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コア系が愛される理由 なぜ今コア系なのか… 私にはそれが不思議でならなかった。「乱暴」という印象しかなかったし、男臭い気がしていた。心の中にある「Why」を確かめるため、DELTA SOUNDS TOURを見に行った。そこで感じた想いは、必ずしも正解ではないだろう。コア系のファンの人が読めば非難されるかもしれない。しかし、今回体験したことで、私の中で以前の何倍も愛しく、楽しめるものになったのは間違いない。 大阪のミナミ真ん中にあるMOTHER HALLは2000人動員可能な大型のハコ。人がひしめき合う通称「ナンパ橋」をやっとの思いで通り抜け、会場に到着。そこには「何だ、この人の多さ!」と思わず声をあげてしまったほどの人が集まっていた。人だかりをかき分け、地下へ降りるとロッカールームの前でまたもや人・人・人。休日というのもあってか、2000人のキャパをはるかに越えていた。タオルを首に巻き、準備万端でフロアへ降りていく人達。そんな風景にすら、コア系の人気を実感。 折しも時は10/8、米軍が空爆を行った日。この行為について語るつもりはないが、悲しみが胸をしめつけていた。心地よく肌をさらう秋風がさらに切なくさせ、とてもじゃないがコア系の音楽を楽しむ気にはなれなかった。しかし…
開始時刻を過ぎること15分。一つ目のバンド、キャプテン・ヘッジ・ロックの爆音が響き渡る。3枚目のアルバム「Dolphin」をリリースしたばかりの彼ら。ちょっとMCの多さが気になったが、溶け込みやすく聴きやすい音。爽やかで軽快なメロディーは足が弾み始める。ドラムとベースの兼ね合いがよく、ちょっと高い声のボーカルが泥臭いイメージを消してくれた。コア初心者の私にはいい切り出しとなった。
20:15 久々の音源「2254 UNIVERSAL EP」を発売したバンド、バック・ドロップ・ボムがスタート。更に人が前に押し寄せる。一つ目のバンドとは違い、ハードな音にラップ調の歌詞が特徴。ハモリを随所に利かせながら、アコースティックギターも取り入れ、一つのバンドなのに幾つもの顔があって面白い。フロアにはタイガーマスクの面を被った人も現れ、それぞれ自分流の楽しみ方で楽しんでいた。
トリを勤めるハスキング・ビーが登場したのは21:25頃。大阪では初お披露目となる、9月初めにリリースしたシングルを含め全13曲を駆け抜けた。今年のフジロックにも参戦していた彼らの、力強い声と迫力ある演奏には圧倒。男らしい。5曲目の「コロロコリー」では、秋の歌という前振りがあったが、本当にその通りだった。切なく儚げで… 涙がこぼれそうになる。その後、再び疾走し始めたハスキングビーは、もう誰にも止められない。会場中の目がステージに集まり、高らかに声をあげ、リズムを取り踊り続ける。10曲目の「欠けボタンの浜」では、ブルースハープを吹き、最初の何小節かを皆で大合唱! 客とバンドが一つになった瞬間だ。後方では、何人かで円陣を組み、回りながら踊る… 何て気持ち良さそうなんだろう。その光景を見て何かが私の中ではじけ、コア系の楽曲達が支持される理由が分かった気がした。楽器と声以外の飾りを持たない彼らは、私達と近い距離にいる。そこで生み出される楽曲達は、等身大の彼らのメッセージが込められているのだと。特に、ハスキングビーが歌った「欠けボタンの浜」「THE SUN AND THE MOON」「WALK」は、キャンプファイヤーの際、皆で肩を組みながら「若者たち」を歌ったあの感触に似ている。そう、現代版「若者たち」。くさい言い方かも知れないけど、青春という言葉が当てはまると思う。アンコール2曲を終え、ステージを降りていく彼らを見て、すがすがしい想いがこみ上げてきたのは私だけではないだろう。
全てのバンドの演奏が終わり、しばらく放心状態の私。なぜなら「乱暴」の欠片もなかったからだ。確かにみんなダイブしていたし、危険がなかったとは言えない。けが人が出なかったのが不思議なくらい。だけど、あれだけの満面の笑みを浮かべ、熱く、楽しそうなお客さんとバンドの距離を見て、どこを乱暴だと感じるのだろうか。音もちゃんとメッセージや想いが込められていたし、伝わってくるものがあった。テレビで流れてくる数秒のプロモーションビデオでは分からないものがそこにはあったのだ。
今回、私の中にあった「Why」を解明するために行ったDELTA SOUNDS TOUR in Osaka。解明どころか、すっかり虜になってしまったかもしれない。
Reported by Shoko Kudo.
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