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1.[A] TOUCH SENSITIVE
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そのまま素直にやってればビーチ・ボーイズやXTC、あるいはティーンエイジ・ファンクラブに負けないハーモニーとメロディを持つ「極上」ポップ。なのにどこかで変な音を入れずにはおられない。そんなひねくれの虫は、最新作の「RINGS AROUND THE WORLD」でも健在だ。各国語の留守電、日本語の時報から果てはポール・マッカートニーがセロリをかじる音まで入っている。前作もアルバム全曲ウェールズ語…と、決して一筋縄では行きそうにない彼らのライヴを4度目の来日にして初体験だ。 午後7時。まずはサポートのOPQ登場。一瞬モグワイ風なインストでスタートした演奏はいい感じだけど、何より印象に残ったのが、彼らもスー・ファリの大ファンだってこと。「握手してもらってもう夢見心地」なんてめちゃくちゃうれしそうなMCにはこっちも幸せな気分に。
8時6分。最新作の中の怪しげなインスト、「[A] TOUCH SENSITIVE」"でスタート。グリフの挨拶の後は「SIDEWALK SERFER GIRL」"。そして、「(DRAWING) RINGS AROUND THE WORLD」へ。ああ、このハーモニーの楽しさはブライアン・ウィルソンにも聞かせたい! 「RECEPTACLE FOR THE RESPECTABLE」では、ポールではなく、ジョンのお面をかぶったスタッフがセロリをかじる。残りのセロリ投げも場内大ウケ。もちろん、ライヴの大音響でセロリかじる音なんて全然反映されるはずけないけれど、一見どうでもいい音に凝ってみるのがスーファリ流。アコースティックに始まった「NO SYMPATHY」では、次第にテンポアップして熱くなっていった後半、いつのまにかキーボードの彼を残してメンバーがいなくなったかと思うと、さっきまでの演奏をサンプリングしての爆音リミックス大会が炸裂。あらら、こんなになっちゃうんだあ。
ごく真面目に「僕らはpeaceful なバンドだよ」というコメントと共に始まった「IT'S NOT THE END OF THE WORLD?」"には救われた。アルバムのクレジットでは、この曲のタイトルには?マークがついているが、この夜生で聴いた歌は違っていた。――テロ事件や空爆や、とんでもないことばかり起きる世の中だけど、決して「世も末」ではないよ―― あの穏やかな歌声は私にはそう聴こえたのだ。
ベーシックに戻るよとウェールズ語で歌った「NYTHOD CACWN」や、口笛を交えての「PRESIDENTIAL SUITE」。そして、普通のヴォーカルとワウワウ言うマイク(トーキング・モジュレータだっけ?)とを一人使い分けての「JUXTAPOZED WITH U」。ヘンな音やらなごみの音やら織り交ぜつつも、比較的穏やかに進んできたステージは、終盤「DO OR DIE」「GOD! SHOW ME MAGIC」そして「CALIMERO」の3連打で一気にモッシュ・モードに。皆待ってましたと跳ねまくる。ああ、よかったあ。今日のファンはおとなしすぎると思ってたもんね。「THE MAN DON'T GIVE A FUCK」で彼らがステージを去った後も延々アンコールを求める拍手が続く。
結局、再び登場することなく終わったが、それでもアコースティックからへんてこノイズまで自由自在の1時間40分は、大いに楽しめた。何と言っても基本中の基本とも言うべき王道ポップの素晴らしさ。地に足ついたそんな音への愛情があるからこそ、いくらでもいじくりまわすことができるんだよね。 Reported by Ikuyo Kotani.
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