Joe Strummer &The Mescaleros @ Akasaka Blitz (2nd Nov. '01)
クラッシュなんて知らないよ
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Joe Strummerって一体何物なんだろう。クラッシュというバンドのフロントマンを以前つとめていたらしい。クラッシュというバンドの名前は聞いたことはある。最近よく流れている車のCMに使われている曲は確かクラッシュの"I Fought"なんとかって曲だったな。そういえば20世紀が終わるときにイギリスの音楽雑誌がよく「20世紀を代表するアルバム100選」特集をやっていて、それに男の人がギターだかベースだかをステージに叩きつけているジャケットのアルバムがよく上位に入っていた。あれもそう言えばクラッシュってバンドのアルバムだった。この日集まった観客の服装を見る限り、多分クラッシュというバンドはパンクだったんだろう。それでは今のJoe Strummer & Mescalerosというバンドはどんな音楽をやっているバンドなんだろう。今でもパンクなのかな? まぁライブに行ってみればわかるか。
赤坂ブリッツの会場に入ると、ちょうどこの日の前座のSKA FLAMESの演奏が始まっ
た。これってスカ? そういえばバンドの名前にもSKAって入っている。元パンクバンドをやっていた人の前座がスカ? Joe Strummer & Mescalerosに対する謎は深まるばかり。スカってそもそもあまり聞いたことがなかったんだけど、気持ちいいなぁ。ずっと同じテンポでひたすら横揺れミュージック。こういう音楽ってやっぱり野外の太陽の下で見れたら最高なんだろう。あまりの気持ち良さにJoe Strummerの事をすっかり忘れてしまった。Joe Strummerって何物なんだっけ? そういえばそれをこの目で確かめるために今日この会場に来たんだった。
ステージ上のセットの転換中、曲が一曲終わる度にパンクロッカー達から歓声が上がる。「ジョーーー! ジョーー! 」予定時刻より少し遅れてやや暗めのステージにメンバーが登場した。一曲目はDelgadosやMogwaiあたりのインスト系ミュージックを意識したようなきれいな曲。バイオリンが入ってくるとそれだけでアイルランドのトラディショナルミュージックのようななんともいえない懐かしさや心地よさを感じる。この曲が終わり、やっとJoe Strummerの姿が見えた。初めて見たJoe Strummerの第一印象は典型的なイギリス北部の人の良さそうな中年のおっちゃん。でも服装や髪の毛をジェルかなんかでビシっときめてるあたりは典型的とも言えないか。この人の場合は多分僕が生まれる前からこのスタイルを通して生きてきたんだろう。それはこの時の観客という鏡を通して見れば当時のJoe Strummerを知らなくても一目瞭然だ。
このJoe StrummerのおっちゃんとMescalerosの演奏する音楽はなんて表現したらいいんだろう。パンクではない。サックスやバイオリンは入ってくるし、時にはスカの緩めな曲もあればアイリッシュ風の民族音楽っぽさも感じられる。クラッシュ時代の曲(横で友達にどれがクラッシュの曲かを教えてもらっていた)もパンクなんだけど、どこかパンクの中にも緩さを感じる。この日一番の盛り上がりを見せた僕にとっては車のCMの曲、"I Fought The Law"もJoe Strummerのボーカルが入る部分はパンクというよりもスカに聞こえる。このJoe Strummerという人、こうやってひとつのジャンルの音楽に捕らわれずにいろいろな音楽の要素を融合させてきた人なんだろうか。そういえばクラッシュに詳しい友達によるとバンドの前期はストレートなパンクをやっていたんだけど、後半はスカやレゲイをどんどんと取り入れていったらしい。
イギリスでは90年代に入っていろいろな"融合(ミクスチャー)"音楽が生まれた。Massive Attackはロックにレゲイやダブを取り入れて、見事にTrip Hopという新しいジャンルを確立したし、Primal Screamはハウスミュージックやファンクをロックに融合させてその時代を代表するバンドになった。ロンドンではDrum 'n' Bassというテクノにブラックミュージックを融合させた全く新しい音楽が生まれた。こう考えていくとパンクという音楽にスカやレゲイという音楽を今から20年以上も前に取り入れていったJoe Strummerは、こういった"融合(ミクスチャー)"ミュージックのパイオニア的存在だったんだろう。
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report by yohei and photos by hanasan
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