button 頭脳警察 @ Shibuya AX(6th Sept. '01)

不思議で強い磁場を感じさせるライヴ
頭脳警察

頭脳警察

頭脳警察

頭脳警察

頭脳警察

---setlist---

1.銃を取れ
2.マラブンタバレー
3.嵐が待っている
4.コミック雑誌なんか要らない
5.今日は別に変わらない
6.オリオン頌歌
7.落ち葉のささやき
8.People
9.暗闇の人生
10.ひとつぶの種になって
11.スホーイの後で
12.戦慄のプレリュード
13.間際に放て
14.ふざけるんじゃねえよ
15.煽動
16.Blood Blood Blood
EC未定(本文参照)

 会場に入ると、いつものライヴの雰囲気と違い、異様に年齢層が高いのに気づく。70年代当時の若者がそのまま年齢を重ねた人もいれば、立派にスーツを着こなしている人もいる。あと、友人が言っていたのは「いい姉ちゃんが結構いる」。それからヘルメット(赤軍派?)をかぶった人もいる。もちろん、ヘルメットをかぶっている人の意識とすればコスプレのつもりなんだろうけど。そんな渋谷AXだった。

 前座のDMBQ。自分は一回観ておきたいと思っていたバンドなんで、入り口に貼り出された前座の告知に喜んでしまった。オペラの序曲みたいな大仰なSEをバックに登場したバンドは、どこから見ても70年代風のファッション。そして彼らが出す音はもろに70年代のハードロックである。レッド・ツェッペリンの「DAZED AND CONFUSED」みたいなフレーズは出てくるし、言い訳も出来ないくらい70年代である。だけど、このバンドはいい感じでギターが響いているなあと思った。エレキギターを手にした人なら経験あると思うけど、音量とディストーションを目いっぱいフルにしてチョーキングをいろんなポジションで試してみて「ここが一番気持ちよく響くよなあ」とギュワ〜ンと何度も繰り返して悦に浸る、そんな楽器初心者の気持ちを忘れないバンドだと思う。それは、ドラムの吉村が本当に嬉しそうな表情でドラムを叩いているのを見ているとより分かる。終始ニコニコ顔で、思いっきりドラムが叩けるんだよ!みんなと演奏できることが嬉しくてしょうがないんだよ! というのが、キュートな女性に似合わない(と書いたら失礼かも?)ほどパワフルなドラムと共に伝わってくる。

 そんなメンバーの演奏ぶりと、リーダー(ヴォーカル&ギター)の増子とギタリスト松居の軟体動物のような変態的なパフォーマンスと合わせるとこのバンドが70年代そのまんまのスタイルをやっているのは必然だと思う。ギターがいい感じで響いていること、みんなと演奏すること自体が楽しいこと、自分の中の「変」を解放するパフォーマンスをすること、それらは70年代のロックがお手本であって、バンドが意識的に70年代ロックを選んだのであり、決してナツメロを狙ったものでもなく、きちんと「今」のバンドになっているのだ。

 最初は「何だこいつら」と引いて見ていた、頭脳警察目当てのオジサン、オバサンたちも、この圧倒的な音と、変態的なパフォーマンスとは裏腹の増子の控えめでちょっとユーモラスなMCのおかげで最後は温かい拍手を貰っていた。

 そして、今回の主役の頭脳警察。70年代の活動時はベトナム戦争、90年の再結成の時は湾岸戦争、今回はあの事件である。70年代は頭脳警察が時代の熱気に引っ張られたのだろうけど、90年と今回は頭脳警察が活動すると世界情勢が動くという奇妙な符合がある。

 背後のスクリーンには1stアルバムと同様の三億円事件の容疑者のモンタージュ写真が映し出され、フランク・ザッパの「WHO ARE THE BRAIN POLICE?」が鳴り響き、高まる期待をうけながらメンバーが登場。PANTA(ヴォーカル&ギター)とTOSHI(パーカッション)のオリジナルメンバーの他にギター、ベース、ドラムスがサポートで参加している。

 三億円事件の容疑者のモンタージュが消え「WE ARE THE BRAIN POLICE」と書かれた幕が下りてきて、1曲目は「銃をとれ」。70年代当時の空気をもろに反映したこの歌は、この前のMo'sometone BenderのライヴでオープニングSEとして使われていたように、メッセージは古びても、その精神は2001年の今でも通用するものなんだというのが伝わってくる。というか、このライヴ自体が、頭脳警察の精神は今でも生きることが出来る、曲はナツメロにならずに今でも呼吸して成長するものだ、ということをPANTAとTOSHIは証明したかったんだと思う。特にこの頭脳警察の曲に新たな息を吹き込んだのは、サポートギタリストの藤井一彦(THE GROOVERS)で彼のソリッドなギターは文字通りの「切れ味」を頭脳警察の曲に加えたのである。そんなサポート陣の好演を得て、音が迫ってくる。一方、アコースティックコーナーでは原点に戻り、PANTAとだけで演奏され、よりPANTAの声がクリアに響く。このアコースティック・セットをもうちょっと長く聴きたいと思った。

 アンコールの1回目、3曲くらい演奏されたうちの最後が確か「悪たれ小僧」。2回目のラストが「さよなら世界夫人よ」。「さよなら〜」がこの日のベストで、まさに「歌詞に歌われるメッセージが古びても、メロディやこの曲を演奏する頭脳警察の持つエネルギーは今でも通用する」ことを十分に証明した曲である。この「さよなら〜」は歴史的な名バラードの風格を持つ曲として、堂々としたPANTAの歌いっぷりが印象に残った。そしてラストが「ロックンロール!」のかけ声で「歴史から飛び出せ」。かなりの盛り上がりの中で終わった。頭脳警察が引き寄せる不思議で強い磁場を感じることが出来たライヴであった。
report by nob and photos by hanasan
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