|
|
音の向こうに覗く肯定的姿勢 「シャーロットはノーブラなのか?」ライヴの途中からそれが気になって仕方なかった。この日、ASHのギタリストであるシャーロットはノースリーブの体の線がくっきり出るシャツを着て演奏していたのである。凝視しても遠くてはっきりと確認することは出来ないし、盛り上がっている前方に突入して確認したいが、おれはスーツを着ていたのだ。おれの周りではライヴが終わると「ノーブラ疑惑」を巡って議論が白熱することになる。 ASHのライヴはリードヴォーカル&ギターのティムが大活躍して「これがイギリスのバンドなの!?」というくらい元気よく明るいステージが印象に残った。この日もスピード感のあって楽しげな演奏にお客さんも、盛り上がっていた。ASHの曲をよく知らない自分もクラブで聴いたことある曲もあって自然に馴染んでいたりする。本編終盤でライドかモグワイかという感じのギターノイズ大放出の曲でも、なんか生命力が溢れているという印象で、例えば美しい音空間を作るために計算するモグワイの持つギターノイズの浮遊感とはちょっと違う。 演奏する曲をきちんとコールしたり(そして、どの曲でも歓声が上がる)、「日本語で、one,two,three,fourってなんて言うの?」と尋ねてから「イチ、ニ、サ、シ!」とカウントして曲を始めたり、「今日はリック(ドラム)の誕生日なんだ」とお客さんと祝ったり、とコミュニケーションを積極的に取ったりするのも別に気負いもないし、「サービスしてやっているんだぞ」という態度も皆無。いろんなことが普通に行なわれていた。それ程高くないけど、着心地のいい服を着ているみたいに楽しめる。 いまどき、普通に格好良いというにはためらいがあるフライングVをかき鳴らすティムにとっては楽しむことが彼にとっての闘いなのだと思う。彼がどんな育ち方をしたかよく知らないけど、ベルファスト出身ということは、その地で日々くり返される悲劇のことは避けて通れない。 そうした状況は承知の上で「明るく行こうぜ!楽しもうぜ!やりたいことやろうぜ!」という肯定的な姿勢は、彼らなりの闘争スタイルなのであろう。この日もやはり盛り上がった「KUNG FU」は馬鹿みたいに意味がない歌だけど、ひたすら明るくて、そしてASHの「今を楽しまなくてどうするんだ!」という主張が伝わってきて、思わず体が動き出して「オオオオオーオッ!」と合唱してしまうのである。ASHはそういうシンプルなモノの力をはっきりと分かっているバンドである。大昔、ビートルズというバンドが「She loves You Yeah,Yeah,Yeah!」の「Yeah!」にあらゆるニュアンスを込めることが出来たように、ASHもまた「オオオオオーオッ!」にいろんなニュアンスを込めているのだ。そして、そのシンプルな認識が言葉も違うし、環境も違えば文化も違う我々とバンドを結びつけることができるのである。それはとても素晴らしい。 だから、シャーロットのノーブラもこう考えると彼らの姿勢に沿ったものである、と言える。気負わず自然に、元気で明るく、前向きな姿勢。これは雄弁でバンドを引っ張っていくティムに対して「女の子も自由に楽しんでいいのよ!」というシャーロットの無言のメッセージなのである。 というわけで、遠くで確信が持てなかったけど、近くでシャーロットを観た人は本当にノーブラだったかどうか答えてくれ! ライヴ終了後の感想 「やっぱ、ノーブラだろ。先っぽが見えたもん」 「マーク(ベース)の方にいたんで気づかなかった」 「微妙な盛り上がりだった。やっぱUKバンドという感じ」 「老けたね。ベースが一人だけスポットライト当たってなかった。ライヴ自体はコンパクトで良かった」 「思ったより激しくて、気持ちよく踊れました。いい汗かいた」 「前の時のほうがもうちょっと盛り上がっていた。A LIFE LESS ORDINARYが聴けて良かった」 「大きくなったなあ(成長したなあという意味と思われる)」 「前回来たときのただ力任せというのから、一皮むけたので良かった」 コメント協力(順不動):みっちー、NAO、かみむ、FOO、satoshi、まゆポン、マーブル ---setlist---
BURN BABY BURN ---encores---
LOSE CONTROL Reported by Nobuyuki.
|