sherbets at 日比谷野音(2001年10月28日)
 

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 ったくなんで雨なんだよ!! この日の前日は晴れてたし、翌日も晴れてた。なのになんでこの日に限って雨なんだよ。この日は日比谷野外音楽堂という、名前の通り野外の会場。 この日は一日中雨だった。

 最近は急激に寒くなって、日が落ちるのも早くなった。会場に着いたころにはもう辺りは真っ暗で、会場に向かう途中に通る公園の小道もやけに街灯が暗かった。そしてこの雨だ。よく恵みの雨とはいわれるけど、実際に本当に水がなくなる生活をした事のない僕にとっては節水の時以外、雨のありがたみを実感することなんてほとんどない。いくらほとんど毎日が曇りの英国にしばらく住んでいたとはいえ、やっぱりこういう寒い時期のこういう天気は憂鬱になる。

 このSHERBETSというバンドは僕にとって未知のバンド。このバンドのボーカルが去年までやっていたブランキー・ジェット・シティーというバンドについてもほとんど知らない。この2バンドとも、最近友達からCDを借りて初めて聴いたくらい。
 ほぼ定刻通りにメンバーがステージに登場した。SHERBETSの音楽をこの時初めてライブで聴いた印象は、とにかく暗い。なんでこんな雨の中、野外にたくさんの人がこんな暗い音楽を聴きに来てるんだろう。なんかライブを見ながらどんどんネガティブな気分になっていく。

 この日比谷の野音という会場は東京のど真ん中にある。ふとライブの途中にステージの上を見上げると、そこにはビルの群集がそびえ立ってこっちを見ている。日曜日の夜だというのに、電気のついているオフィスがいくつか見える。そこで働いている人の中には朝の通勤ラッシュで死んだような目をしている人たちもいるんだろうな。SHERBETSが演奏している音楽はこの人たちの苦痛の声にも聞こえてくる。

 そんな事を考えて空を見上げながら、ステージが見えなくなる客席の後方までさがってみた。そこからは台形のステージの屋根の部分だけが見えて、怪しい色の照明が見える。この台形の建物はそこから見ると、まるでトンネルが大きい口を開いているようにも見える。多分長い長いいつまでたっても出口にはたどり着けないトンネルなんだろう。このトンネルの入り口に立って演奏しているSHERBETSのメンバー。彼らの音楽は観客を始め、正面のオフィスで働いている人達まで飲み込んでいくように感じられる。

 SHERBETSの音楽は確かに暗い。僕はたまにどうして人は暗い音楽を好んで聴くんだろうと不思議に思うことがある。僕がRadioheadやMogwai、Trickyのような音楽を好んで聞くように。この日のコンサートの序盤にも同じようなことを考えていた。ただ、 コンサートが進むにつれて、その暗さがなぜか心地よくなってきた。さっきまであんなに不満を感じていた雨も、SHERBETSの音楽には必要なもののように感じてきた。

 誰でも人間は心の中に暗い部分を持っていると思う。そして時にはトンネルに逃げ込むように現実から目を背けてしまうことが誰でもあると思う。SHERBETSはただカッコイイから好きという人はたくさんいるかもしれない。でもそれ以上にみんなこういうダークなSHERBETSの音楽に共感し、そしてなんだか救われた気持ちになるんだろう。雨が地球にとってなくてはならないもののように、音楽を聞く人にとってこういうダークな音楽は時には心の拠り所としてなくてはならないものなのかもしれない。

 この日のSHERBETSは最高のコンディションでのライブだった。

 Reported by Yohei.


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Morishita
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