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今年のフジロック3日目のグリーンステージのトップを務めたブラフマンは、何度も彼らのライヴに通っている人も、初めて彼らを観た人も口を揃えて「駄目だった」という内容だった。後で聞く話だと本人たちも調子の悪さを認めていたらしい。 この日のAXでのライヴはちゃんとフジのリベンジを果たせるかどうかを見届けたいと思った。台風上陸前夜という天候にも関わらず、AXには大勢の人が集まっている。この手のバンドでは見慣れた光景となっている「チケット売って下さい」と訴えるファンも来ている。 ちょっと遅く到着したので、前座のバンドは観れなかった。そして、満員のフロアの後ろの方で彼らの登場を待っていると、いつものようにブルガリア民謡の「お母さん、お願い」をバックにメンバーが現れる。 まずは「Plastic Smile」。新しいアルバムからの曲を中心に演奏される。新たなアルバムの曲は、メロディがポップになった感じがするのはよいが、今までの彼らにあった、静と動や陰影を感じさせたのが若干後退しているという印象を持った。2曲目の「Basis」ではトシロウの投球フォームのようなアクションが全開。トシロウがピッチャーをやったら140キロくらいの球は投げられるんじゃないだろうか。この日のトシロウの声は出ていたし、KOHKIのギター、MAKOTOのベース、RONZIのドラムが一体となって凄まじい迫力を生んでいた。確実にフジよりは状態がいい。 だけど、というか当たり前かも知れないけど、お客さんが盛り上がるのは以前からの馴染みの曲で「See Off」「Deep」「Answer For」などの曲はパワーを持っているのだなと実感する。2〜3年前に発表されて今年に入るまでライヴで何度も演奏されていても変わらずに色あせない魅力を持っているのだ。本編の最後が「Arrival Time」。哀愁のあるメロディが印象に残り、陰影のあるアレンジでブラフマンらしい曲である。本来ならトシロウの声が深く突き刺さってくる・・・はずなんだけど、誰が意図したか知らないけど、ヴォーカルに変なエコーをかけて少々興ざめ。この日は他の曲でも、おかしなエコーのかけ方をしているところがあったけれども、もしそれが効果的にやっていると思っているならやめて欲しいと思う。 アンコールはまず、インストの「Sliding Window」。トシロウが加わって「Box」この曲は初期の「Beyond The Mountain」の津軽三味線ようなギターリフの魅力を再び生かした新曲である。そして「For One's Life」の3曲を演奏してトータルで1時間くらいのライヴであった。 さて、ブラフマンのオーディエンスに対して「暴れるだけが目的」「音楽を聴いてない」「ダイヴの回数を自慢する」などの批判がある。今のパンクシーン、ハードコアやスカコアやメロコアのライヴのオーディエンスに対して、よくある批判である。確かにその批判は正論だと思う。だけども、思うのだ。彼ら/彼女らは、それでもどこかでブラフマンの音を必要としている。今の世の中、発散の手段は他にいくらでもあるわけだし。彼らバンドがそんなオーディエンスの欲望に翻弄されていくのか、バンドが望むところに着地していくのか。ブラフマンの今後を見届けようと思った。 Reported by Nobuyuki Ikeda. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Nobuyuki Ikeda. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |