーン。3つのスクリーンには同じ映像が写し出されている。ディズニーの「シリー・シンフォニー」の花と木の映像が流れている。そして、ここにも沢山の風船が天井から飾り付けられている。

 ぐるりと会場をひとまわり。なんだか凄く雰囲気がいい。ロビーに出てみる。おや?シタールの音がする。いってみるとCDやTシャツを売っている横で三人組が演奏している。まるで、そのシタールの音に合わせるかのように、糸の切れた風船がふわふわとロビーを浮遊している。ああ、ホントにいいカンジ。ピースフルなムードを満喫しつつ、一人で来たことを後悔。こういうイイ気分は誰かと共有したいもの。MOODMANのDJも最高にゴキゲン(死語)でいい気分のままボア登場を待つ。

 ぱあっと中央の水槽に照明があたってメンバー登場。歓声があがる。おごそかに、まるで何かの儀式がはじまるようにEYEさんの合図に合わせてドラムの三人がシャラシャラシャラ...とシンバルを繊細にならす。青白いスポットライトがアクリルに反射して、とっても綺麗。本当に水槽みたい。さしづめ「ボアダムス竜宮城」という感じ。独特な動きで機械のスイッチオーンしたりツマミグイーッをくり返すEYEさんに合わせるようにドラムはゆっくりと上昇下降をくり返し、徐々にサウンドが高揚して圧倒的な迫力でこれ以上ない高さに到達する。同時に溢れ出すリズムの洪水。キィイィィィィィィィィィィーーーーーーン、ドロドロドロドロドロドドドド!!! ギュゥイイイイイイイーーーン、ダダダダダダダダダ!!! 様々な音が一体となって登りつめてゆく高揚感は、まるでラヴェルの「ボレロ」を、そして迫力あるグルーヴはバレエダンサーのジョルジュ・ドンがその肉体の表現そのものを思い起こさせる。「ボレロ」モーリスベジャールバレエ団によって上演されている。何人ものダンサーがジョルジュ.ドンをぐるりと囲む。まるで花びらのように。中央のジョルジュは静かに呼吸しているがやがて左腕が静かにあがり、続いて右腕も上がり、二つの腕は交わり呼吸し、まるで男女をあらわすかのように営み展開してゆく。そして何度もくり返され、くり返される度に複雑にからみ合ってゆくメロディに合わせてドラマチックに高揚してゆくのだ。ボアの場合「越中褌キリリとしめた大和魂」な心意気も感じるけれど。

 アジア的な植物的なスピリチュアルなムードも、今にもUFOがお迎えいに来そうな不思議宇宙感覚も。そして「人間」とか「民族」とか以前の細胞の段階で既に反応しうる音楽とでもいおうか...私がまだ生まれる前、ママンの食べたオトーフのタンパク質だった頃に聴いていたとしても、きっとトーフがピクピクと反応してしまったであろう。ヒトゲノムにインプットされた原始でエモーショナル音楽...それがV∞REDOMS aka BOREDOMSの魅力...そんなことを感じるライブであった。

 EYEさんの指揮のもと、あまりに完璧な一体感はライブというよりも「公開録音」という感じもしないでもない。私が感じた一体感というのはあくまで奏者の、グルーヴの一体感ということで観客とアーティストの間に生じる一体感というものではなかった。しかし、4人全員が目に見えない何か一点を物凄い集中力で見つめて四角い水槽から放つ強い光のような音のパワーは私達を圧倒し、感動を与えるのに十分だったと思う。

 何を言ってももどかしい。こういう時アーティストってうらやましい、って思う。言葉では伝えられられないアレコレを自分の身体を使って表現してしまうのだから。

report by mimi and photo by saya38


無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Mika "mimi" Iimori and the same of the photos
belongs to "saya38" Takahasi. They may not be reproduced in any form whatsoever.
To The Top.