DELTA SOUNDS TOUR at Mother Hall(2001年10月8日)
 

CAPTAIN HEDGE HOG

CAPTAIN HEDGE HOG

BACK DROP BOMB

BACK DROP BOMB

HUSKING BEE

HUSKING BEE

HUSKING BEE

コア系が愛される理由

 なぜ今コア系なのか… 私にはそれが不思議でならなかった。「乱暴」という印象しかなかったし、男臭い気がしていた。心の中にある「Why」を確かめるため、DELTA SOUNDS TOURを見に行った。そこで感じた想いは、必ずしも正解ではないだろう。コア系のファンの人が読めば非難されるかもしれない。しかし、今回体験したことで、私の中で以前の何倍も愛しく、楽しめるものになったのは間違いない。

 大阪のミナミ真ん中にあるMOTHER HALLは2000人動員可能な大型のハコ。人がひしめき合う通称「ナンパ橋」をやっとの思いで通り抜け、会場に到着。そこには「何だ、この人の多さ!」と思わず声をあげてしまったほどの人が集まっていた。人だかりをかき分け、地下へ降りるとロッカールームの前でまたもや人・人・人。休日というのもあってか、2000人のキャパをはるかに越えていた。タオルを首に巻き、準備万端でフロアへ降りていく人達。そんな風景にすら、コア系の人気を実感。

 折しも時は10/8、米軍が空爆を行った日。この行為について語るつもりはないが、悲しみが胸をしめつけていた。心地よく肌をさらう秋風がさらに切なくさせ、とてもじゃないがコア系の音楽を楽しむ気にはなれなかった。しかし…

 

 開始時刻を過ぎること15分。一つ目のバンド、キャプテン・ヘッジ・ロックの爆音が響き渡る。3枚目のアルバム「Dolphin」をリリースしたばかりの彼ら。ちょっとMCの多さが気になったが、溶け込みやすく聴きやすい音。爽やかで軽快なメロディーは足が弾み始める。ドラムとベースの兼ね合いがよく、ちょっと高い声のボーカルが泥臭いイメージを消してくれた。コア初心者の私にはいい切り出しとなった。

 

 

 20:15 久々の音源「2254 UNIVERSAL EP」を発売したバンド、バック・ドロップ・ボムがスタート。更に人が前に押し寄せる。一つ目のバンドとは違い、ハードな音にラップ調の歌詞が特徴。ハモリを随所に利かせながら、アコースティックギターも取り入れ、一つのバンドなのに幾つもの顔があって面白い。フロアにはタイガーマスクの面を被った人も現れ、それぞれ自分流の楽しみ方で楽しんでいた。

 

 

 トリを勤めるハスキング・ビーが登場したのは21:25頃。大阪では初お披露目となる、9月初めにリリースしたシングルを含め全13曲を駆け抜けた。今年のフジロックにも参戦していた彼らの、力強い声と迫力ある演奏には圧倒。男らしい。5曲目の「コロロコリー」では、秋の歌という前振りがあったが、本当にその通りだった。切なく儚げで… 涙がこぼれそうになる。その後、再び疾走し始めたハスキングビーは、もう誰にも止められない。会場中の目がステージに集まり、高らかに声をあげ、リズムを取り踊り続ける。10曲目の「欠けボタンの浜」では、ブルースハープを吹き、最初の何小節かを皆で大合唱! 客とバンドが一つになった瞬間だ。後方では、何人かで円陣を組み、回りながら踊る… 何て気持ち良さそうなんだろう。その光景を見て何かが私の中ではじけ、コア系の楽曲達が支持される理由が分かった気がした。楽器と声以外の飾りを持たない彼らは、私達と近い距離にいる。そこで生み出される楽曲達は、等身大の彼らのメッセージが込められているのだと。特に、ハスキングビーが歌った「欠けボタンの浜」「THE SUN AND THE MOON」「WALK」は、キャンプファイヤーの際、皆で肩を組みながら「若者たち」を歌ったあの感触に似ている。そう、現代版「若者たち」。くさい言い方かも知れないけど、青春という言葉が当てはまると思う。アンコール2曲を終え、ステージを降りていく彼らを見て、すがすがしい想いがこみ上げてきたのは私だけではないだろう。

 

 全てのバンドの演奏が終わり、しばらく放心状態の私。なぜなら「乱暴」の欠片もなかったからだ。確かにみんなダイブしていたし、危険がなかったとは言えない。けが人が出なかったのが不思議なくらい。だけど、あれだけの満面の笑みを浮かべ、熱く、楽しそうなお客さんとバンドの距離を見て、どこを乱暴だと感じるのだろうか。音もちゃんとメッセージや想いが込められていたし、伝わってくるものがあった。テレビで流れてくる数秒のプロモーションビデオでは分からないものがそこにはあったのだ。

 

 今回、私の中にあった「Why」を解明するために行ったDELTA SOUNDS TOUR in Osaka。解明どころか、すっかり虜になってしまったかもしれない。

 

 

Reported by Shoko Kudo.


無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Shoko Kudo and the same of the photos belongs to
Tsuyoshi Ikegami. They may not be reproduced in any form whatsoever.
To The Top.