RADIO 4 at Osaka Joule(2001年6月29日)
 

 

 

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無国籍ロックナイト 大阪初上陸!

 

 今年の4月、東京西麻布Yellowにて大成功をおさめたRadio 4が、6/29(金)に大阪初上陸という情報を聞きつけ、心斎橋アメリカ村の若者がたむろう場所、三角公園の隣にある大阪club Jouleへ向かった。このページの読者に対して、今更説明することもないかもしれないが、Radio 4とはUKで毎週行われているクラブイベントのこと。このイベントの指揮を取るのは、イギリスが世界に誇るインディー・レーベル、クリエーションの17年間に渡る歴史にピリオドを打ち、新たに立ち上げた"マルチメディア・レーベル"ポップトーンズの総師アラン・マッギー。

 ここJouleは99年7月にオープンしたばかりで、壁一面がタバコのSalemと同じ緑で、とても綺麗で設備も整っている。私が今まで行っていたクラブと違って、独特などんより感はなくお洒落でクリアな空気が漂っていた。そんな会場で、どれほどの熱い時間を過ごしたのか、お伝えしたいと思う。

 小雨がパラつき、湿気を含んだ風が気持ち悪いなと思いながら、小走りでアメリカ村を駆け抜け、私が会場に到着したのは22:30分頃。中に入ってみると、まだ、アラン・マッギーは回していないようだが、なかなか踊りやすい曲がかかっていた。アバの"ダンシング・クィーン"、"君の瞳に恋してる"やアース・ウィンド・アンド・ファイヤーの"セプテンバー"など、往年のディスコ・ソングを始め、ドラマやCMで一度は耳にしたことのある曲達が次々にかかる。特に盛り上がったのがフィンガー5の"学園天国"で、これは踊らずにはいられないとばかりに、個々に楽しんでいた。

 23:45頃、Salemのコスチュームに身を包んだお姉ちゃん(簡単に言えばバドガールみたいな感じ)が、突如ステージに現れ、ダンスショーが始まった。男達の視線は釘付けになっていたようだが、Salemガールに気を取られ踊っていた時、ふと隣で踊っている男が目に飛び込んできた。黒のシャツに黒のパンツ、白のスニーカーとキュートなスタイル…… その人こそがアラン・マッギーだった。かわいい、かわいすぎるよ。その辺にいる彼と同じ年の人よりは、ずっと素敵で格好良く見えた(当たり前だけど)。ファンらしき女の子も来ていて、「いやぁ〜、カッコイイ!」と目を輝かせながら彼を目で追っていた。「うん、その気持ちはよくわかります…」私は心の中でそう呟いた。

 彼が1曲目をかけたのは、ちょうど0:00を過ぎたところだった。ハードからソフトと様々なテクノやニューウェイブ、ミクスチャーと脳天をかち割るような重低音が、足下から響き心地良い曲が続き、本当に何でもありのイベントだと実感した。客が同じようにリズムを刻んでいるので、天井が少し揺れていたが… まぁ、それほど激しいということはわかっていただけるだろう。

 前回でもかかったマドンナの"MUSIC"では、アラン自身がブースからレコードをかかげ、客と同じように揺れていた。見ていて、とても気持ちよさそうなので、こっちまで嬉しくなる。それから何度も何度も客をあおり、盛り上げていた。そこは関西人パワー、面白いように食らいついていく。例え、私のように曲名などを詳しく知らなくても、身体を揺らしハッピーになるには、なんら問題のない選曲だった。DJが何でもありな、無国籍ロックを回せば、男、女、日本人、外人、プータロー風からサラリーマンまで客席もまた無国籍で、そこには何のカテゴリもなく、美味い酒を飲んで、タバコを吸って…ただただハッピーな気持ちになりたいヤツだけが集まっていた。

 25:30頃、今回アランが連れてきたTechniqueのライヴが始まった。女性二人組のユニットで、どちらも京都弁で言うところの「べっぴんさん」。少しウィスパーボイス系のボーカルと、演奏中、身動き一つしないシンセの女の子だけ。可愛いのに無表情で、動きも少なく上品感じがした。

 音はあらかじめ録音しておいたものを出しているのだろう。ルックスとは対象的なヘヴィーな音だが、ボーカルの柔らかい声で、唯一無二の音楽を生み出している。日本にはあまりいないタイプの音楽で、アンダーな匂いがするが儚くて、切なくて… それはイギリスの曇り空を頭に思い浮かばせてくれ、イギリスのノスタルジーな匂いがよみがえる感じだった。1曲の中に大きなメロディーの変化がないため、単調に聴こえるが、そこがまた切なくて良かった。DJの流れからしても、あながちズレたものではなかったので、客も自然と受け入れていた。6曲を終了したところでTechniqueの2人がステージを去ろうとした時、「more!more!」という声が聞こえ、それに答えるためアンコールとして1曲やってくれた。

 26:00過ぎ、再びアラン・マッギーがDJブースに入った。他のDJと交代しながら朝の5時過ぎまで宴は続いたのだが、アランがブースに入ると、人がどんどん詰めより、少しゆったりめだったフロアが人でごったがえした。本日2度目のマドンナの"MUSIC"は前半戦よりもヘヴィーなアレンジバージョンで客のボルテージは上がっていく。熱い、熱すぎる。やはり、金曜の夜ということもあって騒いでいるのだろうが、これほどに頭と身体を貫くビートとグルーブの音を聴かされた日には、おかしくなってしまう。

 無国籍なロックと無国籍な人々が集った今夜は、私にフジロックを予感させた。人々が熱狂しハッピーになるためだけの空間。若い騒ぐだけではなく、大人の雰囲気に包まれたクールなマット感とでも言おうか…ざらついたというより、極上のクール。そう、そこには極上のクールが存在した。

Reported by Shoko Kudo.


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Tsuyoshi Ikegami. They may not be reproduced in any form whatsoever.
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